2013年5月27日月曜日

[IS-REC] 和賀三山・羽山に登る


このところ週末含め天候不順だった東北地方も5月26日久し振りに好天に恵まれた。午前6時、秋田を出発。国道13号から横手で107号に折れ、山内・道の駅で小休憩。続く錦秋湖付近ではこの日“錦秋湖マラソン”で午前8時前に関わらず思わぬ人出あり、びっくり。幸いまだ交通渋滞なく、JR北上線・岩沢駅付近から登山口に向かう。去年、となりの和賀仙人岳に行ったが、その登山口に比べ羽山登山口はわかりにくい。標識を確認しながらやっと目印の鳥居ある登山口到着。鳥居を超えてまもなく湧水あり早速冷たい自然水を楽しむ。羽山は和賀三山の一つ。標高約600mで照葉樹林の里山。標高低いが最初からきつい登りで容易ではない。陽射しの当たる部分は気温高く、続く急傾斜で汗びっしょり。しかしブナや楓に覆われる登山道は空気まで緑に染まった感でまさに森林浴そのもの。

4月末に多かった残雪は既に消えて、イワウチワは既に終わっている。期待したシラネアオイはとうとう見つけられず。それでも頂上近く山つつじがそのピンク色を目立たせていた。枯れた木杭が鹿に似た自然の造型をなして眼を引く。第一、第二展望台からの展望はいずれも好天故の春がすみで今ひとつ。登山案内通り、登山口より75分で頂上到着。3角点が2箇所あるが頂上示す木の標識は朽ち果てている。頂上囲む立木の一本に“羽山”の名札有り、そこで記念の1枚。下山は駆け足気味であっと言う間に登山口に付いてしまった。汗ビッショリとなって早速、瀬美温泉まで直行。良い汗を流して帰秋。

2013年5月19日日曜日

[IS-REC] 山野井 昇著『水素と電子の生命』:病気や老化を分子・原子のレベルから見直す



身体の仕組みや働きを理解するのは生物学のレベルである。生物学は遺伝子・細胞に始まり、組織・器官・器官系という階層性の中で生命体の構造と機能を系統的に説明する。基礎医学は生物学的知識を中心に解剖学、生理学、生化学の知識を取込み、さらに環境や生活といった分野の理解も加えてその理論体系を構築する。病態生理学や病理学は臨床医学の基礎として、ヒトに起こるさまざまな変化や異常を系統的にとらえる。われわれ医療者はこういった知識の積み重ねでヒトの病気や障害を理解し治療に当たっている。


遺伝子・細胞レベルから原子・分子レベルでヒト身体の仕組みや異常を理解する


近年、遺伝子・細胞レベルの医学的理解は飛躍的に増大している。遺伝子・細胞レベルの医学はこれまで治療困難であった難病治療の可能性に光を当て、また老化やヒトの寿命についてもその解釈を可能としている。“tailor-made medicine”が近未来医学の主流となるだろうととも言われている。
本書、山野井昇著『水素と電子の生命』は、ヒトの健康維持やその破綻である病気・老化の問題を体内イオン環境から説明する。そして、ホメオスタシス、すなわち生体内至適環境への働きかけを通じた治療の可能性を提案する本である。


身体がさびる(体内の酸化)と病気や老化が起こる!!


今日、医学や生理学的研究の成果で「活性酸素」が体内の酸化を進め、ガンや生活習慣病、慢性疾患、老化現象を引き起こしていることがわかっている。活性酸素による体内酸化を防ぐには生体エネルギー産生の主要な仕組みであるミトコンドリア電子伝達系を円滑に作動させる必要がある。また活性酸素が一定割合で生じる事は避けられないため、その除去装置をうまく働かせることも必要である。本書では、原子・分子レベルからこの問題を見直し、“酸化還元電位を下げる”、すなわち酸化と逆方向に体内環境を是正する“還元”をどう治療に活かすか、そしてその実例として古来から知られる“名水”や“奇跡の水”の意味、物理療法として知られる電位治療の意味をわかりやすく説明している。


