2012年12月26日水曜日

[Med-REHA] 介護老健施設の現況と、映画「わたし」の人生~我が命のタンゴ~


リハビリ健診

    “リハビリ健診”として、年に1度、近くのショートステイとデイ・ケアを扱う介護老健施設利用者を対象に健診を行っている。その動作能力と認知機能を診ているが、在宅一人暮らしのデイ・ケア利用者を除いて、対象者の認知症割合が高いのには驚かされる。

    厚労省資料によると、認知症を伴う施設入所者は高率に寝たきりとなっている。幸い、健診先施設スタッフの懸命な努力で長谷川式検査低得点で明らかに認知症があっても、記憶・記銘力低下が主体で、会話はしっかりしている。そういった方の中には“新聞読んでますか?”の問いかけに、「知人が亡くなっていないか、死亡広告をよくみています」と答えて社会性が失われていない方もいらっしゃる。これらの施設では認知症があっても意外に寝たきりや問題行動は目立たない。しかし経年的検査で動作能力・認知能力ともに徐々に低下してきており、その対策の必要性を痛感する。


「わたし」の人生~我が命のタンゴ~
   永年親しんできた、秋田シアタープレイタウンが閉館するので興業最後となる映画を観てきた。標題の映画では、精神科医・和田秀樹が監督で前頭側頭型認知症家族の苦悩を扱っている。セクハラを頻繁に起こす英文学者で元・大学教授の父親役を橋爪 功が、主人公で娘役を秋吉久美子が演じ、好演技をみせている。注目は認知症の父が利用する施設の医師役が脇役ながらすばらしかった。

    しかし現実にこういった家族のサポート・アドバイスをゆとりを持って出来る施設の医師はそんなにいるはずもない。また多くの認知症入所者を抱える施設にしては施設環境も職員もすばらしく、現実とかけ離れた印象であった。


   たまたま同じ日の夜半、以前読んだ本で感銘深かった本の朗読劇がラジオで放送された。やはり高齢者・認知症を扱う施設職員を主人公とする作品である。
   山田太一原作『空也上人がいた』のFMシアター再放送である。ここでは全介助で認知症のお年寄りを扱う若い職員の苦悩が描かれる。私にとってはこちらの方がずっと現実味があり、またこういった苦悩と共に一緒に歩む空也上人の存在をひとつの心の拠り所として求めることを知った喜びがあった。


   リハビリテーション施設も生活型施設である老健施設も対象者は高齢化し、その認知症が問題となっている。認知症にいくつかの病型があり、中でも脱抑制による問題行動が家族を苦しめる、“前頭側頭型認知症”についてもこの映画をはじめとして様々紹介されるようになった。病型を知る事により適切な対処法もあるが、一般に認知症患者や家族の苦悩は計り知れない。この映画の結びとなるような、ある種のハッピーエンドがすべての認知症家族に期待出来れば良いのだが・・・・






2012年12月17日月曜日

[Med-REHA] 杉本正信著「ヒトは120歳まで生きられる」から

   寿命の分子生物学を語る、サイエンス・ライター・杉本先生の新書をようやく最後まで読んだ。

   何冊かの本を並行して読んでいると、内容が濃いだけについついこの本が後回しとなって、結局読了まで一と月以上をかけてしまった。 

“佐藤 優流読書術”その熟読法からすれば、まだまだ読みは足りないだろう。しかし同じ所を何度も読んで、その都度納得を深め、新たな発見をし、そして自分の目下の関心領域であるアンチエイジングの知識整理が確実になされていった。

   アンチエイジング医学は長寿科学(医学)の別表現であり、いわゆる健康寿命を全うする手段を研究し、その具体的ノウハウを提供する。この本ではヒトの長い歴史の中で長寿の限界が過去であれ、サイエンスの進んだ現代であれ生物学的ヒトの寿命が120歳に変わりのないこと、その長寿の鍵は外的環境(家族・社会・医・薬・食)と精神(心)、そして身体の問題として分子生物学的レベルで細胞中ミトコンドリアや細胞の再生修復に関わるテロメアにあること最初に述べられている。後章は順次その解説となる。

   最初に長寿命を全うするには免疫機能による生体防御機構が十分発揮される必要のあること、次に細胞の再生と修復が円滑になされるために放射線や酸化ストレスから遺伝子を守る必要のあること、次に目下、ヒトの死因第一位である、がんを如何に体内に発生させないか、また発生してもうまく自然修復機能を働かせて消滅させるにはどうしたらに良いか?が語られる。次にヒト組織・細胞レベルの再生機能と再生医学の話、再生医学の展望はどうか、などが整理されている。最後に寿命を延ばすライフスタイルとして、身体素因に加え心の問題が長寿命に如何に大切かを強調する。ペットの癒やし効果、性格要因や“健全な精神”の長寿に果たす役割、積極生活を促す街づくりが大切な事を強調して最後を締めくくっている。内容は盛りだくさんだが長寿やアンチエイジングの基本は意外に単純なのだということがこの本で得た私の結論である。

