2015年2月1日日曜日

[IS-REC/myLIFE] 2015年1月 私の運動記録

新年最初の月はやや頑張りすぎ?!

2015年1月、今年は思った程の積雪がない。暴風雪で通勤が危険に曝されたり、夜間のフィットネス通いが天候不良で億劫となることも少ないようだ。今のところ過ごしやすい厳冬期で助かっている。フィットネス倶楽部が休みの時も片道30分弱の駅東口書店で立ち読みしたり、本を物色したりするのを楽しみに夜間ウォーキングに出かける。意識的な運動時間がない“青棒”だけの日は9日のみで、これまでの記録と比べてまさにこの時期驚異的!!

1日平均歩数12071歩、早足やジョギングに相当する“しっかり歩行(オレンジ棒部分)”は、8504歩。1日平均歩行距離9.05km、脂肪燃焼量28.3g/日、総移動距離は280kmで先月より30km増えた。

活動量計による総カロリーとエクササイズ量は?

活動量計(右)計測結果

で追加分析した(下グラフ)。月間1日平均総カロリー2027Cal、1日平均8エクササイズ(1週間で56エクササイズで厚労省推奨値32をクリア)。運動量とその質は合格点だが、基礎代謝を加えた総カロリーからみると、やはり年齢的に“無茶喰い”はできない年齢なのがよくわかる結果だ。

2月は翌3月末まで締め切りある職場の仕事を幾つか抱えている。運動時間のやりくりがつくだろうか?

とにかくこれらの宿題を片づけなければほかに迷惑を及ぼしかねない崖っぷちである。私の“3月卒業”もとんだ恥さらしになりかねない。(私の嫌いな言葉だが)とにかく“頑張らなくっちぁー゛。

2015年1月29日木曜日

[IS-REC/BOOK]佐藤 優著『ズルサ』のすすめ(青春出版社)を“父が子に与えたい人生の処世術"として読む

現場で働き出した息子の悩みに・・
 
  

    息子が企業に就職、半年間研修後に現場で働きだしている。仕事に必要な資格取得に加えて、職場や顧客との人間関係でやはり相当ストレスがあるらしい。

定年間近な自分の場合、医者という職業柄や当時の時代状況を反映して、そういった問題であまり悩むことはなかった。というより齢を重ね、自分をより客観的に振り返えるようになると、当時は周囲におだてあげられて相当傲慢、顰蹙を買っていたのではと思わず赤面してまう。今の自分はこの歳にしてようやく謙虚、また対人関係、決め事、事の判断や決断をそれなり上手にこなすようになったと自負する。そして今を悩む息子や、親子ほど歳の離れた職場の同僚が様々な問題に当たり悩んでいる時、一言二言声をかけ、アドバイスしたい気になる。そうとは言え、今の世の中は意外にコミュニケーションする場や時間がないもの。

そんな想いの中で、佐藤 優の本書を手にとり通読、著者の主張に強く共感した次第。そして、自分と直接コミュニケーションする機会のない息子や若い人たちにも是非本書を読んでもらい、処世の術として本書に書かれた事を“代理経験”し、身につけて欲しいと感じ、紹介することとした。

正攻法でないところもあるが・・

     S.Covyの『7つの習慣』は職業人として家庭や職場でのあり方を正攻法で説く名著。教えられるところも多い。一方、佐藤 優の本書は外務省勤務からロシア外交官となり、政争に巻き込まれ、訴追・収監されるという彼自身のドラマチックな経歴、経験をもとに職場や現場での様々な想い、処世術を綴る。そのため、他から卑怯といわれそうな正攻法ではない決断、決定の先のばし、対処法も含んだ内容となる。「いかに負けるか」などは自然と対峙したり人知の計り知れない事の多さを知るほど「勝つこと一辺倒」のもろさを教えてくれる。

何を直視しするか? 疑似問題とは? 直感力を鍛えるには?


    事の困難さや恐怖などで解決すべき問題から目をそらす事は多い。そういったイヤな問題こそ直視する。またマスコミの宣伝に踊らされたり、本質的ではない“疑似問題”(問題設定自体に誤りを含む)に無用な時間を費やす愚を犯す事が多い。孤独となって自分を見据える時間が「賢者の時間」である。論理や理屈でない直感力を持つ。「賢者の時間」は、人を成功に導くその直感力を鍛えてくれる。

失言の二種類

   無知は失言を生む。もう一つは偏見からの失言。偏見は自分以外を理解しようとしない、相手の痛みを理解しない故に“失言を失言と理解しない怖さ”がある。結局は教養が失言をなくする。

相手の立場への理解

   相互信頼醸成の約束履行、相手の時間を奪わない配慮、など相手の立場に立った行動を念頭に置く事が大切。約束を超えた信頼を築ける品性や日常不断の行動が大切。

恩は忘れず、復讐は神に任せる

   人から受けた恩や思いやりは忘れがち。人から受けた傷は“倍返し”ではなく、その仇は“神に任せる”

経験知がさまざまな共通認識につながっている

   社会が複雑化し、また多くの解決困難な課題を抱える現代社会で若い社会経験の少ない者が生きてゆく辛さは、我々熟年者が想像する以上でなかろうか。本書は国際関係でのやりとりなども取り混ぜながら最後まで興味深く読ませてくれる、単なるハウツーものではない強みのある一冊となっている。また職業やキァリアのまったく異なる自分が著者の主張と共通した処世の術を感じるのは経験知のなせる技なのか? 若い方に一読を勧めたい。

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2015年1月24日土曜日

[IS-REC/BOOK]大澤真幸著『不可能性の時代』(岩波新書、2008年)を読む

戦後70年を社会思想的にどう区分するか、そのヒントを提供

      昨年暮れ、12月20日放送のNHK文化講演会で大澤真幸氏の講演をはじめて聴いた。タイトルは『ふたつの東京オリンピック~理想の時代から不可能性の時代へ』。    この講演では過去(1964年)と未来(2020年)、二つの東京オリンピックが日本社会、日本の人々にどう映ったかを比較する。その目的は彼が主張する戦後から現在までの時代を「理想の時代」、「虚構の時代」、「不可能性の時代」に3区分して考える合理性を訴えることだった。地球的規模で起こる自然災害や人災、世界・日本という国のレベルで生じている解決困難な政治・社会問題が山積し、その解決の糸口を見出せず不安一杯の現代。この現代社会を今日的にどうとらえたら良いか、それを知る何らかの道しるべが欲しかった。この講演はその道しるべとなる何かを語っていた。そして著者の主張を詳しく知りたい欲求にかられ、本書『不可能性の時代』(岩波新書、2008年)を手にとった。