水素は体内で酸素・炭素に次いで多い構成元素


水素は体重当たり約10%を占め、酸素65%、炭素18%についで多い。生体内で水として存在するほか、生体構成蛋白、遺伝子DNA二重らせん構造、糖質・脂質の一部として広く体内に分布する。その特徴として低電位、還元力(電子を与える役目)という電気的特性や分子量1で、極めて小さく吸収性高くほとんどの物質・膜を通過して自由に体内に拡がる特性を持つ。また酸素(特に活性酸素)と反応して水に変わる極めて安全性の高い物質である事が挙げられる。


ヒドロキシラジカル除去に水素水


ミトコンドリアの研究から悪玉活性酸素であるヒドロキシラジカル無毒化に体内へ誘導した水素が有効であることが実証された。≪詳細は瀬名秀明・太田成男著『ミトコンドリアのちから』(新潮文庫)に紹介されている≫ 水素は肝臓での代謝や解毒にも関わっている。また体内の酸とアルカリバランス、ホメオスタシス維持にも働いている。
われわれが治療に用いる薬、特に西洋薬はピンポイントでその治療効果を期待出来るが一般には諸刃の剣である。われわれ医療者は改めてこれまで軽視していた感ある電位治療(生体の電気的治療)を見直しする必要があろう。また分子・原子レベルから生体を理解して、その至適環境(ホメオスタシス)維持に水素を応用することももっと真剣に考える必要がある。山野井の本書はこういった知識を深める第一歩である。

2013年5月2日木曜日

[IS-REC] 2013年4月 私の運動記録から~今月もさんざんな実績でした


201304月運動実績
Ghost新年度業務開始月の4月、夜間中心FitnessClub通いは11日のみ!! 月間総移動距離180kmの目標は遙か彼方

オムロン歩数計Walking Styleによる運動記録から、Fitness Club “出勤”は、月の三分の一、11日のみ。4月1日だけは意気込み高く、グラフに示される通り“しっかり運動距離12000歩”で上々の記録。しかし残念ながらその後がまったく続いていない。結果として4月成績:1日平均歩数8192歩、しっかり歩数4291歩、月間総移動距離159km。

自分の健康管理や体力・筋力維持向上に、実現可能な目標、“週4回は夜間Fitness Club ”、“山行のない日曜・休日は屋外ウォーク10000歩以上”実践などを掲げている。今年4月第一週後半は夫婦で“山口県大周遊”バス旅行に出かけたことも今回の実績に影響したようだ。

5月以降も、週末の日当直、学会出張など、様々な事情と予定でFitnessに行けないことが多くなる。予定外の〆切迫る仕事が入る事も多い。週日夜間に時々ある秋田市内の様々な医学講演会や講習会・研修会に自己研鑽目的に参加することもある(修了時間によってはその後にFitnessに行けることもある)。加えて今年は“糖尿病療養士講習”や“漢方セミナー”にも顔を出す予定でいる。やはり、やるべき事に優先順位を付け、また月や週単位での予定、目標管理をしっかり行ってゆこう。

“時は金なり”、“何となくダラダラ過ごしてしまう”ことは厳に慎み、避けられない所要以外、心してFitness出勤に当てるべし。

[IS-REC] 高野倉伍朔著『我が輩は八十六歳である』:アンチエイジング本として本書を読む(2)

 

“抗加齢ドック”を担当する医師の一人として物色した一般向けアンチエイジング実例本の一冊。アマゾンの本書紹介と立ち読みコーナーで「85歳にしてクアラルンプール移住と婚活を考えている」という前書き、つややかで血色良い膚、そして真向法の体操で驚異的な身体柔軟性を表した扉の写真に圧倒されて、思わず“ポチッと”購入してしまった。


本書キーワードは、“幸運と感謝の人生”、“呼吸法”、“真向法”、“糖鎖”、“水素水”、そして“婚活”


