2024年4月3日水曜日

IS-REC/ISSUES]楽園『悩める中高年に贈る 養生のヒント82』

 秋田県の無料広報雑誌「楽園」(平成22年~)は、中高年向けの健康記事を掲載しています。冊子は、 県内(銀行、図書館、宿泊施設、協力医療施設)および県外のアンテナショ ツプに設置されています。本稿はその82号(令和6年4月1日号)に掲載されたものです

ロコモ・フレイルを予防し 健康を維持する工夫


○ヒトはだんだん不精になる!

歳をとると程度の差はあれ自分からすること、新しく始めることが億劫になります。自ら計画して行動する段になると事は思うように運ばず無為に時間を過ごしがちとなります。以前からの習慣を別として、新しく始めることがからきしダメなのです。健康のために運動を含めた良い習慣を始めようと思っても、“まあ、まだ今日はいいか・・”という悪魔のささやきが、行く手を邪魔します。受動的でさほど努力なしでできる事を除いて、新しい習慣を獲得するまでこの億劫な気持ちがすべてを支配します。加齢により身体能力や集中力が落ちることも影響しています。しかし行動開始以前に、考えることすら億劫になれば、これは認知症の一歩手前か立派な認知症です。

○ロコモ・フレイル“を防ぐ今すぐできること

日常生活の中ですぐにできることもあります。建物内移動に階段を使う、屋外歩行は早足歩きをする、などはすでに皆さんも実践しているでしょう。少しハードルが高くなる健康習慣についてはどうでしょうか?

○“行動不精・運動不精”に陥りやすい課題の習慣化

食習慣については暴飲暴食を避け、飲酒・喫煙を節制する、運動習慣については一日8000歩以上のウォーキングや有酸素運動、筋肉トレーニング、ストレッチなど柔軟体操を行う、こういった課題を習慣化するには一工夫が必要です。市や町で主催する講座や企画に参加したり、ご近所誘い合ったウォーキングやスポーツ、ゲームがあればこれは継続できる良いきっかけになります。お金をかけてスポーツクラブやリハビリ教室に通えば、運動継続の力になるでしょう。しかし仲間を集ったり行事に参加するのが苦手、運動機会にお金をかけたりするのが困難な場合も多いでしょう。でも大丈夫です。心がけやかけ声だけではロコモ・フレイル・認知症を予防できませんが、一人で始める工夫はいくらでもあります。

○ロコモ・フレイル予防を一人でも始める工夫

毎日決まった時間に体重計にのったり、血圧を図ったりして記録しましょう。生活習慣病で通院中の皆さんは病院でも勧められますね。毎日測定して自分の健康状態に関心が及ぶとそれが次の行動につながります。“食べ過ぎや塩分取りすぎに注意”、“体重を落とす運動を続けよう”そういった食事や運動に対する動機付けができればチャンスです。息が弾む程度の運動(3メッツ以上の運動)を1時間も続ければ確実に1kg以上の減量が可能なことを実感してください。体重計とにらめっこしながらする運動が楽しくなります。ラジオやミュージック・プレイヤーで番組や音楽を楽しむ、あるいは“聴く読書”しながらのウォーキングは多くの人がすでに実践しています。“ながら運動”は認知症の予防にも有効で、ウォーキングに出かける大きな動機付けにもなります。スマホヤスマートウオッチを持たれる方も多くなりました。ご存じのようにこういった機器には、運動機能を即座に表示したりGPS機能を使って現在地表示や歩行距離を表示する機能があり、また一定時間以上の安静が続くと運動を促す機能もあります。上手に利用すれば運動を楽しみながら行う動機付けツールとなるでしょう。




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