「理想の時代」の「1964年東京オリンピック」に対して、現在の「不可能性の時代」がむかえる「2020年東京オリンピック」

    二つの東京オリンピックを素材とした講演では、「1964年東京オリンピック」はその後の高度成長期前哨に当たる時期開催で新幹線開通などに象徴される夢あふれ、人や社会にとって理想が明確な時でり、著者はこの時期を「理想の時代」と呼んだ。一方これから待ち受ける「2020年東京オリンピック」は開催決定まで招致反対世論が多く、また招致決定後も決して関心が高いとはいえず、開催に反対ではないが積極賛成でもないという雰囲気で、今も全体醒めた印象はぬぐえないという。そしてこの二つのオリンピックへの眼差しから、現在を「不可能性の時代」と呼び、戦後「理想の時代」から現在に至る日本社会の過去・現在・未来を俯瞰している。

本書『不可能性の時代』で語られたこと

    戦後70年に当たる現在について、さまざまな視点からマスコミが取り上げている。しかし本書「序」でも触れるが、この“戦後”という時代区分、言葉が未だ活きているのは日本のみである。そこには“先の大戦”をきちんと総括してこなかったツケが色濃く影響しているのは間違いない。本書の著者は敗戦という戦前・戦後の大きな断絶がこの日本では実際のところ精神史的に連続したものとなっていると述べ、柳田國男や小林正樹の述懐を引用している。戦後すぐから1970年頃までが「理想の時代」である。「理想の時代」では敵国であったアメリカを手本とし、またその価値基準についても第三者アメリカを審級とする時代である(これは今もあまり変わっていないように思える)。

    国民全体は貧しくとも映画「ALWAYS三丁目の夕日」に表現されたように明日を信じ、理想めざす人々であふれていた。1970年前後に安保改定や高度成長の終焉があり、「理想の時代」は終わる。次いで1970年以降の「虚構の時代」である。なぜ「虚構の時代」なのか? 著者は社会風俗や様々な少年の起こした猟奇事件、オウム真理教事件、「オタク」現象などを引用しながら時代の「虚構性」立証を試みる。

「虚構の時代」から「不可能性の時代」へ

    「虚構の時代」の終わりは1995年地下鉄サリン事件に象徴される。その後は現実への回帰と、逆に反現実への耽溺という全く相反する方向に分裂する。そして現在の「不可能性の時代」へと移行する。この「不可能性の時代」は「リスク社会」でもある。「リスク社会」は環境問題やテロなどの社会的レベルから家族崩壊・失業・貧困といった個人的レベルまでさまざまなリスクにとりつかれた社会である。その課題やリスク解決に先は見えていない。というよりそういった課題解決は不可能にみえる時代なのだ。著者はこのあたりの例証をさまざま試みる。しかし発刊2008年当時のレベルでは論点整理が不十分だったのか、正直なところ私には難解すぎてその説明についていけなかった。

    著者12月の講演は分かりやすかった。この戦後すぐから現在に至る時代区分はなかなか魅力的である。是非その社会思想史的背景をもう一度わかりやすく次作の形で解説・発表してもらいたいものだ。

2015年1月17日土曜日

[IS-REC/BOOK]苧阪満里子著『もの忘れの脳科学(ブルーバックス)』・・やはり、もの忘れが気になり出して読みました

“もの忘れ”には“ワーキングメモリー”が関係していました

   私も多少は記憶力に自信があった。しかし“ヒト(他人)の名前が咄嗟に出ない”、“処方するべき薬の名前が思い出せない”、“今さっき覚えた本の書名や言葉が出てこない”、などのもの忘れがここ数年目立つようになってきた。これもいわゆる加齢に伴う“良性健忘”だろうとタカをくくっていたが、“2階にモノを取りに行き、何を取りにきたのか忘れること”(本書に記載された事例)なども時々あって、本書を改めて読んでみることとした。これまで高次脳機能や認知・記憶については私自身が扱う患者さんも多く、そんな関係から一端(いっぱし)の専門家を気取って専門書をみたり関連学会参加で勉強することはあっても、最近非常に多くなった一般向けに書かれた本書の類はこれまでまったく読んだことはなかった。

  講談社ブルーバックスは医学や科学の最新知識を一流の専門家が一般向けに解説した自分の領域外の知識を学ぶには打って付けのシリーズである。本書も認知心理研究者の著者が記憶のなかでも“もの忘れ”に関わる“ワーキングメモリー”に焦点を当てて書いた良書である。用語が必ずしも十分かみ砕かれておらず、非専門家やほんとの意味で“一般の方々”にはちょっと難しい気もする。著者はおそらく、“自分の専門を語りだして自分の語り口に酔った”のではないかと思うほど。でも、ある程度の知識を背景にすると本書の語り口からその内容がとってもスムーズに頭に入ってくる。

“もの忘れ”はトレードオフ関係にある、“処理と保持”の総容量が不足して起きている

  日常のさまざまな活動をスムーズに行うためには、課題目標を達成するまでの間だけ必要な情報をすぐに検索できるように(長期記憶から取り出し)活性化しておくことが重要。“もの忘れ”とはこの総容量が加齢と共に不足して生じる(本書による)。そしてその基盤となる神経機構が1986年、バドリーが提唱した“ワーキングメモリ”モデルなのだ。本書ではより実際に則して“ワーキングメモリ”の中核となる“中央実行系”に入出力する情報の流れに沿ったサブシステムを加えて図式化して紹介している(上図2-2)。

“ワーキングメモリ”の神経基盤は脳内に広く分布するネットワーク

  “ワーキングメモリ”を測定するテストとして、本書では著者らが実際に研究やフィールド、臨床で使用しているさまざまな“スパンテスト”(代表的には“リーディングスパンテスト”)を紹介している。これは文章を読ませ、後で文章内の特定の単語(名詞)を報告させるテスト。関連のない複数の課題文を連続して行ったり、1課題ごとに数計算を行うなどの外乱を組み合わせるバリエーションが多い。研究としてはPETやfMRI(ファンクショナルMRI)で脳活性部位をモニターしながらテストを実行して“ワーキングメモリ”の神経基盤を探している。

