2018年6月25日月曜日

[IS-REC/BOOKs]津川友介著『世界一・・究極の食事』(東洋経済)

津川友介著『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』を読了した。

本書はこれまで読んできた健康関連の食品や食事、サプリなどの情報に比べて最も確からしい情報を提供する本である。すなわち、著者の専門である医療情報学・情報経済学・公衆衛生学の知識とスキルをベースとして、最新のEBMに基づいた情報を、“世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事”として紹介している。その引用文献もすべて巻末に網羅しており、内容的になかなか反論や異論を挟む余地を許さない、与えない内容となっている。巻頭の「はじめに」「謝辞」「本書の読み方」で、食事・食品に関する健康情報の正当性について指摘がある。“医師や栄養士が言う情報だから”、“国が示すガイドラインだから”、などの理由でも正しいとは限らないと述べる。また普段、信頼に足りる疫学的治験を様々提供している東北大公衆衛生学の辻一郎教授はじめこの分野の日本の泰斗のチェックを受けており学術的価値も高い書籍となっている。

健康に良いかどうかで食品を5つのグループに分類

本書では、健康に良いかどうかで食品を5つのグループに分類する。グループ1は「健康に良いということが複数の信頼できる研究で報告されている食品」で、更にエビデンスレベルに従って、グループ5「健康に悪いことが複数の信頼できる研究で報告されている食品」まで5段階に分類されている。

ダークチョコ・コーヒー・納豆・ヨーグルト・酢・豆乳・お茶は「ひょっとしたら健康に良いかも食品」

私がこれまで各種健康情報で良いと信じて摂ることが多い、ダークチョコ・コーヒー・納豆・ヨーグルト・酢・豆乳・お茶は、グループ2に入っている。グループ2とは、「ひょっとしたら健康に良いかもしれない食品」で、「少数の研究で健康によい可能性が示唆されている」グループである。

魚・玄米(十割蕎麦)・オリーブオイル

ナッツ類

グループ1の食品例としては、魚・野菜と果物・茶色い炭水化物・オリーブオイル・ナッツ類、が記載される。果物をはじめ、できるだけ加工せずに丸ごと食べるのがベスト。加工ジュースはたとえそれが野菜ジュースであってもバツとなる。ちなみに私はある医学情報から1日複数個以上の卵を摂るのが認知症予防やサルコペニア予防に良いと信じていた。しかし本書では1日複数個の卵摂取で糖尿病発症リスクが42%高く、また特に糖尿病患者では心筋梗塞や脳卒中発症リスクが69%高くなると指摘しており大いにショックを受けた。


個人の運動量や健康的取り組みにも関連

ただ、本書を読む上で留意しなければならない点は、「白い炭水化物」が糖尿病やガンのリスクを上げるのは疫学的事実、しかし“普段激しい運動をする場合(個人)にはこういった事実はない“とも書かれており、一般的に受け入れるべき事実と別に、運動やその他の健康的取り組み次第で例外となる場合もあることを知っておくと、あまり厳密過ぎる“エビデンス”に振り回されずに済むのではないだろうか?

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