2022年1月11日火曜日

[IS-REC/ISSUES]『腰椎椎間板・左横ヘルニアにやられた』

 ●密かな自慢、運動習慣

   秋田に居た頃からの運動習慣は由利本荘市に転居してからも続いている。秋田では夕食後ひと休みしてからセントラルスポーツのジムで汗を流していた。由利本荘では夜遅くまで出来るスポーツジムがなく、自宅に小さなトレーニングルームを作りトレッドミルで走るのを日課とした。またウイークエンドは本荘大堤から水林に抜けるハイキングコースを通り、子吉川河川敷に沿って薬師堂踏切を超え自宅に戻る10数kmのウォーキングコースをオーディブルを聴きながら歩く。結構の運動をこなしているつもりでもやはり歳には勝てない。体重は変わらないが筋肉量が減って、めっきり寒がりになった。そこでこの春からダンベル運動などの時間を増やした。

●ヘルニアの前兆

   筋トレメニューにその場ジャンプや踵(かかと)落としも良いというので、これらも普段の運動に取り入れた。ところが、この7月頃から運動と関係なく平時の歩行中、左足を挙げた時(遊脚期)、左鼠蹊部を縛ったような感覚に陥り、また大腿から下腿の前面、足背に灼熱感を伴う痛みが出現した。この症状は左足だけに時々起こり、右足になく、また腰痛はほとんど生じなかった。中通病院の親友に相談した。末梢循環障害ではないかという。そこで早速、血圧脈波検査を受けたが、ABI1.12で末梢循環障害は否定的だった。その後も同じ程度の症状は時々あったが日常生活に影響するほどではなく運動も続けていた。

●腰椎MRIで“L4/5・L5/S1左横ヘルニア”

  9月半ばから起床時の左足のこむら返り、歩行時の左下肢の痛みが増悪した。最も困ったのは階段昇降時に痛みで足を宙に浮かせず、足先が段差で引っかかる事だった。もっぱらエレベーターを使うしかなかった。自院の整形外科S先生に相談した。診察の上、すぐに腰椎MRIがオーダーされた。その結果は、L4/5、L5/S1の腰椎椎間板左横ヘルニアによる椎間孔狭窄症の診断。灼熱痛はL5デルマトームと一致していた。まず神経障害性疼痛に対してタリージェ5mg2錠から開始となった。

●椎間板ヘルニア症状を実体験する

   痛みは診断が確定した心理的影響もあって、常時感じるようになった。そして組織損傷と釣り合わない疼痛や異常感覚(灼熱感)など、これが神経障害性疼痛というものか、と納得した。タリージェを処方してもらいその鎮痛効果はあったが、仕事を休まず続けていたため、そのほかの鎮痛剤も併用した。しかし腎障害少ないカロナールを含めてnsaidsは無効、セレコキシブも気休め程度だった。痛みがあると、仕事に集中できず、また患者さんに笑顔で向かえなくなった。手術も考えざるを得ないか、と暗い気持ちになっていった。

●自然回復を促す運動・廃用の回復

 改めて文献や教科書で椎間板ヘルニアの治療と予後を調べ、またネットでの検索も行った。福島県立医大・整形の菊地名誉教授や紺野慎一教授は「多くの場合、6カ月程度でヘルニアは自然になくなる」と述べており、この観察を信じ、さらに自然回復を促す運動、運動習慣を一時中断したことによる廃用の回復を図れないものか検討した。なかなかその方面の情報はない。そこで痛みをコントロールしながら主にロングウォーキングを再開した。ジャンプや踵落とし、腰の運動は怖くて出来なかった。筋トレを休み運動量を減らしたことで、これまで体重を落とせなかったのが1kg以上減って60kgを切った。これはやはり筋肉量が落ちたせいなのだろう。筋肉を落とすのは簡単でも増やすのはなかなか大変なことを改めて実感した。

●運動でヘルニアは起こるか?

 教科書やネット検索で椎間板ヘルニアの原因を調べるとおおよそ、“スポーツ、不適切な荷物の持ち上げ、長時間の座りっぱなしなど、背骨に負担をかける不適切な動作を繰り返すこと”とあり、想像通りであった。しかし紺野慎一教授は、“スポーツは、直接的には関係しない”、と述べ、またヘルニアがあっても症状が出ない場合もあり、症状出現には神経への圧迫の強さ、仕事上の満足度の低さ、そして、うつ・不安・ストレスなどが関係しているとしている。

●症状消失とヘルニア再発を予防するには・・

   タリージェは有効であったが日中の眠気が強く、また動作時のめまいも起こるようになり、早々に中止した。幸い、薬を止めても痛みを含むヘルニア症状は徐々に改善して消失した。11月には痛みや異常感覚は全くなくなり、主に筋力低下による歩行、特に階段昇降時の擦り足が問題であった。その擦り足も運動、特にトレッドミルや週末ロングウォーキングの再開で大分改善している。私の場合も症状出現にヘルニアによる直接神経圧迫以外の周辺要因があったのだろうか? 再発予防にはやはり“心の健康”が大切なようだ。

秋田県医師会報NO.1956(2022年1月号)『新春随想号』pp53-54、から転載

2021年9月12日日曜日

[IS-REC/ISSUES] ~リハビリ科入院からみた寝たきり患者の拘縮

これまで由利本荘医師会報・秋田県医師会報に掲載した記事を順次投稿します。 由利本荘医師会報NO566(2021年9月号)

●拘縮は予防できるか?

        重度片マヒや四肢マヒが残り、結果的に寝たきりとなった患者さんで問題となるのが四肢・体幹の拘縮である。20数年前、頼まれて秋田市内某総合病院の循環器科病棟をリハビリ医の立場でその診察と回診をさせていただいていた。主な役割は何らかの障害を残し、リハビリで良くなるケースあればリハビリ病院へ拾い上げることなのだが、もっとも困ったのは障害発生から時間が経ち四肢の痙性や拘縮が重度となったケースであった。寝たきりに近い状態の患者を病棟看護師は時間で一生懸命体位交換し、確かに臀部や踵の褥瘡は少ない。しかし四肢・体幹の屈曲あるいは伸展拘縮が進んで、股・膝・体幹が折れ曲がりおむつ交換も容易ではなくなっている。また手・手指関節は握り拳状となって指間が開かずそこに褥瘡も発生している。発症の早い時期から拘縮予防のROM(関節可動域訓練)をやっていれば予防できただろうに・・とも当時は考えた。しかし、その後の臨床経験からわかってきた事は拘縮予防ROMは、患者自身にその運動に協調できる自動能力が残り、かつ相当程度の頻度(たとえば毎日数時間かけるような)で実施しない限りほとんど無効であることだ。

●器械で自動・他動ROM訓練を行う

        訓練士によって限られた時間、ROM訓練を行っても拘縮予防が手ごわい事は以前から想像していた。そこで器械で自動・他動ROM訓練を行うことを考えた。幸い開発に手を貸してくれる器械メーカーがあって、まず最も実現可能性のあるマヒ上肢の手・手指関節を空気圧で伸展させる機器を試作した。医療器械としての安全性考慮などメーカー技術者の協力がなければ困難だったが何とか製品・市販まで漕ぎつけた。現在は多くのリハビリ施設や老健施設などで手の拘縮予防機器として使用されている。次いで下肢、特に足関節の尖足予防の機器開発を県立大学工学部の某教授と取り組んだ。しかしこれは結局未完成に終わった。下肢の足底側に押す力は非常に強く、空気圧のみで他動ROMを行うのは困難であり、これを補う硬性素材を使用した場合、医療機器として安全上の問題をクリアできないためであった。

●入院患者の現状と患者QOLを考慮したリハビリ介入の可能性

        当医師会病院の診療目標のひとつは、“慢性期リハビリテーション”である。医学的リハビリの柱の一つは患者さんの機能回復であることは言うまでもない。障害発生の早い時期に急性期病院での治療を終えて紹介され、リハビリのレールに乗り続けられれば、年齢や背景疾患にもよるものの障害を最小限にくい止めて自宅退院や施設入所が可能となる。

しかし障害自体が高度で、かつ背景疾患や合併症を抱える高齢者は機能回復が困難であり、主にケア対象のレベルに留まってしまうのが通例である。ベッド上の動作が要介助で、離床全介助、食事にも介助を要するような場合や静脈栄養、非経口栄養の場合、あるいは気切状態の場合などでは、退院後の受け入れ先がなく、医療リハビリの期限を超えて延々と療養入院を続ける結果となってしまう。そういった機能回復が既に期待できなくなったケースが他院からの紹介を含めて徐々に療養病棟を占めるに至っている。機能回復を期待して積極的リハビリを行っているケースは現在、全病床の3分の1に満たない状態。これは当院リハビリ医療の面からも深刻な状況である。高齢でさまざま合併症を持った入院患者さんの質が今後変わるはずもない。今、漠然と考えるのは従来の機能回復を第一義的に考えるリハビリ医療ばかりではなく、患者QOLを考慮したリハビリ介入の可能性である。ケアの面から考えたボトックスによる痙縮コントロール、そして最も難題である拘縮の予防と改善、認知症に対する取り組み等々。解決すべき課題は、まず口にしたり文字にしたりしないとその道筋すら見えてこない。今は残念ながらまだその課題を挙げて確認する程度の段階に留まっている。