  著者らの研究やそのほかの研究者の研究でわかったことは、“ワーキングメモリ”の鍵となる構造は前頭前野や前部帯状回などに中央実行系の基盤があり、情報口とその情報保持部分(サブシステム)は音韻同定と音韻リハーサル(音韻ループ)は左半球のブローカ野と左縁上回、視覚・空間的スケッチパッドは右半球の同等部位らしいということでまとめられている。すなわち、“ワーキングメモリ”の神経基盤は脳内に広く分布するネットワーク全体であり、加齢による全般的脳機能低下は“もの忘れ”に始まり、さらにさまざまな日常生活障害が重なってくることがよく分かる。

幼児の“心の発達”と“ワーキングメモリ”の関係がおもしろい

  本書の後半では「ワーキングメモリの発達」を取り上げている。幼児にリーディングスパンテストを行うと課題の量が増えるにつれて目標語の報告ができず、変わって目標語を含んだ“全文再生”現象が起こるという。乳幼児が言葉を覚える過程で親の言った言葉を全文まねて繰り返すことはまま経験すること。テスト課題を理解していても記憶力そのものの問題ではなく、“ワーキングメモリ”の発達自体と関連していると考えられている。興味深いのは、“ワーキングメモリ”が未発達だと目前から親が見えなくなると子は泣きだしてしまう。しかし目前から見えない場所に隠れても身近にいる親をイメージ出来るようになる(→“ワーキングメモリ”の発達)と親がいないと泣くことはなくなる。これはまさに子供の“心の発達”であり、“こころの理論”として研究が進んでいるという。

“ワーキングメモリ”は鍛えられる?

  本書最後の章は“ワーキングメモリ”強化法について触れている。さまざまな記憶術が有効なように、ちょっとした工夫で“もの忘れ”を防ぐ“ワーキングメモリ”強化術が書かれている。私も早速実践し始めている。“もの忘れ”に悩み苦しまれる方々は本書を是非一読して“ワーキングメモリ”を強化して欲しい。

2015年1月10日土曜日

[IS-REC/BOOK]ジョナサン・ワイナー著(樋口広芳・黒沢令子訳)『フィンチの嘴』(ハヤカワ文庫)を読む

進化のスピードは想像以上に速かった

     ダーウィン「種の起源」に始まる進化論は宗教的物議をかもしたものの数世紀ないし数千年の単位で生じる種の環境への適応、自然選択である。種が分岐しその多様性を生んでゆくという進化論は現在、広く受け入れらているが、ダーウィン以降もその実証には乏しい状況であった。

この進化論を構想するフィールドとなったカラパゴス諸島ダフネ島を中心に、生物学者のグラント夫妻はスズメほどのフィンチという小鳥の全島調査・観察を年余にわたって続けた。絶海の孤島で気象は厳しく、1年以上雨の降らない時期もある。そこには明らかに嘴の長さ・形の異なるフィンチが生息する。そして夫妻はこのフィンチの長期観察から、様々な条件・過酷環境の中で生き抜くため、環境に応じて餌を採るに適する嘴変化がフィンチの次世代に受け継がれていっていることを発見した。すなわち種の遺伝的分化は当初考えられたよりずっと短い期間で起こっていた。

・・・この“フィンチの嘴”に象徴される事象、現在では「適者生存、外環境の大きな変化を的確にとらえて生き延びる術を持つ」という意味でさまざま援用されるようになっている。たまたま読んだ本の文中記載や、以下に紹介するブログ記事から興味かき立てられて本書を手にした。

フィンチの嘴の違いは、1個の遺伝子の差で生じていた

  さまざまな要因により、形質発現に関わる遺伝子は比較的短期間に変異していくようだ。最近の新聞記事で京大iPS細胞研究所の山中伸弥教授は、“体内の細胞でも、遺伝子配列は徐々に変わっていくことがわかってきている”と述べている(2015/01/08朝日新聞科学「開発止まった薬を復活させたい」)。

一方、フィンチの嘴の違いを、DNAチップによる遺伝子発現の違いで明らかにしようという試みが行われた。その結果、嘴の形と対応する遺伝形質がカルモデュリンであることがわかった。そして長い嘴を持つフィンチほど、嘴の先にカルモデュリンが発現しているというのである(石浦博士のオドロキ生命科学第31回『フィンチの嘴の謎』)。

“進化”という気の遠くなるようなスパンで起こる種の形質変化は、ダーウィンの著書以来つい最近までその直接的証明は困難と考えられてきた。しかし本書で紹介された生物学者の地道なフィールド研究、そして近年の遺伝研究の進歩によって種の形質変化が実際にはもっと短い周期で生じている事がわかり、しかも実際は相当複雑だが1形質1遺伝子で発現し、件(くだん)の石浦博士は、“遺伝子導入で(美容)整形も可能になるらしい”と冗談めかして語っている。

地球温暖化など、環境激変によって種の遺伝的変化が速まっている事への警告

      本書『フィンチの嘴』が書かれたのは20年以上も前の1994年である。しかし著者は当時すでに始まっていた人間自身の繁栄によって引き起こされた地球規模の環境変化が、進化の原因とも結果ともなっている事を知るべきと警告していた。

     『フィンチの嘴』は進化を信じない創造論者が半数近くを占めるアメリカでも相当多くの読者を獲得してきた。早川書房から日本語訳が出版されたのは翌年1995年。二人の翻訳者の力量もあって本書はフィールド観察の臨場感と、真実追求のサスペンスドラマを読んでいるような迫真性がある。大部だが一気に読める一冊である。

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2015年1月4日日曜日

[IS-REC/BOOK]矢部宏治著『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(集英社インターナショナル)を読んで日本の戦後史を知る

