■私の実用的ライフログの仕組みを支えるツール、イメージスキャナとiPHONE、そして Evernote

   現在、私の仕事場では3台のSCANSNAP、1台のA3フラッドヘッドスキャナーが活躍している。後者は、ブラザー複合機JUSTIO、MFC-6490CNである。印刷機能やファックス送受信と合わせ、このスキャナー機能が特にサイズの大きい新聞記事などの読み込みにとても役立っている。SCANSNAPの1台は秘書さんに預け、目を通して後日使う可能性のある記事や文献をまとめて読み込んでもらう。また回覧される書類、会議資料で書き込みしたものもやはり一括してPDF化し、院内共有ストック用サーバーに保管してもらう。あとでまとめて自分のPCに取り込み作業を行い、終了次第共有サーバーから削除する。 残る2台のSCANSNAPは、Windows用とMac用である。

   PDF化して保存したファイルは以前よりWindowsソフトであるNuanceのPaperPort(現在はPro 11を使用)でそのサムネイルをみながら、開いて閲覧したり、いくつかの属性で分類しサブォルダにおさめたりしている。ファイルの検索は、思い当たるサブフォルダに移動して直にふられたファイル名ないしはサムネイルで探すことが多い。しかしそれで間に合わない時は、Googleデスクトップ検索にかけると、いとも簡単に発見できてしまう。なるべく自然な形で必要なファイルを探すには、この画像データベースのサムネイルとファイル名をながめ、あれこれ想いをめぐらしながら作業するのが私にとってもっとも好ましい。最近、このサブフォルダも年度と月を会わせた名称で、1と月単位の時系列フォルダを作成するようにした。ファイルを読み込んだり使用したりした時期に合わせて時系列にフォルダ保存してゆく方式としたのだ。
   さて、最近年齢と共に記憶力が低下してきたこともあり、自分の記憶補助手段として、日常遭遇している事柄を出来るだけデジタル保存する、いわゆる〝ライフログ〟に大いに関心を抱くようになり、その実践を試みている。この〝ライフログ〟については、ハヤカワ新書、ゴードン・ベル&ジム・ゲメル著、『ライフログのすすめ、人生の「すべて」をデジタルに記録する』や、小山龍介著『クラウドHACKS!』(東洋経済新報社)が参考となった。特に前者、『ライフログのすすめ』はサイエンスフィクションのようでゾクゾクする程面白い。私がライフログ記録を実用化する過程でこれらの書籍などを通して知った、クラウドデータベースの〝Evernote〟がそのコアとなったことは言うまでもない。PaperPort Pro11に保存された過去から現在に至るデータはすでに膨大となった。このスタンドアロン画像データベースは今後とも使うつもりでいるが、データのうちどこでも参照したいものは、〝Evernote〟に少しずつ転送、ないしは共有する形とした。これで現在、特に不都合は見当たらない。〝Evernote〟は現在も進化を遂げている。このお陰で、その検索能力を駆使できるまさにデジタル記憶補助装置として利用可能だ。趣味から実用の域に達する〝ライフログ〟システムの構築が可能となったのだ。
  このしくみを支えるハードウエアをまとめると、SCANSNAPをはじめとする〝イメージスキャナ〟たちは欠かせない存在である。加えて自由度の高いファイル形式で、どこからでも〝Evernote〟へ情報入力や閲覧が可能なiPHONEも必須のアクセス手段となる。ソフトウエアは、〝Evernote〟そして〝PaperPort Pro11〟である。
2台のScanSnap. iPHONE, PC
   この私の〝ライフログ〟にはまた、自炊された読書済み書籍・雑誌も加わっている。これらの自炊本・書籍は全文検索可能な透明テキスト付きPDFに変換して利用する。この際、OCR性能の卓越した〝読んdeココ〟(AIソフト・エプソン販売)が今のところベストチョイスである。特にこのソフトの自動化機能を使うとスキャナ読み込みからファイル作成・保存まで自動的に行えるので時間は必要だが手間はあまりかからない。世の中はホントニ便利になったものだ。(2011/01/14記)




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