2021年9月2日木曜日

[IS-REC/ISSUES]秋田県の無料広報雑誌「楽園」NO.65(令和3年6月1日)号掲載

 秋田県の無料広報雑誌「楽園」(平成22年~)は、中高年向けの健康記事を掲載しています。冊子は、 県内(銀行、図書館、宿泊施設、協力医療施設)および県外のアンテナショ ツプに設置されています。本稿はその65号(令和3年6月1日号)に掲載されたものです。

『養生のヒント  ~あなたは、“元気老人?”それとも“フレイル?”』


○リハビリ病院の患者さん達

        入院リハビリを受ける、それは日常生活が困難となる何らかの原因があって、急性期治療後も家に帰ることが出来ず、生活機能の回復を図る入院です。入院理由は要介護・寝たきり原因とほぼ共通。その主な原因は、認知症・脳血管疾患・高齢による衰弱・転倒後の骨折などが挙がっています(厚労省2019)。リハビリ入院はその中でも良くなると期待されるケースなので、認知症患者は除外されます。

○リハビリ入院患者に、“元気老人”はいない!

    
        リハビリ入院患者は、“アラエイティー(80歳前後)”で、フレイル、すなわちヤセで低栄養・筋量低下(サルコペニア)・活動量低下、が共通しています。フレイルでは握力が落ち、両下腿が細くなり、低栄養状態で、意欲・体力なく、栄養の改善を図らないとリハビリ実施は困難です。

○フレイルだから要介護や寝たきりとなる!

        一般にフレイルは老化に伴う心身機能低下と考えがちですが、老化の必須プロセスではありません。事実、私たちの身の回りには高齢でもたくさんの“元気老人”がいます。一方、徐々に食が細くなり痩せてきた、外出しなくなった、外出時には信号機のある横断歩道を渡り切れなくなった、などの症状があればフレイルの可能性が高くなります。フレイルになると簡単に骨折する、食事の偏りや低栄養、脱水から脳卒中・心筋梗塞などに罹患する、また認知症を発症する、などの可能性が高くなります。


○フレイルを予防して健康寿命を伸ばそう!

        寿命自体の調整は困難です。しかし細胞や遺伝子レベルで寿命制御機構が発見され、
実験動物から人の長寿化の試みが現実化しつつあります。他方、老化はプロセスであり個体差が大きく、個人の生活習慣に大きく左右されます。老化に抗して健康寿命を延ばしフレイルを予防するには日常の栄養が最も大切。高齢になるほど淡白で粗食を好み、また生活時間が不規則、食事も朝昼兼用、夕食が夜食となる、などのケースがみられます。三食をきっちりとる、魚肉・鶏肉など、蛋白質を多く食べ、副食多く主食は特に夕方に少なめとする、これが基本です。また自分の歯を残すように定期歯科健診を受け咀嚼力、口腔・嚥下機能を維持してオーラルフレイルを予防します。身体運動能力の維持・改善には毎日の運動が必要。朝のラジオ体操、また仲間と一緒に出来る運動などが良いでしょう。ウォーキングは速歩で息がはずみ汗をかく程度の負荷で行います。社会参加の面では、可能な限り就労を続けます。そうでない場合にはボランティア活動、友人とのおしゃべり・会食、または観劇などの文化活動も望ましいことです。これらの点に心がけるのはもちろん大切ですが、生活習慣病で治療を受けている方はかかりつけ医の投薬と指導で治療を中断しないようにしましょう。老化というプロセスからフレイル、サルコペニア、そして認知症を予防して要介護状態に陥らずに、いつまでも元気老人でい続けられるかどうかはあなたにかかっているのです。

2021年8月30日月曜日

[IS-REC/ISSUES]~脳卒中治療・リハビリテーション医療の進歩を活かすために~

 ※これまで由利本荘医師会報・秋田県医師会報に掲載した記事を順次投稿します。 由利本荘医師会報NO492(2015年1月号)

~脳卒中治療・リハビリテーション医療の進歩を活かすために~

●はじめに

        ここ数年、脳卒中治療やそのリハビリは大きく進歩している。今年まもなく「脳卒中治療ガイドライン2015」が公表・出版される。そこでは脳卒中リハビリについても多くの紙面が割かれるはずである。拙文ではその詳細に触れないが、当地区の現状を踏まえ今後その治療と技術の進歩を日常診療に活かすため、当地区全体で何を目指すべきか、その方向性について私見を述べる。

●由利本荘医療圏の現状

        平成24年度の由利本荘保健所管内の死因統計では、死因の多い順にガン・心臓病・脳血管疾患・肺炎・不慮の事故であり、脳卒中割合は死因第3位。また要介護・寝たきりの原因は全国共通し、脳卒中後遺症が第一位。これは当地区でもおそらく同様であると思われ、脳卒中治療とそのリハビリには未だ十分な力を注ぐ必要性を感じている。当医療圏は病院数6、多くは一般病床であり、療養病床は1病院50床のみ。リハビリに特化した病床はない。脳卒中医療やそのリハビリは、急性期から慢性期に区分されたシームレスな地域完結型医療が最も有効とされる。こういった地域の体制について当地区は残念ながら秋田県内でも相当遅れをとっている。一方、近年国の目指す医療と介護の一体化構想のもとで地域包括ケア病棟が生まれつつある。この中には在宅診療支援機能も含まれており、“慢性疾患やそれによる機能低下・生活機能障害(要介護状態)”に対して、有効な対処の枠組みが用意されたかにみえる。

●治療の進歩・リハビリの進歩

        脳卒中急性期治療について、当地区の脳卒中センター機能を担う由利組合総合病院は国内でも屈指の高い医療レベルを誇る。急性期病院でrtPA使用や血管内治療が行われ、引き続き急性期・亜急性期のリハビリが行われる。機能回復を目指すリハビリ、障害が残っても、その障害を代替したり補助的手段を導入して社会や在宅復帰につなげるリハビリ技術は大きく進歩している。身体機能という場合、特に脳卒中では運動麻痺に眼が奪われがちである。しかし近年注目されるのは運動障害治療以前の問題として、栄養障害や認知障害の問題があり、このような背景を改善することで機能予後が大きく変わることも周知の事実である。リハビリそれ自体は、要点として医師やセラピストのスキル(リハビリの質)と、訓練の量が挙げられている。特に後者の量的問題については理解しやすく、“24時間365日リハビリ”の有効性は実際高い。

●地域の実情にあわせて何が用意されるべきか?

        生活圏は広域であり、脳卒中後遺症を抱えて自動車運転が出来なくなると地域生活は“アウト”となる。痙性や拘縮で手の機能が低下するとそれまで可能だった身辺処理が自力で出来なくなる。疾患管理が悪いと脳機能が低下して嚥下障害が起こり誤嚥性肺炎を来す。家屋環境や季節的影響で運動やリハビリが行えないと運動過少による肥満から日常生活活動が困難となることもある。こういった様々な生活上の問題に対して適切な評価と指導(自動車運転であれば“運転シミュレーター”、痙性や拘縮は麻痺上下肢の管理と治療的ブロック療法、嚥下障害であればその評価と食事形態・栄養摂取法の検討、肥満であれば障害にあった運動・訓練法や栄養指導、など)がなされ、必要と適応あれば治療と短期集中リハビリが可能となる専門的施設(“リハビリセンター”)が利用される。それは脳卒中センター同様に地域全体で共有できる“リハビリセンター”でなければならない。そのためには地域で一貫した治療方針で患者さんをみる“地域連携医療”の中で利用される形が望ましい。地域連携医療は医療・介護の担い手個々の協力で可能だが、リハビリセンターなど、“ハコモノ”の設置は容易ではない。しかしリハビリの大きな目的は“要介護者を減らし、要介護度を下げ、tax-payerを増やすこと”。この目的実現で削減できるコストも大きいはずである。“リハビリセンター”の採算性を是非どこかで検討していただきたいものである。

●おわりに

        私個人の当面の目標は地域連携医療の構築で急性期から回復期へ脳卒中治療とリハビリの流れを作ること。そしてその結果を出して行くこと。なかなか大変な課題である。諸兄姉のご支援をお願いして筆を置きたい。


[IS-REC/ISSUES]リハビリ科入院からみた障害高齢者の治療スペクトラム


※これまで由利本荘医師会報・秋田県医師会報に掲載した記事を順次投稿します。
 由利本荘医師会報O550(2020年3月号)