「なぜ民主党・鳩山政権はかくも簡単に瓦解したのか?」この疑問が本書を知るきっかけだった

   WEB紹介記事でたまたま見かけた本書の著者、矢部宏治氏と鳩山友紀夫元首相の座談記事が本書を読むきっかけだった。 当時の鳩山首相は沖縄普天間基地移設について「最低でも沖縄県外」を主張、自民党にできない政策を実行する民主党首相として、多くの良心的国民各層からの期待も高かった。しかし、その期待むなしく、真相あいまいなままあえなく内閣は瓦解した。WEB紹介記事ではこの点も話題にして縦横に語られる。そしてこの謎を解きあかす矢部氏の本書を是非読んでみたいと思い、早速ネットで取り寄せた(後で確認したが、書店には本書が山積みされ、私が購入した本書は初版発行から2カ月弱で第5版だった。本書の反響大きく既に相当読まれているようだ)

日本の中学・高校でなぜか触れられない戦後日本現代史の謎が解ける本

  近隣諸国と友好関係を築けない日本。そこには国際的に共有できる“正しい歴史認識”が互いに持てない不幸が横たわっている。先般、韓国にてソウルの国立中央博物館を訪れた時、その近現代史から日本に併合された時期の展示がすっぽり抜けていた。戦前の日本軍国主義がもたらした不幸な歴史、“負の遺産”がここにあった。日本の中学・高校での社会や歴史教科書では戦前のこういった侵略国家日本の“負の遺産”について、それなり客観的に記述されている。しかし戦後史に到っては記述もわずかであり、また戦争放棄の“平和憲法”とは相いれないはずの全土米軍基地国家と化している日本の現状を的確に説明する記述はほとんど見かけない。

戦後70年の節目、様々不都合な事実に向き合う必要に迫られる日本

  矢部の本書では、日本の外国軍「基地」をなくし、また今の科学では制御できない危険な「原発」をどうして止められないのか、日本の敗戦前後に逆上り、様々な歴史的検証を加えて説明を試みている。現在の日本が未だ事実上、米国の従属国家ないし属国となっていること、そういった2国間関係を敗戦直後、天皇制存続や共産主義革命阻止と引き換えに日本から提案する形で積極的に受け入れてきた事実があること。ドイツと異なって隣国共に納得できる戦後処理を怠った日本が未だ近隣諸国から十分信頼を得られず、米軍が日本から去れば“日本再軍備”の危険もあるとした“瓶のふた”論を根拠に米軍駐留とその日本全土基地化が未だに許されていること。そして日本国民の側からは平和憲法を超越した仕組み(本書では、わかりやすく「原発村」・「安保村」と表現)が戦後史の過程で米軍と政府官僚組織の間で強固に構築され、時の政府でも容易にこの事態を換えられなくなっていること。

”日本の根本問題”を解決する方向性も

  本書は引用された資料や証言の出所を正確に記載し、誇張あっても偽りはないだろう。読者は敗戦から今に至る日本の道程が様々みるに耐えない事実の積み重ねで出来上がっていることを知り、幻滅と憂鬱を感じるだろう。

著者はしかしもつれた糸を解きほぐすように問題解決の方向性を示している。今の事態に密接に関係した現憲法のあり方、扱い方については異論もある。しかし本書は、“日本の根本問題”を解決して行く良心的道しるべとなっていることは間違いない。

2015年1月3日土曜日

[IS-REC/myLIFE] 私の運動記録~2014年を振り返る

年間記録

1日平均歩数8753歩、距離6km、脂肪消費6.6g/日


    2014年は私にとって(準)公務員生活最後の年。年齢相応にさまざまな健康不安が顕在化するなど、厳しい年でもありました。なかなかマイ・ペースの時間もとれず、2014年頭初は運動記録が一時的に途絶え、またブログもとうとう中断。そういった1年を改めてこの運動記録で振り返ってみました。

年間記録では1日平均歩数8753歩、距離6km、脂肪消費6.6g/日でした。これを月間推移のグラフ(上)でみると、記録ツールを追加して運動モチベーションを上げた9月頃から歩数、特に集中して運動しているオレンジ色部分(しっかり歩数)が増えました。運動量としては回復傾向が明らかで今年に繋げられました。

2014年12月運動記録


    先月12月の1日平均歩数10481歩、距離7.85km、脂肪消費21.9g/日。12月は年間通してのベスト記録でした。直上グラフをみても、日当直や仕事で遅くなり夜間フィットネスへ行けなかった日、約2週間分を除いて、フィットネス休館日には屋外早足散歩(しっかり歩行)で運動を欠かさず続けました。脈拍計(PulNeoLink)を購入して、できる限り毎日脈拍計での記録を残したいというモチベーションが功を奏した格好です。 


    運動記録に“エクササイズ”を記録できるようにしたことも運動の継続性にプラスしました。“エクササイズ”を記録するOmron活動量計Active Style Proでは、これに加えて基礎代謝をプラスした1日総カロリー表示も可能。月間1日平均カロリー2039Kcal、1日平均エクササイズ6.476でした。

「座業は健康を害する」

    デスクワークで1日を終え、まとまった運動ができなかった日は、まさに“座業の1日”。終日の座業は体力を低下させ、健康を害するという論文をどこかでみかけました。身心ともに健康な毎日を続けるために“毎日欠かさず運動”が今年の目標です。

2014年12月27日土曜日

[Med-REHA] この1年、私の講演と講話のまとめ:講演

2014年07月15日

 職員研修「喫煙について」

《要旨》健康被害を防ぐため喫煙の害と、禁煙を進めるhealth promotionの考え方を紹介

2014年08月29日 能代山本地区地域連携協議会

《要旨》 秋田道沿線地域医療連携協議会結成から現在までを紹介。病-病連携出ポイントとなる脳卒中背景疾患と合併症の治療について

2014年10月24日 2014ケア・シリーズ研修講演「排泄(排便)トラブル~そこが知りたい~」

《要旨》 (1)高齢者や障害者の抱える問題に排泄トラブルがあります。お話はおもに排便に関わるトラブルについて進めます。(2)排便トラブルの形:①〝裏急後重〟と呼ばれる〝しぶり腹〟②意識・無意識のどちら