本書構成の大半は著者の生い立ちの記に始まり、多くのすばらしい人との出会い、幸運に恵まれながら海外発展に繋がる電動工具会社、常陸商会を築き上げ、長男にその代を譲るまでの人生成功譚。生来、体がひ弱で兵隊にもなれず学校を出てまず気象観測員となった由。戦後、様々な仕事を経験して、ついに功成し遂げるまで、たえず慢性的な頭痛に悩まされ薬が離せなかったという。しかし仕事が一段落して長生きや健康を意識するようになって以後、多種多様とも言える多くの健康法を律儀に実践したようだ。何が決めてで現在86歳、元気溌溂の素となっているのか、結局は語られていないように見える。しかし彼が信ずる腹式呼吸と毎日のウォーキング、真向法という柔軟体操、日本の伝統食と健康食品“糖鎖”服用、活性酸素・フリーラジカルスカベンジャーの水素水飲用。「これらすべてを実践して、ますます元気」というのが本書の結論らしい。
元気で息子に代を継ぎ、経済的にゆとりあれば、“85歳で婚活、海外移住の夢”も頷ける。彼の場合もさまざまな健康法に助けられながら、やはり三浦雄一郎と同様、人生の熱く夢ある目標と、それを実現に導く日々の努力がアンチエイジングの糧となっているのだろうか?

[IS-REC] 三浦雄一郎著『私はなぜ80歳でエベレストを目指すのか』:アンチエイジング本として本書を読む(1)

“抗加齢ドック”を担当している医療者の一人として関係する医学図書や一般向けに書かれたエイジングに関わる書籍を片っ端から読んでいる。加齢(aging)自体は避けられないが、加齢に伴う老化現象(senile process)は遅らせることが出来る。そして一般に後者を“抗加齢(Anti-aging)”と言う慣わしであり、私もこの意味で“抗加齢”を理解し、関係者や健診対象者に説明している。

 

世の中の高齢者には、“アンチエイジングの見本”のような人がいる

知る人ぞ知る三浦雄一郎さん、彼は日野原重明先生と並んでまさに超人的高齢者、“スーパー老人”であり、“アンチエイジングの見本”である。本書はこの夏、80歳でエベレストを目指す彼のリアルタイム中継を織り交ぜながら、他人になんと言われようが目標に向かってわくわくしながら用意周到突き進み、それを実現するため立ちはだかるさまざまな障害物をどう乗り越えてきているかを楽しげに語っている。
そして本書の意図する所、ややもすると自分の体力や年齢に妥協して何事にも引っ込み思案になりがちな多くの本書読者を「自分のエベレスト」を目指すよう焚き付ける事だという。
本書ではまず、今この“スーパー老人”がどのようにして排出したのか、それを解く鍵として彼自身の生い立ちを語り始める。父、敬介はじめ両親や近親者の優しい眼差し、確固とした教育方針、そして貧しいながら恵まれた家庭環境。大学卒業後の思わぬ挫折とプロスキーヤーとして遮二無二かつ大胆に生きて数々の偉業と成功をなし得た栄光の半生。そして誰しもありがちな慢心な気持ちから生まれた50代の挫折。彼の半生は栄光を手にするまでの並々ならない努力とともに、冒険家の自伝ストーリーとしても読者を飽きさせることはない。

本書はしかしメタボで心疾患を患うまでに至った彼が、その後そういった病気や障害を精神的にどう克服して、今再び“80歳、エベレストに立つ”夢を現実とすべく努力しているか、その点にフォーカスされている。メタボからくる冠疾患としての致死的不整脈。カテーテルアブレーションという重なる不整脈手術。普通の人であればそれだけでお手上げである。加えて思わぬ骨盤と大腿骨折を同時期に被る。もうそれを聞いただけで、結果にあるのは“寝たきり老人”と想像してしまう。スーパーマンを描く架空小説ならその後の思いもよらない回復と克服の経過に喝采を送るだろう。彼はその後、現在に至るまですさまじい筋力トレーニングや低酸素環境下でのトレーニングを継続して何とか寝たきりの危機を脱出した。しかし不整脈も完全に治癒した訳ではないようだ。次男の豪太というアンチエイジングを研究する頼もしいサポーターがいるとはいえ、“80歳のエベレスト登頂”はまさにあらゆる意味で死と隣り合わせにあるように思える。勿論それを彼は承知している。承知しているからこそ多少なりともリスクを軽減する努力と準備に余念と怠りがないのだが・・・「読者が目標をもって人生を突き進む」エールを送るための本書であるはずだが、彼の“スーパー老人”ぶりばかりに眼を奪われてしまった。一方で、本書は“人生に大小問わず目標を持つこと。その実現のためにワクワクして生き続けることこそがアンチエイジングである”と、自分体験を語っているところに強さと説得力がある。

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