●高齢者リハビリ入院の背景

    巷間の高齢者の多くは元気老人で、“人生100年時代”を謳歌している。一方で少子化による世帯人数減少、高齢者貧困世帯増加を背景に、目立った障害がなくともフレイルという要介護準備状態者が増加している。巷間の高齢者の一方はこのフレイルで、生活習慣病の不十分な治療や未治療、健康維持に必要な食事・栄養・運動習慣の不十分などがその原因となる。フレイルでは高血圧や糖尿病による大小血管病、骨粗鬆症による大腿骨折などをきっかけに、介護を必要とする様々な障害に見舞われる。急性期病院での治療後、“あとはリハビリで”と障害を持つフレイル高齢者が紹介されてくる。また市中の診療所で治療を受けながら徐々に機能が低下し介護が限界に達して紹介されてくる高齢者もある。慢性期医療病院のリハビリ科入院は概ねそのようなフレイル高齢者や既に相当以前から様々な疾病や障害を持った要介護高齢者がほとんど。元気老人が入院してくることはない。

●背景疾患を治療し、“機能的状態”を入院時より良くして帰せるかが問題

        背景疾患の治療を前医に引き継いで行う。新たに発生した障害はそのリスク管理を行いながらリハビリを行う。リハビリでは阻害因子を明らかにし、回復や改善の見通しをスタッフと共有する。その阻害要因が大きければ、時に“リハビリ適応なし”と判断するケースも出る。意識障害や全失語で訓練時の協調動作が期待できないケース、極度の栄養不良で訓練負荷に耐えられないケースなどはリハビリ適応外となる。これらの問題がない場合でも、フレイルや認知症によって、訓練しても機能的状態は変わらないか、悪化するケースがある。主治医の仕事は、したがって背景疾患を治療し、阻害因子の軽減を図り、家族やMSWと相談しながら退院先を決定する、チーム全体の方針の取りまとめを行う、などである。その場合、“患者の機能的状態が入院時より良くなっているか、退院後にその変化が患者本人のQOL改善につながるか?”を絶えず考える必要がある。

●リハビリとケアの境目

        “リハビリ適応外”、“現疾患治療優先でリハビリ困難”と判断されるケースのリハビリ科入院は悩みが多い。訓練で機能維持すら困難なケースもある。家族に状況を説明してケアに重点に置いたメニューを実施する。背景疾患が重症であったり、もともとフレイル高度な患者は、この“リハビリとケアの境目”に位置した治療目標を立てることとなる。

●ACP「人生会議」と 「エンド・オブ・ライフケア」

        「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」、いわゆるACPが提案され、その身近な代替語として「人生会議」が昨年から提唱されている。ACPは、自らが望む「人生の最終段階における医療・ケアの方針」を前もって話し合い、いざその場面となった時に活用しようという当事者中心のもの。一方、ケアを提供する側の指針「エンド・オブ・ライフケア」は、“リハビリ入院治療スペクトラム”の一端も説明しているように思われる。機能回復や改善を図るリハビリ、機能維持を図るリハビリが困難でも医療者として何かできることがあるはず だ。意識が良いのに四肢拘縮進行で苦しむ患者、経鼻胃管挿入のまま四肢の抑制を受けている患者などをみると、“リハビリとケアの境目”の患者でもそのQOL改善を目指す治療やケアがあると確信する。

●リハビリ科入院:これからの課題

        医療全般が進歩した。服薬アドヒアランスを上げるOD錠、ポリファーマシーを避ける合剤、安定した血糖変動が得られる持効型インスリン、などがそれである。リハビリ医学も対象患者の高齢化でその質と内容が少しずつ変化してきている。フレイルとの関連で、“リハビリ栄養”や“障害予防リハビリ”の言葉が生まれた。訓練場面でのロボティクス応用は高齢者リハビリ現場ではやや縁遠いので触れないが、変形拘縮予防のボトックス治療や物療の利用はもっと考慮すべきだろう。また、治療的胃瘻造設は終末期医療に至るまで「緩和ケア」や「エンド・オブ・ライフケア」の観点から有用と確信しており、まだまだそのプロパガンダが必要と思っている。

※医師会報掲載の関連記事は以下の通りです。



2021年8月29日日曜日

[IS-REC/ISSUES]『NO546「私のオススメ」ライフハックとaudible.com』

※これまで由利本荘医師会報・秋田県医師会報に掲載した記事を順次投稿します。 由利本荘医師会報O546(2019年12月号)

~ワークライフバランスの生活手法~

        精神科医・名越康文氏が『寅さん新聞』で語るように、物欲や望まない人との関係性などに煩わされず、また決まったスケジュールを持たない生活ができたらそれは最高の贅沢だろう。私はどう間違ったのか、歳をとるほどそんな贅沢に程遠い時間貧乏の生活を送っている。職場で走り回り、家にはクタクタで帰り、“メシ・フロ・ネル”の生活になりかねない毎日なのである。そこで当面の私の使命は、“時間に流されず、仕事もプライベートも充実した生活を送ること、しかもその“満点”生活を他人(ヒト)には卒なくこなしているようにみせること”、なそある。さて、以前からライフハックには大いに興味があった。ライフハックとは、人生をラクにする“IT時代の仕事術”である。タスク管理から知的生活の設計まで人生をラクに一歩ずつ変えるテクニックである(Lifehacking.jp )。出来るだけ手抜きせず迅速に仕事をこなし、残業などはせず、まっすぐ家に帰って趣味にも時間を使う。その理想をかなえる手段としてライフハックは必須であり、時間貧乏ゆえに日・週・月単位のスケジュールが必要となる。時には明治大学・齋藤 孝先生が披露するようにタイマーをかけて一つ一つの仕事をすることも必要なのだ(齋藤 孝著『人生を変える「習慣」の力』成美文庫)。


私のライフハック1:“ScanSnapとPaperPort”


        加齢とともに仕事をこなす要領が悪くなった。その最も大きい要因は身のこなしが悪くなったことと、言わずもがな記憶力の低下である。脳の記憶容量が減って複数の仕事を同時並行でこなすことができない、記憶を再認することは出来ても、記憶を直接引き出すことが出来ない、具体で呼称できず「あれ、これ・・」の世界なのである。こういった時、脳の記憶容量低下を補う手段がまさにITの力である。私は10数年来その目的で“ScanSnapとPaperPort”を使っている。要は職場であろうが自宅であろうが、記憶ないし心に留め置くことがあればすべて“ScanSnap”でスキャンして画像データベース“PaperPort”に取り込み、保存するのだ。月単位で目的別(日常業務・文献・出来事・趣味など)に作っている4つのフォルダに分類する。このスキャンして保存した文書などは一覧してわかるサイズのサムネイルで表示されるので簡単に探し出すことが出来る。数年以上前に保存した文書も、“everything”というデスクトップ検索ソフトを使えば瞬時に見つけることが可能である。この画像データベースは、“dropbox”に保存してある。その結果、職場や自宅など場所を問わず、ノートPCさえあれば出張先でもアクセス可能である。またPDF や JPEG形式保存なのでiPhoneでも閲覧できる。お蔭で脳の記憶貯蔵庫を開放して、脳を考えることだけに集中出来る。こういった技術・手段はアクセススピードの進歩を別とすれば相当以前から利用されてきた。仕事と趣味の境界必ずしも明瞭ではないが、週末にはゆっくり新聞記事や雑誌記事、文献などを切り抜きして取り込む。記事や文献内容も切り抜きと画像データベース取り込みという作業が入ることで記憶に残りやすくなり、また後日の参照も簡単に可能となる。特定のテーマでまとめて読み返すこともできる。書評の切り抜きはよくする。複数の新聞で書評が掲載される本はやはり買って手にとりたくなり、ついついアマゾンで“ポチッ”とやってしまっている。(組写真1:ScanSnapとPaperPort画面、“everything”による検索)


私のライフハック2:“Yahoo & Googleカレンダーとリマインダー"

職場の日常業務は時間でびっしり埋まる。検査や処置、面談、外来、会議など時間に遅れることなくこなすようにしている。看護師さんなどからその時間前にお呼びがかかり、貴重な数分間を時間泥棒されることも多い。親切心から出でいるものなので怒らないようにしている。この仕事スケジュールは“Yahooカレンダー”、プライベートは、“Googleカレンダー”に分けて入力している。週や月単位のスケジュールは課題としてクラウド上(iCloud)のリメンバーソフト、“リマインダー”に記録する。設定で期日前になるとアラームが出るようになっている。予定の記載などは最近の音声入力の正確度がアップしているので固有名詞を除いてiPhoneからの音声入力で十分事足りている(組写真2:Yahoo & Googleカレンダーとリマインダー )。