でも起こる〝便失禁〟③①とも共通した〝残便感〟そして、④〝便秘〟(3)排便トラブルの原因と対処:排便トラブルのうち、最も一般的なのは便秘、そして便失禁(お漏らし程度から多量失禁まで)です。これらトラブルの一因に加齢に伴う(外)肛門括約筋の筋力低下、腹直筋筋力低下が挙げられます。(外)肛門括約筋の筋力が低下すると、便意が我慢できずお漏らしをしたり、人前で放屁(おなら)が出たりします。腹直筋や横隔膜の筋力は排便時に十分な腹圧かける(イキム)のに必要です。これらの症状は加齢や運動過少に伴う全般的な筋力低下の結果としても起こります。したがって例えば、健康・体力づくり事業財団の《貯筋運動トレーニング》などの実践が有効です。排便トラブルを予防したり、その改善を狙った運動もあります。肛門を意識して閉める、丹田呼吸を行い吸気で十分息こらえをした後、大きく息を吐き出し腹を出来るだけ凹ます(腹直筋と横隔膜を意識した運動)、などです。可能であれば起立位で上体を大きく左右にひねったり、両膝を立てた仰臥位でお腹の緊張を取り下腹部を挟むようなマッサージも有効です。また毎日の排便習慣として朝食後30分を目安に必ずトイレに入り、イキムことも大切です。(4)排便トラブルに対する内服治療:便を柔らかくしたり(〝緩下剤〟)、水様にして出したり(〝下剤〟)、逆に軟便を形のある便とする食物性纖維類似の薬品、乳酸菌製製剤、等があります。(5)薬や運動で対処困難な場合:〝大腸ガンや大腸憩室〟による粘血便が時にみられる便秘は消化管の通過障害によるもので大腸内視鏡検査が必要です。〝腰部脊柱管狭窄症〟に伴う排泄障害、〝過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎〟の〝しぶり腹〟、消化管を栄養する血管の動脈硬化で起こる〝虚血性腸炎〟の場合は自律神経支配の内臓平滑筋障害であり、リハビリの対象外となります。摘便時に肛門に指を入れ(肛門指診)、肛門を隨意的に強く閉められるかどうかである程度診断できます。なお内臓平滑筋障害による排便トラブルは、便の性状を変える薬剤の使用である程度ケアやトラブルを軽減することも可能となります。(6)排泄ケアに関わること:自らリハビリ可能な場合、便秘については、緩下剤などの便秘薬とリハビリ・生活習慣・食事の改善である程度対応が可能です。ほかの排便トラブルについては様々な薬剤で症状を軽減できても完全に治療できない場合が多く、排泄ケアの方法に焦点が移るこことなります。
以上、〝排便トラブル〟の原因と対処法、治療・リハビリ(体操)などを図を多用しながら出来るだけ分かりやすくお話しします。

2014年11月30日 リハセン講演会「リハビリも予防の時代~健康維持と生活習慣病予防のために~」

   

    本日のお話は最近マスコミでもしばしば取り上げられます。健康で自立生活を送れる方は勿論、高齢者や障害者が末永く自立生活を送るために認知症予防、障害予防が必要です。身体の機能も認知力もその悪化を予防する、まさに「リハビリも予防の時代」です。私たちはリハビリして自立生活が可能となり、社会復帰・家庭復帰した後も健康維持と、もともとの病気の悪化を防ぐため、運動と食事に注意した生活の継続を患者さんに指導します。本日は障害なく自立生活を送られる方々も対象に含めて、障害のある方が健康生活維持と生活習慣病進行を予防するためどうしたら良いのかを中心にお話しいたします。

[Med-REHA] この1年、私の講演と講話のまとめ:講義・講話

2014年05月15日 秋大公衆衛生学生研修「今どき、リハビリ何が変わってきたのか?」

《要旨》 現在のリハビリテーションはどう変わってきたのか?、リハセン紹介、リハビリテーション医学の実際、など

 

 

 

2014年06月15日 患者さんの会 “泉会” 講話 「ボケを予防し健康に生きる習慣の力」


《要旨》 日常習慣が行動の4割を決める。良い生活習慣を持ってボケを予防し健康に生きるる知恵を!!

 

2014年09月15日 秋田県南部福祉エリア「リハビリ健康教室健診」

《要旨》 生活習慣病の予防と対処として、運動の大切さを全国各地域での取り組みやその研究成果から紹介。

 

 

 

 

2014年11月20日、12月04日 リハビリ検診講話

《要旨》リハセンター紹介、地

域で健やかに老いるために「健康寿命」と「元気寿命」、「元気寿命」維持の秘訣、リハビリ検診で診ていること。

[Med-REHA] この1年、私の講演と講話のまとめ:『リハビリ講座』

2014年02月21日「消化器トラブルを起こさないために」

《要旨》 (1)規則正しい食事時間とゆっくり食事、排便習慣が大切。(2)食事内容と食べる順序に注意:糖質と塩分は控えめ・ネバネバ野菜や海草・キノコ類を!!、ヨーグルト(善玉腸内細菌叢維持)も良い。(3)抗菌剤・抗生物質は出来るだけ使わない。(4)薬服用時には包装に注意し、十分な水分で飲むように!!(5)便秘薬に頼らない。(6)臍(へそ)をみる体操など、普段から腹筋を鍛える運動を!!

2014年05月09日「脳卒中後の再発予防と機能低下予防」

《要旨》  “三次予防”という言葉をご存じですか?日本人の三大死亡原因のがん・心疾患・脳血管疾患の発症を予防するため、生活習慣病という言葉でさまざまな予防医学的取り組みがなされているのをお聞きになっていることと思います。予防医学には3つの段階があり、三次予防とは、三大死亡原因となる疾患にかかった患者さんが、病気の増悪や再発、病気を原因とした障害の悪化により、寿命を縮めたり、生活の質を低下させないように取り組む試みを指しています。今回のお話は、脳卒中の再発予防のポイント、機能低下を防ぐ維持的リハビリのポイントについてお話しします。

2014年11月28日:「老化と骨関節疾患~特に腰部脊柱管狭窄症について」

《要旨》  リハビリ入院患者さんには、骨関節疾患にともなう腰痛が多く、特に加齢による背骨の変形で「腰部脊柱管狭窄症」がしばしばみられます。脊髄末端の馬尾付近の血流障害がその原因です。腰痛や歩行時の下肢しびれや痛み、長時間歩行困難などに加え、重症例では膀胱直腸障害を伴います。馬尾型・混合型の重症例では手術する場合もあります。しかし手術効果は限られ、またリハビリ含む保存的治療にも限界があります。今回のお話は腰部脊柱管狭窄症を中心にリハビリに影響する骨関節疾患について共に考えます。

