2012年11月14日水曜日

[Med-REHA]わが回想に生きるひとびと~SSさん逝く

        15年来の付き合いだったSSさんが脳卒中再発後の誤嚥性肺炎・呼吸不全で亡くなられた。享年81歳。

      私と最初の出会いは、彼が64歳で右被殻出血を発症した時に遡る。

     彼は急性期治療を含め、その後のリハビリまで私の受け持ちとなった。いわゆる土建屋さんで医者嫌い、それまでろくに健診なども受けず、酒たばこは欠かせない生活を送っていた。

     日常のわがままをそのまま病棟生活に持ち込んだものだから、看護師や訓練士とトラブル続き。見舞いに訪れる奥さんもスタッフにはなはだ恐縮していた。それでも昔気質ゆえか、医者の私には絶対的に従ってくれた。

      耐糖能障害、虚血性心疾患、高血圧と生活習慣病の揃い踏み。その治療と生活指導、杖と装具使用での身辺処理自立で自宅退院した。

      しかしその後も、糖尿病性網膜症で光凝固治療、狭心痛発作、腰部椎間板ヘルニア手術など、続発症オンパレードでその都度の対応に私自身も大いに勉強させられた。

   発症から3年後、最愛の妻を膵臓ガンで失い、特養に入所。仕事を止め、子供もない孤独な生活。この大きく急激な状況変化で負けん気の彼もうつ状態となってしまった。だがその苦難も何とか乗り切った。飲酒・喫煙は私の説得でも止められなかったが、その量は少量たしなむ程度となり、入所先での生活にも徐々にとけ込んでいった。

   月一度の外来通院とその際のリハビリを楽しみにしていた。当初多量に使わざるを得なかった降圧剤や経口糖尿病薬も減量、スタッフへのわがままな言動、うつがひどかった時の「死にたい!!」の言葉も徐々になくなり、受診時に面倒みる施設職員や病院スタッフへの言葉掛けも好好爺そのものとなった。

   今年10月最後となった受診で血圧はそれまでになく低め、降圧剤を更に減量して帰した。その数日後、出勤してまもなく施設から電話あり、言葉が聞き取れなくなっているという。血圧はやはり低め。脳卒中再発としてすぐに救急病院受診を促した。

   その後の経過が気になっていたが連絡なし。11月初旬、香川の学会から戻った13日、施設からA4封筒に入った包みが届いた。前医とそのスタッフからの紹介状が同封され、急性期病院からは11月1日退院したという。その後、施設の食事で流涎とむせ込みがひどかったらしい。微熱が続き、嘱託医から抗生剤点滴の指示も出たが、結局11月10日呼吸困難となり、永眠したという。

   経過を知って別な対処もあったように思われ残念であった。しかしあまり苦しむことなく逝ってくれたとすれば、これも彼の本望だったかもしれない。

   今頃、あの世で妻と久しぶりに再会しているかも知れない。彼の嬉しそうな顔が浮かんでくる。合掌。



2012年11月6日火曜日

[Med-REHA] 脳卒中地域医療連携:秋田県南広域医療ネットワーク ・・・学会で意見交換を予定

    きたるべき少子高齢化社会の中で、地域住民が安全・安心な生活を送られるための基盤整備が急がれている。医療介護福祉分野では自治体レベルでその基本計画が策定され年度毎にその再検討を行っている。

    秋田県の脳卒中医療について、その現状と今後の方向性について議論する機会が与えられ現状を俯瞰するが、なかなか具体的解決の道筋は見えてこない。社会的共通資本(宇沢弘文)として医療や介護、福祉の現状を眺めると、その提供体制はいびつであり、施設面でショートステイなどが増加する一方、医療面での人的ソースの不足と偏在が過疎の進んだ東北地方で深刻な医療崩壊を招いている。無論、脳卒中医療についてもその例外ではない。

    私は県南地域に位置する中核的リハビリ施設にあって、ここ数年間、脳卒中地域医療連携協議会を立ち上げ、行政とも協力しながら問題に取り組んできた。

第51回自治体病院学会(香川)で報告

    全体レイアウト秋田県県南地域は県総面積の半分に当たり、大仙・仙北、横手・平鹿、湯沢・雄勝地区の3つの医療圏を持つ。この広域圏で脳卒中医療を担う回復期リハ病棟は、実質、当リハ施設のみである。この実情から発足した「秋田道沿線地域医療連携協議会」、行政に協力する形で発足した我々の施設も属する二次医療圏対象の「大仙・仙北地域医療連携協議会」、この二つ連携活動から見えてきた連携医療の現状や課題、自分の考える今後の展望をポスター形式で発表してくる。学会の性格から他の都道府県自治体病院の現状と照らした、我々の立ち位置確認や国レベルへの要望など、意見交換に留まらず、得るところは大きいと期待している。



2012年11月1日木曜日

[IS-REC]私の10月運動総量はさんざんだったが・・

 

    この10月、私の運動総量は期待値(週40km走歩行)を大きく下回ってしまった。この確認は万歩計オムロンWalking StyleからPCに出力された月間運動グラフで行っているので一目瞭然だ。健康オタクで食いしん坊である私の健康維持プラン実践はいつもなかなか厳しいのが現実。
    さて、身体維持に必要な利用可能エネルギー(Energy Availability)は総摂取エネルギーから運動消費エネルギーを引いたものこの利用可能エネルギーが除脂肪体重(LBM)1Kg当たり30kcalを下回ると代謝やホルモン機能に影響して運動能力、成長、健康に影響するという。

    筋量や体力を維持する身体メンテナンスには、運動が必須であり、オーバートレーニングにならない範囲で一定の運動を継続し、それに見合うカロリー摂取を考えてゆく、これが運動と栄養の基本原則だ。

    一方、長生きや健康維持に、少食、腹7分目~8分目が実証的に良いとされる。勿論これは壮年期や老年期を想定した食のあり方を言ったものだろう。自分は低糖質メニューをここ数年実践し、運動はフィットネスクラブでの速歩やジョギングを週合計距離40kmを目標として実践している。歩数や延べ走行距離を件(くだん)のグラフに見える化して確認すると運動を継続する意欲が涌いてくる。

    しかし現職で運動する時間はもっぱら夜間となる現実、ルーチンの仕事と期限付きの仕事が重なると心身共にクタクタとなってついつい自分を甘やかしてしまう11月こそがんばろう!! (まあ疲れている時は無理せず休むのも良いかもねえ・・)

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