“ながら聴き”のaudible.com

自分の趣味と健康を兼ねてウォーキングやジョギング、体操などをする。その時、有料のauidible.comからダウンロードしたさまざまなメディアを“ながら聴き”する。シリーズものでは,吉川英治の「宮本武蔵」、「三国志」、「新・平家物語」、五木寛之「青春の門」など、さまざま長編大作を聴いた。audible.comを知るまでこういった作品を読む機会は死ぬまでないだろうと漠然と考えていたので、「聴き語り」形式ではあるが大作に触れるチャンスのあったことを幸運に思っている。運動しながら耳で聴く本を読むとは、まさに認知症予防のコグニサイズ、いいことずくめのようだ。しかし特に高齢者運動指導時には却ってその問題を指摘する論文(川嶋一成:高齢者運動指導時の留意点~「ながら運動」防止の観点から.日医雑誌148、2019年)もある。実際、私自身もトレッドミル運動など、運動に集中が必要な場合、宮部みゆき・貴志祐介・今野 敏、といったワクワク・ゾクゾクするようで内容的に軽めのホラーやサスペンスでない限り、“ながら聴き”の出来ないことがわかってきた(組写真3:audible.comのメディア案内)。

神はすべての人に等しく1日24時間を与えている。その時間を有効に使えるかどうかは、このIT時代に人間に備わった能力の一部を代替したり、補ったりできそうな機器を上手に使いこなす「ライフハック」力とそれを習慣化することが大切だと思っている。





2021年8月27日金曜日

[IS-REC/ISSUES]『NO542「いいたい放題」~「障害」の諸相 ~』

※これまで由利本荘医師会報・秋田県医師会報に掲載した記事を順次投稿します。 由利本荘医師会報NO542(2019年7月号)

社会の階層化が進んでいる。非正規雇用が増加し普通に働いても貯蓄できず、結婚出来ず、生活が苦しいという階層が相当割合を占め、かつて総中流であった中から貧困層やさらにアンダークラスという階層が生まれている。安定した雇用と収入は階層化が進む以前の中間層の絶対条件であった。現在の雇用流動化で、中間層から下層へ転落する不安や危惧が今や社会全体のぎすぎすした空気を生んでいるように見える。貧困や貧困化の重要な背景のひとつに“障害”がある。近年、障害者に対する理解が進んで、街中や駅、公共施設のバリアフリー化、障害者権利条約採択、障害者雇用の義務づけ等、生活や働く環境整備とその法的整備に力が入れられてきている。とはいえ障害内容と障害者自体の多様性からまだまだ“健常人”との差が大きい現実である。障害を負ったことで生活の貧困化、下層への転落が起こるとすれば、それは障害者を受け入れる社会が十分成熟していない証であろう。地域間経済格差と生活利便性の差、少子高齢化に影響された世帯構造の変化、すなわち高齢単身世帯の増加も、加齢や病気で障害を抱えた場合に起こる高齢者の貧困や生活困難と大きく関わっている。三世代家族が極端に減って、身近な所で障害ある高齢の肉親に手を差し延べる微笑ましい光景は滅多に見かけなくなった。現在多くの高齢者には障害を契機に社会参加への著しい困難が待ち受けているようだ。

○リハビリ医療における障害

リハビリ医療はもっぱら障害を問題とする。教科書的に言えば、障害は階層構造を持ち、機能障害-能力低下-ハンディキャップとして捉えられる(WHO,ICIDH,1980)。診療場面でくりかえし行われるリハビリカンファランスは、チーム医療として欠かせない役割を持つ。その際の議論でもこの障害の階層構造に沿って問題が解析されている。近年では“生活機能の低下を障害とする”*ICFの障害概念が取り入れられて、“障害”の軽減のみならず、患者の持つ生活機能へ働きかけで生活の質(QOL)向上を目指そうとするアプローチが主流となっている。

*ICF:国際生活機能分類、WHO、2001年

○日常生活と障害

多くの人は日常生活に眼鏡を必要としている。眼鏡を必要とする状態でもそれを障害とは言わない。私は加齢により体力が低下して山歩きする自信をなくした。グループで出かけた時に他人に迷惑をかけたくないからだ。また老眼が進んで以前からの趣味である自作PC作りも困難となった。PC筐体の深い所でのネジ止め等の操作が出来ないからだ。加齢や病気の結果起こる大小の障害、それは趣味の領域はもとより身近に必要な日常生活にも大きく影響を与えて生活機能の一部撤退を余儀なくしている。

○医療と介護を結ぶ視点としての障害

もっぱらの仕事を“慢性期医療”とする医師会病院では、慢性期の疾患管理とリハビリが主な診療内容である。受け入れる患者さんの多くは長い人生と生活の中で様々な病気と障害を持ち、ICFで言う“生活機能の低下”を抱えている。入院直後には病気悪化による症状の治療と、抱えている要素的障害の軽減が目標となる。全部の患者さんがリハビリに回される訳ではないが、障害状況に合わせた退院先を考える段階で、すべて介護の視点が医療とオーバーラップしてくる。すなわち入院から退院への流れの中で医療-リハビリ-介護に視点が移ってゆく。そこに一貫して流れるのは患者の“障害”に対する理解とそれを少しでも解決に結びつけようとするアプローチである。患者の“生活機能の低下”を注視する必要があるのだ。単に退院先を決めるのではなく、患者の“生活の質(QOL)向上”の視点が大切だと思っている。

※医師会報掲載の関連記事は以下の通りです。

2021年1月2日土曜日

[IS-REC/ISSUES]『湯に浸かって健康になる』

●温泉通い

 由利本荘市の本荘公園に近い鶴舞温泉は、家から歩いてすぐの所である。元々、温泉好き夫婦なので週2、3度は回数券を買ってここに通っている。時に医師会長W先生やいつも医師会病院に往診いただくS先生、また私のかかりつけである御門歯科O院長先生などとも一緒になる。気泡浴や露天風呂、サウナなどを利用して温泉を楽しむ。温泉から家に帰るともう時間は午後8時半過ぎ。後はもう寝るだけの生活である。温泉通いは秋田では秋田温泉へ。しかし温泉まで車30分の距離。いくら温泉好きでも月にせいぜい2度か3度がやっとだった。由利本荘市での生活ではワイフが遊泳館で毎日水中ウォーキングを楽しみ、夜は夫婦で鶴舞温泉に通う生活。近くにプールも温泉もある由利本荘市の生活満足度は秋田市に比べて相当高いこととなる。

●物理療法としての温泉

 過日、秋季リハビリ医学会総会があり学会の研修講演を連続して聴講した。その中の一つは温泉医学・物理療法。演者のM教授(国際医療福祉大学)はリハビリ医学でも少し毛色が変わっており、温泉医学を中心に現在も活躍している。今回の研修講演内容は物理療法・温泉療法オーバービュー。彼の解説では、温熱や電気を使い機能回復や疼痛緩和を図る物理療法(物療)の歴史は古く、記紀の神話世界からその記述があり、近年では江戸時代から明治・大正・昭和の戦前にも物療が盛んに行われたという。特に温泉は言わずもがな昔から日本人に欠かせない娯楽や療養手段であった。講演ではこの温泉の効用を温泉医学の立場から様々解説してくれた。温泉は温熱の一般的効果に加え、入浴中の体温上昇が早い(炭酸泉)、浸かった後の保温効果に優れる、リラックス効果も大きい(特に塩化物泉)等々で、実際の実験データを示しながら検証結果を説明した。また疫学研究で温泉の定期的利用者群とそうでない群の比較で大血管病や骨折リスク、死亡リスクが低かったことも話された。温泉の直接的効果については、“疼痛性疾患、関節拘縮、血行不全、肩手症候群、失調症状、褥瘡などの症状緩和や治療に役立つという。

●“ヒートショック”と“ヒートショックプロテイン(HSP)”は別物

 冬場のこの時期、特に東北地方の寒冷地仕様ではない戸建て住宅に暮らす多くの高齢者は風呂場で倒れることが多い。その大半は“ヒートショック”と言われ、注意が喚起されている。これは暖房のある暖かな部屋から寒い脱衣所、さらに冷えた浴室に入り、血圧の急上昇をきたす、さらに浴槽に浸かって血管が開くなど、急激な体温変化が原因となって血圧上昇下降があり、心筋梗塞や脳卒中を起こすというものだ。冬季の救急搬送はこの“ヒートショック”に因るものが多い。入浴前に脱衣所や浴室を前もって十分暖めて置くことが事故防止上、肝要である。さて、“ヒートショックプロテイン(HSP)”はこの高齢者浴室事故の原因、“ヒートショック”とは全く別物だから少しややこしい。HSPについて一般向け書籍を出している伊藤要子氏の「加温健康法」(法研2013)によると、HSPとは熱ストレスで増加する組織修復タンパク質のこと。脳卒中後の急性期に組織修復に働くタンパク質として、しばしば登場するので脳卒中を専門とする医師には結構馴染み深いタンパク質である。「加温健康法」で紹介される事例では、ネズミやウサギを使ったストレス実験でそのストレス負荷の前に加温時間を入れるとそのストレス緩和効果は絶大だという。また実生活上では、スポーツ選手のトレーニングメニューにマイルドな加温(サウナや入浴)を入れると入れないとではその疲労回復程度やスポーツ記録で相当の差が出るという。実際、カナダでの冬季オリッピックの際、日本選手が試合直前にサウナを利用し好成績を挙げたそうである。このHSP(特にHSP70)は体内に増加しても特段の副作用発現はない。また自己の工夫で体内に増やすことも比較的容易である。入浴で適度な熱ストレスを与えるとHSPが増加する。入浴中の体温を2度上昇出来れば、HSP増加は確実だ。体温を上げる運動や食べ物も有効だが、無理な運動は余分な酸化ストレスも増やすので前準備が必要となる。薬では抗潰瘍薬セルベックスの有効成分GAAによりHSPがふえるという。こういった事実から美容医学や抗加齢医学でしばしばHSP上昇法が紹介されている。