2015年02月13日: (予定)「肥満を含む栄養障害、そして摂食・嚥下障害を考える」

《要旨》 脳卒中後遺症など、身体障害のために運動が困難となったリハビリ入院患者さんには、さまざまな栄養障害を認めます。また何らかの理由により障害原因となった脳卒中などの発症以前から不十分な栄養状態、逆に高度肥満を認める場合もあります。リハビリ病院入院後にこのような栄養障害を解決するため適切な食事指導や、摂食・嚥下障害に対する評価や治療が必要となります。今回はリハビリ患者さんに知っておいてほしい栄養障害と摂食・嚥下障害についてお話しします。

[IS-REC/myLIFE] 私のストレス解消法(転載)

『大曲仙北医師会報』NO21(2014年12月25日)記事に掲載されました

  医者の仕事にストレスは付き物。それにほかの医者からみれば、私のもっぱら担当するリハビリ科は緻密な診察で病気診断をする探偵のような面白さに欠け、手術や薬で治療する醍醐味も少ない。まさに、解決手段を知らなければ幾重にも障害や病気を抱え、手の施しようない患者さんを次から次へとお願いされ、途方に暮れるストレス多い臨床科のはずである。

  でも私の場合、その見かけと裏腹に仕事は結構楽しんでやらせてもらっている。これは仕事と趣味がおおよそ両立出来ている証拠。そのノウハウは企業秘密!!

  ・・でも折角だからその一部を明かすと、自作PC5台以上をてがけ、臨床データベースも様々こしらえて仕事に活かしている。時間はかかるが仕事と個人生活で様々ライフハックしたデータをPCに納めている。そんなデータは私のブログ素材となり、施設で行う講話の素材となり、そして古くからの患者さんへ送り喜ばれる写真葉書の素材となっている。

  PCは老化と共に目減りした私の“内部記憶”を補って余りある外部記憶装置。その蓄積された知識と情報はストレスフルな仕事を多少なりともストレス・フリーな仕事に変える“変換器”の役目を担っている訳だ。

  ・・そうは言っても数少ない医者で仕事する職場は慢性的自由時間不足。ワーク・ライフバランスを自ら推進する立場であればこそ、ここ10数年は“高齢者登山の会”に入って月数回のペースで週末に東北近郊の山を巡る。その登山に温泉は付き物。登山のない週末は当直日を除いて秋田温泉に浸るので、ほぼ毎週の温泉通いをここ10数年来ずっと通してきた事となる。

  酒もタバコもゴルフもやらないが、こうしてみると、“私のストレス解消法”は、意識せずともずっと以前から仕事の内外に備わってきたようだ。

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2014年12月22日月曜日

[IS-REC/BOOK]斎藤 孝著『読書力』(岩波新書):数多くの知恵と気づきにあふれた一冊

「読書力」とは?

 最初は書店の新書コーナーで著者の名前と書名に引かれて何となく購入した一冊であった。以前に読んでいた『声に出して読みたい日本語』(1・2、草思者)、『三色ボールペンで読む日本語』(角川書店)はともに声や指先という身体運動伴う読書の勧めで、マスコミにもさまざま取り上げられた。『読書力』という言葉は奇をてらうことはないが、どんな事が書かれているのか目を通したくなるタイトル。そして結論から言うと、読みごたえあり購入は正解だった。
 本書の序では、先ず「読書力」とは何を指すのか、「読書力がある」の基準は何かを論じている。著者が示す基準は、“精神の緊張を伴う読書”内容の本であり、その対象として「文庫百冊」+「新書五十冊」を読んだという経験で「読書力」の一部を定義している。また本書後半では一冊の本を読み終えたときの全体を要約する力も読書力に含めている。
 読書は習慣。幼児期の絵本読み聞かせに始まり、学童期の児童書から少しずつ伝記や単行本に目を通すようになり、さらに中学・高校となって文庫本にステップ・アップしてゆく。しかし最近は高校生や大学生でも「読書力」はおろか、読書習慣のほとんどない者が増えている。「読書力」のある者、高い者は押し並べて「文庫本時代」を経験している。この時期がないと大人となっても「読書力」はなかなか身に着かないようだ。

自己形成と読書

    読書は知識の宝庫であるのみならず、自ら体験し難いことを追体験させる。さまざまな考え方を知り、複雑さを共存させる幅広さを持ち、辛い自己体験を乗り切る力にもなる。読書はこういった自己形成手段である。また教養とは一つのことを絶対視せず、幅広く総合的に判断できる能力。読書は自己形成や教養に欠かせない。

読書とテレビ視聴の違い

   読書やラジオを聴く行為が想像力をかき立て認知症予防に優れているとの指摘は多い。本書の著者も読書を通じて「自分と向き合う時間」は、時に辛いことも多いが貴重であり、特に優れた相手と内的な会話を繰り返す効果は大きいと強調する。

言葉と暗黙知

 読書でたくさんの言葉を知り、また語彙を増やす事ができる。上手に表現できなかった自分の心の内を言葉で表現できるようになる。

技・身体能力を鍛える読書

   声に出して古典を読む素読の効用、付箋を挟んだり、三色ボールペンで書籍の骨子となる部分に赤線や青線を引いたり、気になる一節に緑線を引く。すべて著者の出版済み書籍の主張にあるところだが、この本でようやく著者の脈絡全体が見えてきたようだ。
   読書は言葉を通じて教養の素材を提供する手段だけではない。声や指先なども使いながら身体全体で行うスポーツでもあり、それを体得できている者こそ「読書力がある」と言って良いのだろう。
 本書にはイメージ喚起に優れた宮沢賢治の本、明治から大正にかけた「素読派」と「教養派」の違いを論じた唐木順三の本、幼児への読み聞かせ絵本の大作「ギルガメシュ王」の三部作を紹介するなど、これまで知らなかったり認識を新たにする事柄も多く盛られている。是非読んでおきたい一冊である。

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2014年12月17日水曜日

[IS-REC/BOOK] 堤 美果著『沈みゆく大国アメリカ』(集英社新書)が記す“日本の医療・福祉・保険の近未来”