●和温(WAON)療法

 慢性心不全の高齢者が増加している。リハ医学進歩の恩恵を受けて、近年急性心筋梗塞後の心臓リハビリテーションの施設要件が緩和され、多くのリハ施設で心臓リハが取り組まれるようになっている。それでも循環器科や心臓血管外科が併設された病院や循環器センターなどでないと、なかなか一般のリハ施設で心臓リハを行う敷居は高い。ところが最近、我々の病院でも様々な障害で入院してくる高齢者の多くが慢性心不全や腎不全などの既往疾患を抱えている。否が応でもこういった心不全患者の治療を続けながらリハビリを行うこととなるのだ。さてこの十数年以来、HSPの組織修復や機能回復作用を利用した、低温サウナ浴による慢性心不全治療「和温(WAON)療法」が認知されるようになってきている。この4月に保険適応され、慢性心不全高齢者のリハビリにも応用されている。これは鹿児島大学の鄭忠和教授の開発によるもので、“日本循環器学会の慢性心不全に対するガイドラインにクラスIとして掲載され、「高度先進医療」として承認”されている(「和温(WAON)療法」ホームページから)。一人利用のサウナが“和温療法器”として市販され、低温サウナであるので治療の危険性は少なく、管理も比較的容易なようだ。一般の病院ではこの和温療法器を使って治療する。残念な事に東北地方では仙台の東北大学リハビリテーション部の一施設のみで可能。慢性期で高齢者のリハビリを行う施設にはもっと普及して欲しいものだ。

●“体温を上げて健康になる”

 10年ほど前、斉藤真嗣著「体温を上げると健康になる」という本がベストセラーとなった。この本はオーディオブックにもなって更に読まれるようになった。また最近では雑誌「アエラ」で「体温で24時間を整える」という特集記事があり、体温と生活リズムの関係、自分で熱を作り出す効用などを解説していた。最近は特に女性で低体温者が多く、コロナ感染のスクリーニングに体温を測定すると、その低体温ぶりには驚かされる。もっとも体温計自体の問題もある。サーモグラフィーによる非接触型や、脇の下や口中で測定する接触型でも15~25秒で結果が表示される予測値で実測値をみない体温計の信用性は乏しい。いずれ体温を上げると身体の免疫力(?)が上がって身体能力がアップし病気・障害に対する抵抗力が上がるのは間違いなく、我々はコロナ感染予防のためにも体温を上げる工夫と努力が必要である。

●実測体温計をくわえて湯に浸かる

 温泉に比較して水道水を使う自宅の風呂では浴槽に浸かってじっくり時間をかけないと、なかなか体温は上がってこない。我が家の風呂温度は43度。通常は41度前後の家庭が多いので、慣れないと43度は結構熱いと感じるだろう。43度の湯に浸かり実測体温計を口にくわえて体温を測る。2度上昇するのに約7~8分、42度で約10分、41度では15分かかる。もっと短時間に体温を上げたいなら炭酸入りの入浴剤を使う。いずれにせよ体温上昇効果は温泉浴に敵わない。入浴や温泉などに浸かってHSPを上昇させる、高価なサプリや薬を使わなくとも、身近なところに比較的安価な方法で適う健康法があるのだ。その健康法を自ら実践するため、“今日は温泉に行くか、じっくり自宅の風呂に浸かるのか”、夕食時からあれかこれかと悩む毎日なのである。

●参考図書・Web-URL

1)伊藤要子著「加温健康法」(法研2013)

2)斉藤真嗣著「体温を上げると健康になる」サンマーク出版(2009/6)

3)和温療法:http://www.waon-therapy.com/message.html

4)アエラ2020年11月23日号

(由利本荘医師会報2021年1月『新春随想』掲載)

2020年12月12日土曜日

[IS-REC/ISSUES]リハビリ科入院からみた栄養障害と胃瘻造設~

※これまで由利本荘医師会報・秋田県医師会報に掲載した記事を順次投稿します。 由利本荘医師会報O558(2020年12月号)

●リハビリ高齢者の多くはフレイル状態

“毎日体重当たり1gのタンパク質、野菜料理と主菜の3食、


汗をかく運動週2回以上”・・、フレイル予防に必要な食事や運動について新聞・雑誌などでさまざま情報提供され、ある程度健康意識があればどこかで必ず見たり聴いたりしていることだろう。100歳以上高齢者が全国で8万人を超え、秋田県でも748人。少子高齢化が進み高齢化率は秋田県で38%。経済力に大きく左右される生活と健康は高齢者に限らず社会の二極化が進み、健康で自立生活を送る“元気高齢者”は普段から自分の健康に関心を持って食と運動に心がける。したがってフレイルや入院を必要とするリハビリにも縁遠い存在だ。一方、メディア・リテラシーは経済的余裕のない生活では当然。“フレイル”という言葉を知っている国民は4割に過ぎない。何らかの障害を抱え自立生活が困難となり入院するリハビリ科患者さんはその多くが入院以前からフレイルを通り越した要介護状態である。80-90/50-60の家族構成で同居する娘・息子に離婚者の多いことにも驚かされる。入院時に身体や栄養でフレイル状態から脱しておらず、“リハビリ栄養”として訓練開始に並行して栄養管理が必要となる。“燃料なくして車は走れない”。

●経口摂取・嚥下障害

国民生活白書2019年の死因統計をみると、“肺炎”・“誤嚥性肺炎”が合わせて死亡原因の10%、それぞれ、5、6位を占める。第1~4位を占める疾患でも実際には相当多くが肺炎・誤嚥性肺炎を合併した死亡であり、高齢者死亡原因の多くは(誤嚥性)肺炎と考えられる。“オーラルフレイル”という言葉があり、適切な栄養を摂り続けるために歯の状態や嚥下機能を維持することがフレイル予防上重要とされる。リハビリ入院高齢者の多くは歯牙欠損や義歯不適合など、歯科的問題による経口摂取困難な問題を抱えている。そういった場合に歯科医から往診を快諾していただけるのは有り難い。背景の加齢や認知症、脳卒中などで、“口から食べられない”、“食べる、食べさせると、誤嚥を繰り返してしまう”ケースも多い。最近は急性期病院からの継続入院で嚥下障害が問題となる場合だけではなく、施設入所中に食事量が急激に減少したり、誤嚥による発熱を繰り返して嘱託医から紹介されるケースが増加している。2013年、入所者の85歳女性がおやつのドーナツを食べた後に窒息死、介護に当たっていた准看護師が業務上過失致死に問われることがあった。この8月、その上告審で無罪が確定、施設関係者は大いに安堵した。嚥下困難がある施設入所者には同様なリスクがついてまわる。だからこそ適切な医療的判断や対応がなくてはならない。

●“安易に胃瘻を作る?!”

内視鏡的に胃瘻を作るのは治療手技として確立している。日本で胃瘻造設(PEG)が行われ始めた頃、経口摂取が困難だととにかくPEGを行ってしまう施設が急増した。リハ科で行うPEGは機能回復治療の一環であり、栄養障害を治療しながら経口摂取再獲得を目指す。したがって胃瘻造設前後の嚥下評価と嚥下訓練は欠かせない。胃瘻について患者家族の立場や終末期医療を担う医療者側から様々な批判がなされ、過剰医療として現在は“安易に胃瘻を作る“ことはなくなった。

●胃瘻を作って良い場合、控える場合

未だに長期間の経鼻胃管挿入で薬剤や物理的身体抑制を行っている悲しいケースが多い。経鼻胃管や持続点滴時のトラブル予防のために抑制することは医療者の都合であり、患者には大いなる苦痛を与える。したがってGrengerなどの脳卒中教科書にはその長期化は厳に慎むべきと書かれている。栄養評価や嚥下評価の結果、経口で栄養維持が困難と考えたケースは速やかにPEGを検討する。家族や本人に、PEGは経口摂取を否定するものではなく造設後も口から食べられる食材やその形態を検討し、また嚥下機能回復を目指した訓練を行う旨を説明する。IM(80歳)さん、SK(84歳)さん、SA(87歳)さんなど、最近でも特に施設に戻られた患者さんでは胃瘻と経口摂取を併用して安全な施設ケアと本人・家族の満足度高い生活が可能となっている。他方、経口摂取が不十分でも代替栄養の併用を望まない家族もいる。最近ではYR(92歳)さんがその例で、食事摂取が減少しても最終的看取りは自宅でしたいとの申し出あり、胃瘻造設は行わず退院した。このような胃瘻など代替栄養を望まないケースでは施設入所継続は困難である。でも本人や家族にとってはとても望ましい選択肢である事に違いはない。


●胃瘻は終末期の医療と矛盾しない

残念ながら「人生会議」(ACP)で終末期医療に関する本人の明確な意志表示された例を未だみたことがない。“ピンピンコロリ”は望ましいが、多くは長い寝たきり・要介護状態で終末期を過ごす。体力低下に伴って食べるのも苦痛であり、食べた時のむせ込みはもっと苦しい。まして経鼻胃管の挿入を強いるのは医療者側の都合でしかない。未だに現場を良く知らずに、“胃瘻は終末期に不要”と言われる方が多い。しかし胃瘻は癌性疼痛を和らげる麻薬と同じ緩和医療であるのだ。

 2020/12(由利本荘医師会報『言いたい放題』に掲載)

※医師会報掲載の関連記事は以下の通りです。

2019年5月19日日曜日

[IS-REC/MyLIFELOG]■2019年05月19日(日)晴れ

週末土曜日18日、酒田・飛島へ

昨日18日土曜日は由利高原鉄道のバス旅行企画で酒田・飛島に行ってきた。当初の週間天気予報で曇りから雨を覚悟していた。しかし梅雨前の先週末、夏日に近い気温と好天気が続いてくれた。サングラスはじめ日焼け対策をしっかり行い、また熱中症予防の水分を十分バックパックに詰めて、早朝7時35分由利本荘からマイクロバスで酒田に向かった。午前9時酒田港から定期船“とびしま”に乗船。75分で飛島到着。好天で波も静かだった。飛島勝浦港から2名のジオガイドがついて島の南西側を約半周するウォーキングコースを行く。海岸線はすばらしく、ロウソクイワやマンモスイワなど、奇怪な巨岩の景色を楽しみながら岩場や砂浜(小さい貝殻が沢山混じっている)を歩いた。トビシマカンゾウはまだつぼみだが、スカシユリやオオバナノミミナグサやハマエンドウの群生を楽しんだ(組写真1)
組写真1:酒田・飛島旅行

今日は夕方ウォーキング

今朝は昨日の疲れもありゆっくり起床。今日も夏日で屋外は暑く、午前・午後とも自宅でここ1週間の新聞をいつものように切り抜きして整理した。夕方、涼しくなるのを待ってウォーキング。子吉川河川敷から105号線の本荘インターを通るコース。河川敷からみる鳥海山は今日も遠くに霞んで頂上までよく見えている。今日までの1カ月間も毎日歩数の平均は11638歩で何とか目標値をクリアしている。今日のウォーキングは距離8.57km、総歩数12638歩(組写真2)
組写真2:1カ月の毎日歩数と今日のウォーキング

今日の食事は魚尽くし

朝食は朝市で購入し自宅で干したホッケ焼き魚、昼は酒田港で買ったアンコウの味噌汁、夕方は朝市で購入したソイ煮つけ(組み写真3)
2019/05/19 今日の食事

2019年5月12日日曜日

[IS-REC/MyLIFELOG]■2019年05月12日(日)晴れ

5月11日[土]は終日病院業務で終える

昨日は土曜出勤と日勤業務で終日職場で仕事。午前中は画像検査依頼主体の外来。合間を縫って病棟業務。熱発者の診察と尿カテ交換など。午後はもっぱら今週あったVE、VF検査のデータ整理とレポート作成。月・水・金に退院予定の患者さんの書類作成。この日はリハ依頼で診察していない何人かの患者さんを診る予定だったが時間切れで夕方6時帰宅。

日曜の朝は快晴

今日は気持ち良い五月晴れとなった。
5/12[日]の朝・昼・夕食
早朝運動を行い(ラジオ体操・スクワットなど、そしてトレッドミル運動5.3km)、シャワー後に朝食(食事写真-上)。午前8時過ぎにボクシング帯同で西目高校に向かう。西目高校は本荘自宅から意外に近く、国道7号線を酒田方面に向かうが15分ほどで到着する。広大な敷地は金足農業高校に似ており、校門から松林が続き、校舎までグラウンドやプール、天文台、球技場、部活動室、農作業場やビニールハウスなどが点在する。目的のボクシング場は看板が薄汚れて近くにいた学生に尋ねてやっと見つけることが出来た。今日は試合なく、スパーリングのみで少し淋しいが、全県的にボクシング部所属の学生が減少しているので致し方ない。帯同業務は正午前に終了。(以上、西目高校関係写真)

西目高校・ボクシング帯同

八塩いこいの森「黄桜まつり」






日曜午後は東由利町・八塩いこいの森「黄桜祭り」へ

午後、“本州で一番遅い桜祭り”と謳った、東由利町・八塩の里「黄桜祭り」へ出かけた。自宅から県道107号線横手方面へ37kmで、車で約30分の距離である。途中、東由利町の道の駅で、この土地に有名な“フランス鴨肉”の入ったラーメンを食べた。肉は豚肉をずっと柔らかくした感じでなかなかおいしい(食事写真-
中)。107号線を右折して32号線に入り、10数分で到着。ピンク色と薄黄色のソメイヨシノが咲き誇り、その桜の下で今日は歌謡ショー、“黄桜マラソン”などが催され、この場所にしてはとても多い人出である。珍しい大型犬のピレネー犬をみかけてびっくり(以上、「八塩いこいの森」組み写真)

4月からの運動記録は?

しばらくブログを休んだが運動スケジュールは何とかこなしていた。
4月13~1カ月の毎日歩数記録(左)
4月1カ月のトレッドミル運動距離(右)
この1カ月間の平均歩数は11899歩、トレッドミルは4月の結果でみると、7日休んで,残る23日実行。総走行距離は154.37km(1日平均で154.37/30=5.14km)。(運動記録グラフ・上下)。体重は横這いで辛うじて60kgを超えずに経過している。そこで今日は朝の運動に加えて夕食後もトレッドミル運動4kmを行ってから鶴舞温泉へ直行した。

2019年4月22日月曜日

[IS-REC/MyLIFELOG]2019/04/21(日)晴

4/15[月]~4/21[日]の1週間を振り返る

組み写真1:運動記録と池田修三版画
●4/14[日]に応急診療所当番で週末休みに仕事が入ったせいか、この一週間は長く感じられた。早朝運動は月曜と土曜を除いて行い、今週の1日平均歩数は10985歩で目標を何とかクリア(組み写真1:左下)。今朝は体操など15分・トレッドミル49分で運動距離7.1km(組み写真1:左上)。なお、右の池田修三の版画「ゆこうよ1月」(部分のみ表示)は今週取得したもの。

●4/20[土]朝市へ



天気予報が多少はずれて週末4/19[金]から好天続きとなった。4/20[土]朝は早朝運動を休んで、久し振りにワイフに付いて朝市へ。
組み写真2:4/20[土]朝市
海も荒れていないせいか、並んだ魚や蟹などこの日の魚屋さんの出物はいつも以上に多かった(組み写真2)。帰路、鳥海山が南西側にくっきり顔を出していた(写真2:右下)

●4/20[土]午後、県医師会主催セミナー『高齢者トータルケア』を拝聴

土曜午後から秋田県総合保健センターで表記セミナーあり、参加。久し振りに隣接する旧脳研(現、循環器・脳脊髄センター)を近くに眺めながら会場に入る。県内の各分野エキスパートの先生からの講演と長寿医療センター理事長の荒井秀典先生が講演した。前半では県内高齢者医療の抱える実態とその診療上の問題が提示され、明快な解決策を提示するのが困難な状況を70余名の参加者で共有。荒井先生の講演で問題点整理と今後の方向性を確認。講演会はそれなり有意義に感じて帰途についた(組み写真3)
組み写真3:県医師会のセミナー参加

●土曜午後に秋田の孫たちがやってきた!