「無知が弱さになる」

堤

     総選挙結果が出て、自公政権による国政舵取りがしばらく続く。自身の加齢に伴う様々な将来不安はともかく、より大局的問題として、この政権が目指している日本の医療・福祉・保険の近未来を考える。この1年、消費税増税から振り分けされるはずだった社会保障費、それがかえってどんどん削られ、医療・介護・福祉分野のサービス後退が目につく。“社会保障と税の一体改革”、“申し出療養”など、聞き触り良い言葉やフレーズで矢継ぎ早に社会保障関係法制が変わる。情報過多と国の指示で右往左往する現場。漠とした不安ばかりで今後状況はどう変わってゆくのかさっぱり見通せない。そんな中で、日本がすり寄り、同化すらしようとしている“超大国アメリカ”の実情をアメリカ在住の著者が、“オバマケア”導入前後のルポとして本書を上梓した(あとがきによると、本書は2巻構成の上巻)。本書の一節にあった、「無知が弱さになる」というフレーズを噛みしめつつ本書を読み、特に本書後半で話題となる、“狙われる日本の皆保険制度”については本書が指摘する様々な事実に瞠目し、また自分の知る他の情報とを合わせてその危機感を更に強く感じた。

 アメリカ医療大崩壊

  世界一の医療水準と先進的医療をリードしているはずのアメリカ。その医療を米国民は等しく享受しているのだろうか? 皆保険制度によりどこでも誰でも比較的安価な負担で医療アクセス可能な日本。アメリカでは企業が提供する民間保険が基本であり、民間保険に加入できない無保険者が医療機関を利用せざるを得ない時、その医療費の高額負担で容易に“医療破産”する現実が待っている。

こういった問題を解決する切り札として、“オバマケア”が提案され、実行に移されてきたはずだった。しかし、“オバマケア”を渇望し諸手を挙げて成立を喜んだはずの多くの中間層も貧困層も決して勝ち組ではなく、更に医療アクセスから遠のいた現実が示される。

良心的に“オバマケア”に対応する限り、その膨大な事務量と患者の集中で病院もかかりつけ医も疲弊を余儀なくされ、“オバマケア”を受け入れる医療機関はごく限られてしまっているという。

“良かれ”と見えたオバマの“皆保険制度もどき” がこういった現実となる背景、そこには政策決定にあたるブレインと関係企業のロビィストが“回転ドア”よろしく相互に往き来をして、企業(この場合、グローバル製薬企業や民間保険企業)利益を最優先して政策の詳細が決まっていく(ないしは歪められる)現実があるにほかならない。

本書の帯にある「アメリカ医療大崩壊」は誇張ではなく、米国の現実である。これまで出版されている堤の本から、オバマ民主党が率いる現在のアメリカは“1%の超・富裕層”に買われたグローバル企業国家であり、崩壊しているのは医療のみならず民主制度そのものが崩壊しているようだ。

“次は日本?!“ は本当か?

   クローバル企業の世界戦略として自由貿易協定がアメリカを中心に進められている。アメリカ国内での反対を含め、その危険性に気づき始めた国や国民の反対が強くTPPは足踏み状態である。一方、Tisa(新サービス貿易協定)はアメリカ・日本・EUが加盟する50カ国以上の巨大な自由貿易協定。このなかには日本のインフラに関した諸制度を根本から破壊しかねない内容が含まれている。まさに「いのちの市場化」(アジア太平洋資料センター事務局長・内田聖子氏)が始まろうとしている。

我々は確かな知識や情報を持つ必要がある。民主主義や医療の機会均等アクセスが崩壊したアメリカの現実を反面教師として知り、考え、行動して日本の近未来を担う子の世代に悔いなく平和国家日本をバトン・タッチできるようにしたいものである。

2014年12月14日日曜日

[IS-REC] 池辺晋一郎とN響団友オーケストラ

師走の気ぜわしい最中、楽しんできました

池辺晋一郎1412

  師走の気ぜわしさに加え、総選挙最終日。この一日も慌ただしく過ぎようとしている13日土曜日、風邪気味でやや不良な体調をおして『池辺晋一郎とN響団友オーケストラ』を聴きに秋田市文化会館まで足を運びました。地元秋田でのこういった類のコンサートはごく少ないのは勿論です。その数少ない機会もなかなか時間をとれないのが実情。しかし永年、池辺氏の「N響アワー」で軽妙なトークに魅せられ、また時代風潮に媚びない生き方に共感していたから、是非一度実際にその人となりを見たい思っていました。

当日の軽妙なトークと指揮、バランスとれた曲目

  当日はクラシック3曲ずつを前後にはさみ、大河ドラマのテーマ3曲(2曲が池辺さんの作曲、1曲は吉俣良氏)、そしてアンコール1曲の計10曲が池辺さんの指揮で披露され大いに楽しんできました。特に2曲目のメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調は宇根京子さんの独奏を極く間近にみることができ感激しました。勿論、もっとも楽しかったのは、指揮の合間に曲の解説に交えたセンス良いユーモアを入れた笑顔絶やさない池辺さんの語り口。

人柄を感じて・・

  多くの聴衆を前にしても一人一人に語りかけるような軽妙な話術、誰もが知る大監督との様々な出会いやエピソードなど、気取らずに語るところはやはり彼の日本有数の作曲家としての自負とその人柄ゆえなのでしょう。また70歳を超えて姿勢よく足の運びも年齢を感じさせない動きに見習うべき対象をみつけたような気がしました。久々に芸術的雰囲気に浸ると同時に新たな目標を得た貴重なひとときでした。

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[IS-REC] この時期、古代朝鮮史に親しむ旅

厳寒期の韓国旅行

韓国旅行1412

   大韓航空による秋田と仁川を結ぶ航路はここしばらく利用客減少で休止中でした。師走のこの時期どのような判断があったのか、数カ月ぶりに運行一時再開の報せ。といっても現在は円安-ウォン高という為替状況、日本-韓国の友好ムードに乏しく、また旅行には一般に適しない厳寒期と二重三重にこの隣国へのツアーは悪条件が重なっています。

ワイフ、ハングル語学習始めて3年

  ワイフがハングル語学習を始めて3年、それなり上達しているのを現地で確かめたいという希望を受け入れ、急遽『古代朝鮮史に親しむ韓国旅行』をプランしてもらい駆け足旅行をしてきました。

仁川には日暮れ頃に到着。そして到着するなり零下5度以下の肌がぴりぴりする外気温。積雪はほとんどなくこの大陸性気候に先ずびっくり!!