パパの車で4人の孫たちが本荘までやってきた。
組み写真4:4人の孫たち
講演会から帰った遅くにも2階の寝室で騒いでいる。夕方に鶴舞温泉に行き、夕食後に散々騒いでから床に付いたそうだが私が家に戻った午後9時過ぎにもさっぱり眠る気配はない。それでも翌朝はみな早起き。私が早朝運動する時間帯に遊びと朝食を済ませ、一休みしてから矢島までパパがドライブに連れ出し、昼食までに本荘に戻って皆で昼食、午後には秋田に帰っていった。4人みんなが元気にすくすく育っており一安心。(組み写真4)

●今週の臨床

今週新規入院はなかったが、17日[水]にSE(96歳女)さんの嚥下造影(VF)を実施した。SE(96歳女)さんは特養入所中だが徐々に食事の介助量が多くなり、家族の希望でかかりつけ医から紹介のあったケース。年齢的に食べられなければ自然経過に任せた対応と考えていた。しかし軽度の心不全と難聴によるコミュニケーション困難以外はしっかりした方で、入院直後の嚥下内視鏡では食塊の送り込みやクリアランスに遅れをみるものの誤嚥はほとんどなく、座位安定のリハビリと心不全治療を行いながら経過をみていた。幸い、嚥下治療食の摂取量や摂取時間に改善がみられたため、VF実施となった。その所見では、トロミなしの自由飲水で少量の喉頭侵入あり、また粘りが強い蒸しパンで呑み込み困難なほかは“経口摂取継続”で栄養維持可能と判断した(組み写真5)
組み写真5:SE(96歳女)さんの嚥下造影(VF)所見

●今週の食事

4/16[火]は朝市から購入のヒラメ刺身を朝、鯛煮つけを夕にいただく。昼の病院検食ではひじきがおいしかった(組み写真6)。4/17[水]・4/18[木]はカレイやメバルを一夜干しで焼いていただいた。金曜日夜は互助会の新人歓迎会と花見がホテルアイリスにてあり、同席のスタッフと大いに会話とお酒、ごちそうを楽しんだ。
組み写真6:4/16[火]の食事

2019年4月14日日曜日

[IS-REC/MyLIFELOG]2019/04/14(日)晴

4/8~4/12 主な診療を振り返って

先週、4/8月曜日に由利組合総合病院消化器内科に転院していたSS(72歳男)さんが戻ってきた。右頭頂葉皮質下出血・左片麻痺でリハビリ依頼があり同院脳外科から紹介されたケースだが、急性膵炎に後腹膜膿瘍を合併したための一時転院であった。炎症は落ち着いたが、この間の治療のため相当廃用が進んでしまった。
組写真1:左延髄外側から中脳病変による嚥下障害
水曜日、R先生からKS(70歳女)さんの嚥下機能評価含むリハビリ依頼があった。KSさんは糖尿病性ニューロパチーによる運動障害で以前に当科で訓練履歴があった。今回は本年2月14日に急に唾液嚥下が困難となり、前医脳外科で精査の結果、左延髄外側症候群発症によると判明した(組写真1)。幸い唾液嚥下は少しずつ改善傾向にあり、当院紹介となった。経鼻胃管が挿入されて転院してきたが、それが災いしたのか転院まもなく肺炎を併発し経鼻胃管抜去、静脈栄養となった。嚥下障害以外の運動障害は深部感覚低下と異常感覚の影響を認めるが以前の評価と比べて大きな低下はない。肺炎の回復を待って嚥下評価予定とした。
12日金曜日、S先生からKC(77歳女)さんのリハビリ依頼あり。KCさんは胸椎レベルの黄色靱帯骨化症があり、本年1月転倒後から歩行が徐々に困難となった。秋大整形外科で手術を受け、当院に紹介となった。両下肢の痙性麻痺と深部感覚障害あって起立以上の動作が困難だった。

4/13、14の早朝トレッドミル

4/11[木]が病院当直のため、12日金曜日は運動なく体調も今一歩の状態であった。
組グラフ:4/13[土]・4/14[日]の運動記録
4/13[土]の早朝運動はそのため、少し“力(リキ)”を入れて久し振りに、トレッドミル運動は時間63分、距離9kmとなった(組グラフ-上段)。今日4/14[日]は運動時間50分・距離7km(組グラフ-下段)。

本荘由利広域市町村圏組合立・休日応急診療所

本年4月から表記・休日応急診療所(組写真2)の担当医となった。当番制で年4~5回廻ってくる。小児が多いのだろうと思って小児診療の薬用量など書かれたハンドブックを少しだけ勉強して出向いたが、使える薬は限られていた。午前10時から午後4時までの勤務。患者さんは大人4、子供5の9名。うち、インフルエンザ疑い4名。一人は迅速キットで陽性、ゾフルーザ投与。一人は家族がすべてA型で発症し本人も高熱あるのでインフル間違いなかったが、発症間もないためか迅速キットでは陰性。このほか、感染性胃腸炎疑いで家族二人の患者さんを救急病院紹介。そのほかは、いわゆる風邪症状だった。昼食は診療所隣のスーパーの立派なお弁当だった。
組写真2:休日応急診療所

夕方、桜開花の偵察かねて屋外ウォーキング

本荘公園の桜祭りが始まっている。夕方に、桜開花の状況を見に、夕方ウォーキングに出た。いつも利用している鶴舞温泉裏側の道路から本荘公園に抜ける。結構の人出で、桜祭りに合わせ様々出店も並ぶが、肝心なここ本荘公園の桜はまだ“つぼみ”状態だった。本荘公園を降りて尾崎小学校~桜小路、カダーレ(市図書館やイベントホールが入っている)方面へ向かう。カダーレ周辺の桜は日当りが良いせいか五分咲き程度に開いていた。駅前の踏み切りを渡り、105号線を通って戻ったが、ウォーキングの時間50分、距離4.45kmだった(組写真3)
組写真3:夕方ウォーキングと桜開花状況

今日の食事

朝は蒸し野菜・目玉焼き・納豆、煮リンゴ入りヨーグルトと玄米御飯(組写真4-左)。昼は診療所でスーパー“タカヤナギ”の弁当(焼き魚サバ・豚肉・野菜てんぷら、ほか。組写真4-中央)。夜は豚肉と大豆のトマトスープ、豆腐・アボガド・煮リンゴ入りヨーグルト(写真4-右)。
組写真4:今日の食事、左から朝・昼・夕食

2019年4月7日日曜日

[IS-REC/MyLIFELOG]■2019年04月07日(日)

晴のち曇り一時雨の天候
●早朝運動後、秋田へ


今朝早朝は陽射しが見え隠れしていたものの、午前10時過ぎ頃から小雨模様となった。少し遅めに起床し、いつもの体操と運動プログラムを済ます。トレッドミルのジョッギングモード途中で胸部心拍センサーの接続が不良となる。センサーも寿命があるらしい(グラフ記録の乱れあり)。遅い朝食を済ませた10時半過ぎ、久し振りにプリウスを運転して秋田に向かった。空港前の高速入り口で、ETCカードが認識せずびっくり。なんとカードがこの1月に期限切れとなっていた。出口の秋田中央インターで新しいカードと料金カードを示して事なきを得る。
長女“ほなチャン“と三男“いぶチャン”

●孫と遊ぶ

お昼に近く、次女宅に立ち寄り、孫たちと遊ぶ。4人兄弟のうち、3番目長女の、“ほなチャン”と末の三男、“いぶチャン”がはしゃいで走り回り、盛んにポーズして写真をせがむ。何枚かパチリ・パチリとiPhoneのカメラに納める(写真)。

●秋田駅アルヴェ2階ルミエールで映画を楽しむ

正午過ぎから久し振りに秋田駅アルヴェ2階のルミエール秋田で映画を楽しんだ。

みた映画は『天才作家の妻-40年目の真実』(写真)。アカデミー賞受賞のグレン・クローズが妻役で主演、ジョナサン・プライスが“天才作家”である夫の役。二人の結婚まもない頃とノーベル文学賞受賞でストックホルムに赴いた時の時間描写を交互に織りまぜ、夫婦相互の来し方を振り返り、そしてその時々に様々起こる成り行きで葛藤する二人の心理描写が巧みだった。またノーベル賞受賞式前後の圧倒的臨場感をしっかり味わうことも出来た。そして意外な結末も最後の見物であった。

●今日の食事は?

朝昼を兼ねる朝食は、いつもの蒸し野菜・玉子焼き・メカブ、黒大豆入り玄米御飯と油揚と大根の味噌汁(組写真・上)。夕食は鰺のマリネ、スズキ焼き魚、納豆、等(組写真・下)

2019年4月6日土曜日

[IS-REC/MyLIFELOG]■2019年04月06日(土)

久し振りの土曜休日で晴れだが風強し

久し振りの土曜休日で朝に陽射しもみる天気で、朝から少しわくわくしていたが、どうにも風が強い。早朝散歩は断念して今朝も自宅でのトレーニングとなった。
2019/04/06早朝トレッドミル記録
ラジオ体操第1、第2・4種の腰回り運動・1分スクワット2クールのメニュー後、トレッドミルランニングとなる。ウオーミングアップ後の運動速度は11km/h→9km/h→7.5km/h、でジョッギングから早足モードで合計58分・運動総距離8.0kmとなる(グラフ)
汗を流し、朝食をとった後は終日の読書モードに入る。

高橋洋一著『日本の「老後」の正体』を一気に読む

幻冬舎新書の表記本は新聞広告で目を引かれ購入。内容は多少意外だったが、とても衝撃的でもあった(表紙写真)

“不況下の消費税増税とんでもない”

経済不況実態を端的に示す指標として失業率と自殺率がわかりやすい。1990年バブル崩壊後の日本ではこの失業率と自殺率が急増している。その原因として“誤った日銀の舵取り”が再三強調される。この時期必要だったのはマネーストックを増やす日銀のマネタリーベースの量的緩和だったと。そして安倍内閣となって金融政策が大転換し、日銀は黒田・岩田体制となる。そしてこの新体制のもと、大胆な金融緩和政策が実行された。その金融政策は“正しく”、景気が本格的上昇ルートに乗った。この政策的正当性を強調するため様々なデータをグラフ化して示し、確かに説得力を感じる。では日銀現体制後の2%インフレ目標がいまだに実現せずデフレ基調が続くのはどうしてなのか?著者は日銀インフレターゲットの金融政策を称賛する一方で、国と財務省官吏の進める財政政策に大きな誤りがあるとする。それはこれまで行われ、そして今年10月にも行われようとしている“消費税増税”政策。消費税増税は絶対避けるべきだと強調する。

書は問答形式で高校生に日本の経済政策、年金、老後問題を説明する体裁をとっており非常に分かりやすい。しかしその主張に格差社会を生む背景となっている労働者雇用での非正規化問題などを敢えて避けた印象があり、自分自身の思いと何か違いを感じてしまったところだ。

朝夕食事は朝市購入“刺身ざんまい”、昼は外食

今朝も朝市からワイフが購入したタイとメバルの刺身(カルパッチョ)がメインディッシュとなった。昼食は近くの中華レストラン「黄閣楼」で麻婆豆腐とギョウザ(組写真)





2019年3月31日日曜日

[IS-REC/MyLIFELOG]■2019年03月31日(日)曇り

早朝トレッドミル実施と残務で出勤

グラフ:3/31のトレッドミル記録
この所、学会参加やその後の所要で時間に余裕がなかった。
そのため朝の運動もお預けとなり、今日久し振りで早朝運動が実行できた。朝のラジオ体操第一・第二、腰回り運動4種、スクワット2クールを済ませて、トレッドミルに乗っかる。ウォーミングアップからジョギング、早足モードが運動時間58分、平均速度8.5km/hr.、運動距離8.1km、平均HR116bpm、消費カロリー384kcal(グラフ)となった。
朝の運動後、職場での残務を片づけに出勤。この2週間ほどの間に退院された患者さんの退院抄録を4通ほど仕上げ、紹介元へ送る用意を済ませた。

3月の運動記録は?
3月は朝の運動が出来ない日も多かった。
組グラフ:2019年3月の運動距離と歩数
幸い学会参加中、学会場への往き帰りに良く歩いたこともあってその運動(歩行)距離と歩数をみると、まずまずの結果(組グラフ)。1日平均運動距離7.6km(左グラフ)、1日平均歩数10929歩となった。

3月31日[日]の朝・夕食

今朝の朝食はいつもの定番で、蒸し野菜・こんにゃくと椎茸煮もの、イクラ、黒大豆入り玄米御飯、大根と油揚・海苔の味噌汁。夕食は干しガレイと残り物の豚カツ・味噌汁。
2019/03/31の朝食と夕食

2019年3月30日土曜日

[IS-REC/MyLIFELOG]■2019年03月30日(土)晴れ

夫婦で午前中大いにウォーキング

組み写真1:2019/03/30の散歩コース
30日土曜日午前中は、寒さがぶり返した週前半に代わって、青空と陽射しまぶしい久し振りの好天気となった。朝食後一休みしてから、夫婦でこの日和を逃すまいと早速ウォーキングに出かける
家を出て本荘高校・タカヤナギ方面へ南下、本荘大堤から市民ウォーキングコースに入って水林球場に抜けた。今の時期、本荘大堤にはカモ一羽もみられない。水林球場・市民運動公園から国道7号線を渡り、菖蒲公園に至る。ここで一休みしたあと、本荘郵便局から由利橋に続く大通りに出て、遊泳館から本荘公園、自宅へと戻るコースとなった。途中休憩入れながらのゆっくりした散歩で所要時間は約2時間。この間の距離7.2kmとなった(組み写真1)

 27[水]~29[金]は超多忙

組み写真2:SSさん(左視床出血)
先週、横浜での学会出席で週日の大半を休み、26日火曜のリハセン出張後の27[水]~29[金]は超多忙。27日[水]には左視床出血例で陳旧性左小脳出血後遺症もあった、SS(71歳男)さんが入院

その急性期CT(組み写真2)をみると、脳幹に一部かかる左視床全体を占める血腫。このため当院入院時は不全痙性四肢麻痺で構音嚥下障害あり。血腫が大きいのは高血圧と非弁膜性心房細動ありDOACが使われていた影響と思われた。29日に早速、胃瘻造設(PEG)を行った。少しでも本人のQOLを上げ,介助量を軽減するプランを進めてゆく予定とした。
組み写真3:SMさん(左LSA域のBAD)
他方、K先生が主治医でリハビリ依頼のあったSM(78歳女)さんは左LSA域のBADと考えられたケース。確かに前医入院中に右片麻痺症状は進行して特に手の機能障害は強いが、発症2カ月目で症状は良く回復してきている。高齢だが一人暮らしで認知症のないのも幸いしているようだ。前医のMRIをみると左内包後脚にかかる被殻病変が縦長にみられ、LSAの描出は確かに左側で悪い(組み写真3)。座位から起立・移乗が可能で右手の利き手としての使用は困難だが日常生活活動は十分自立すると診断した。

今日30日の朝・夕食

朝は今日の朝市で仕入れたヒラメ刺身のカルパッチョ、夕食は例のバッター液で衣をかぶせた“八幡平ポーク”のカツと甘エビ
組み写真4:2019/03/30の朝食と夕食

2019年3月24日日曜日

[IS-REC/MyLIFELOG]■2019年03月24日(日)

STROKE2019に参加(組み写真1)

2019/03/20秋田を出発し、3/24[日]までの4泊5日の日程でパシフィコ横浜で開催された“STROKE2019(第44回日本脳卒中学会)”に参加した。
写真1:STROKE2019(横浜)
この間、秋田県を含む東北日本海側は寒気団に覆われて予期せぬ雪景色が再来していた。学会中の横浜は学会前半は好天に恵まれ気温も20度近くまで上昇した。開催初日の21日朝から終日30分刻みで一連の“教育講演”を聴講した。教育講演のない時間帯は理事長講演・2題の会長講演を拝聴し、また脳卒中リハビリ関連のポスターを見たり、機器展示を廻ったりで開催中の3日間は終日学会場で過ごす結果となった。今回も脳卒中の診断と治療を中心に様々新鮮な情報で知識のリフレッシュが出来た。特に脳循環の機能画像を中心に眼を見張る画像診断進歩があった。O15-PETはアイソトープ供給の自動化等により急性期でも酸素代謝や酸素摂取率画像を描出できるようになった。30数年前の秋田脳研時代の同僚である飯田さん(飯田秀博先生、現在フィンランドで教授職を勤めるという)が講演した。彼とは直接話をする時間がとれず残念だったがすぐにFacebookを介して連絡を寄越してくれた。東芝メディカルは社名を変えて「キャノン・メディカル」となったが、同社が提供する画像ワークステーション“Vitrea”は脳CT画像から短時間に脳循環時間、脳血液量・酸素接種率を算出可能で、脳卒中急性期の閉塞血管再開通適応決定に有用な情報を治療のゴールデンタイム内に提供出来るようだ。

旧友との再会

全員懇親会で佐藤周三先生と
若いころ高次脳機能障害を勉強して様々情報交換していた、中野光子先生に10数年ぶりに再会した。高齢になられ、さまざま大病で手術を受けられたそうだが、今もお元気で仕事は現役。昨年は首都大学東京からライフワークとしていたミラー・ライティングのお仕事で学位をお取りになったというから驚きだ。学会二日目に会員懇親会があり参加した。これまた昔、脳外科医になりたてで脳循環の実験などをしていたときの旧友、当時慶応大学にいらした佐藤周三先生とやはり30数年ぶりに再会、当時の思い出や近況を話し大いに盛り上がった。

最終日翌日の小観光

22・23日と小雨まじりの悪天候だったが、秋田に戻る24日は再び好天となった。
朝昼兼用の食事をホテルに近い中華街レストラン、“盛香園”で済ました。ここは安価ながら内容充実した中華料理の数々をおいしくいただくことができた(組み写真2)
その後、「港の見える丘公園」へ徒歩で向かい、大いに春を感じてきた(組み写真3)。また公園内の神奈川近代文学館では特別展、“巨星・松本清張展”(写真)が開催されており観覧してきた。

組み写真2:「港の見える丘公園と神奈川近代文学館」


帰途は岩手県内強風のため秋田新幹線こまちに遅れが生じて由利本荘に着いたのは午後10時すぎ。秋田県内に入ってから由利本荘でも思わぬ雪景色で、南北縦長である日本の四季の違いを実感させられた。

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