   仁川からは車で南下し、小1時間ほどで予定の温陽温泉に到着、そこで温泉に浸かって一泊。翌日は古代朝鮮史に関係した百済の都、扶余へ直行しました。

百済の都、扶余

  ここは5世紀、高句麗との戦いに敗れた百済が都を漢城から南へ移し、百済中興の祖といわれる武寧王から聖王が築城した都。日本に仏教を伝えた聖明王とはこの聖王のこと。高句麗や新羅・唐が互いに勢力伸張を図っていた時期だけに仏教伝搬も当時の日本との関係を強化したい狙いがあったものと思われます。この扶余で武寧王の陵墓(宋山里古墳群)、百済の古都、公州を守るために造られた城郭、公山城を見学し、また660年新羅と唐の連合軍により百済滅亡に至る“白馬江の戦い”の跡、特に多数の女官や妻子が凌辱を恐れて川に飛び込んだという“落花岩投身“の跡、宮城のあった扶蘇山城を徒歩周遊しました。翌日は再び北に向かい水原へ。

世界文化遺産・水原華城

  今度は時代がずっと進んで18世紀、朝鮮第22代、正祖大王が築城したという世界遺産登録の水原華城を見学しました。特に石材と煉瓦を組み合わせ、セメントのない時代に砂泥で固めた城壁が見事でした。

国立中央博物と伝統舞台芸術鑑賞(ソウル)

  午後は国立中央博物館で東アジアの文化・文明の発展をたどる様々な陳列を斜めに見ながらほとんど素通り(2時間では致し方なし)。夜はソウル市内の貞洞劇場での伝統舞台芸術を楽しみました。

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駆け足韓国旅行を振り返って

  翌日には仁川からとんぼ返りの帰秋。まったくの駆け足旅行でしたが、近現代に朝鮮王朝が倒され日本に併合されるという悲劇を乗り越え、民族の歴史をその古代からたどり、再度の発掘調査や歴史的記念碑の復元・整備を通じて壊されかけた民族意識を再度作り上げつつある韓国民に日本人の一人として頭の下がる思いで帰って来ました。

2014年12月8日月曜日

[IS-REC] 2014年11月 私の運動記録

11月は“新兵器”も加わりがんばりました

1411運動実績

2014年11月、様々な行事や仕事が重なり大変でしたが、毎日の運動記録が楽しみとなり、夕食後にフィットネス倶楽部へ行くことが多くなりました。上のグラフをみて “しっかり運動時間(オレンジ色)”が入った日は日曜の散歩以外、土曜含む週日はフィットネスに行った日に該当し、トータル18日。1日平均歩数は11488歩、1日平均歩行距離は8.33km、脂肪消費量は1日22gでした。11月は活動量も1カ月単位で計算してみました。1日平均消費カロリーは、歩行411cal + 生活活動274cal + 基礎代謝約1200cal、計2120カロリー、活動量は月間総計242.8Exです。

総エクササイズグラフも視覚化

1411月間EX

記録することにより継続した運動が可能となり、モチベーションは大いにアップ。体重も60kg未満をキープできています。

2014年11月27日木曜日

[Med-REHA] リハ検診は協和「やすらぎの里」です

身辺処理自立した方々のデイ・サービスセンター やすらぎの里

  好天に恵まれた11月26日午後、リハセンターに近い、大仙市デイ・サービスセンター「やすらぎの里」にリハスタッフ一行8名でリハ検診に行ってきました。拡がる青空、柿の木に色づいた柿がたくさんぶら下がり、光を反射しているのが印象的です。ここは身辺処理動作が自立している方で独り暮らしする方々が日中利用してる場合が多いようです。また家族環境の変化や病後の回復に新たに通いだした方などもおりますが、たいていは相当以前からの顔見知りばかり。「デイに通って、元気です」とご本人が言う通り、多少の記憶力低下あっても、何とか冬場を除いて一人暮らしする方々。施設の職員も一生懸命応援しています。このデイ・サービスセンターも高齢者の介護施設再編成で来年度は市内の別施設に機能を移転するとのことです。来年度も引き続きリハ検診ができれば良いのですが・・

2014年11月21日金曜日

[Med-REHA] “元気寿命”を話してきました:地域リハビリ検診報告会

11月6日地域リハビリ検診の報告会です

    去る11月6日、大仙市強首にある特別養護老人ホーム「ありすの街」でのリハビリ検診報告会に行ってきました。

    検診では、身体機能と認知機能をPT・OTが測定し、また医療・介護に関わる相談を小生が担当しておこないます。入所者中心ですが、デイ・サービスを受ける通所者も対象です。

結果は検診の場で個々人に去年のデータと比較して説明。中には適切なデータが測定されておらず、再検査となる場合もあります。特に握力などは集中力を反映するので、気合をかけて再検査すると大きく改善する場合があり、その時は「去年と変わってなかったね。」と機能維持を確認してほっとしたり、相手と一緒に喜んだりします。基本動作能力もご本人の気力が影響するので要注意。中でも気になるのは、著しい体重減少や元気力低下(ぼんやり感の悪化)。ホームの方に状況を聞きながらその原因を探ったりします。そして2週後に当たる昨日、11月20日、全体報告と講話を行いに再び「ありすの街」へ。

“健康寿命”は使えない、そこで“元気寿命”の造語でお話

Microsoft PowerPoint - リハ検診講話2014

   施設利用者はほとんどが要介護認定を受けた方々。WHOの“健康寿命”の定義に従えば、検診の受け手である彼ら・彼女らは、すでに“健康”の対象外。この考えを広げると私が普段診る患者さんは皆、介護保険の対象者で、身体障害・認知障害のいずれかか、または一緒に持った方々。“障害予防”の立場からは、彼らの健康維持に必要な健康寿命に代わる言葉が欲しいと常日頃思っておりました。そして今回、誰かが既に使っているのかも知れないと思いつつも、“元気寿命”という言葉を造語しました。「なかなか響きがいい」と自画自賛しながら、元気寿命を維持する4条件、その基礎となる“運動と食生活”、そして自己免疫力・抵抗力を上げる、“身体を冷やさない工夫”を中心に45分間熱演しました。また、いつものスタイルですが、講話の途中でクイズを出して答えてもらったり、一緒に日常生活を考えて皆に答えてもらう、“参加型の講話”を今年も実践してきた次第です。

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