   最近、核遺伝子ではないミトコンドリア遺伝子の導入による治療技術が開発され話題となっている。こういった技術開発や応用があっても、ヒトの最大寿命は今後とも変わりないことだろう。



2012年12月16日日曜日

[Med-REHA] 大櫛陽一著「間違っていた糖尿病治療」の衝撃

医学芸術社という馴染みのない出版社の本で社会保険旬報の簡単な書評を見なければ目に触れない本であった。糖質制限食がダイエットや糖尿病治療食として好意的に受け取られるようになり、最近では糖尿病治療に関係した学会でもそれまでの全く無視する立場から、一定の評価を加えたり、批判的立場からのコメント、素人が闇雲に実践した場合の危険性(心血管死亡リスクが高くなる)を指摘するなどの動きがみられるようになった。
   糖尿病予備群や糖尿病患者が激増して糖尿病非専門医でも治療に当たる機会が増えている。リハビリ医は脳卒中などの生活習慣病を背景に生じた障害患者のリスク管理と入院リハビリ終了後の患者フォローアップをするのでやはり相当数の糖尿病患者を扱っている。体験的に糖質制限食はこういった患者に有効である。障害があると運動過少からしばしば運動不足による肥満がおこり機能低下をきたしてしまう。こういった場合の食事指導にカロリー制限より糖質制限の方がわかりやすく指導しやすい。
   これまで異端的に扱われているが一般向けに書かれた江部先生や釜池先生の本がとても参考となっていた。これらの本はそれなりの臨床経験や生化学知見に基づいて書かれているが、文献的裏付けに乏しい印象は拭えなかった。 
   この度出版された大櫛先生の本はこれまで糖尿病関連学会はじめ権威ある医学界が推奨してきた糖尿病の基本的治療方針のみならず特に糖尿病の心血管合併症、脂質代謝異常、降圧治療のあり方にも文献的根拠を挙げながら批判している。また糖質制限を基本とした糖尿病治療・生活指導の全体像も提起している。
   これまでの糖尿病治療指針を全否定するようで表現が過激なところ、取り上げたエビデンスの解釈に誇張を感じるところもある。一般受けはするだろうが、医学書としてみるならばさらに内容を批判的に吟味する必要があろう。
   それにしても医学読み物としてはなかなか痛快な出来映えの本となっており、こういった本にありがちな部厚く読みにくい印象もなく一気に読めてしまう手軽さは大いに気に入った次第である。

2012年12月11日火曜日

[IS-REC] 2012年11月の私の運動記録から

   毎日の運動記録をオムロンWalking Styleで行っている。(商品情報|歩数計 Walking style HJ-720IT|オムロン ヘルスケア201211OMRON記録
   ジョッギングやランニングを含む月間歩行距離が130km台の惨めな結果に較べると、11月は150km台でまずまず。
   距離は夜間のフィットネス・クラブのジョギングやランニングで稼ぐのでこれを怠ると途端に月間移動距離実績は低下してしまう。Crying faceSurprised smile
   11月は1日平均歩数7722歩、しっかり歩数(事実上、ジョギングやランニングによるもの)4115歩(1日平均時間28分)、既述のように月間移動距離は150.46km。
   私の健康生活、運動目標は1週間40km以上(このためには1日10km走行するとして週4日フィットネスにゆけば良い計算)。で月間目標は160km以上。決して無理ない目標とは思いつつ、期日付きの仕事でストレスが増えると、そしてこの時期、風雪・雨が強いとついついそれを理由にフィットネスの日課を怠ってしまう。運動後の爽快感はとっても格別なのだが・・・


2012年12月10日月曜日

[IS-REC] DELL XPS 13カスタマイズ、結局128-256G換装

【Hothotレビュー】 デル「XPS 13 スタンダードモデル」 ~デザイン性を追求した薄型軽量ボディのUltrabook:
   今年2月に発売されそれなり話題となったDELLのノートがデルストアで価格落ちして、しつこく案内がくる。ついに根負けしてポチッと購入。 ここ最近Windowsノートは使っていなかったので、このMacBookAirの向こうを張ったWindowsノートを仕事用に購入することとなったのだ。
xpsのssd交換
   ところがである。ものが到着するまで1週以上待たされた上、到着した品は初期不良。オーディオ機能がバツで全く音が出ない(カスタマイズしていてiTuneを入れていて気付いた。ナント鈍感!)。 しかしデルの出張サポートは意外に早い。クレームを出して2日後には交換部品が届き、その翌日には委託されたオムロンのSEが自宅に来て本体のマザーボードまで交換。お陰でXPS13のバラし方をすっかり修得することとなった。
   購入したXPS13の容量128Gに不安あったため早速、Crucial mSATA SSD256Gをアマゾンから購入。あれこれ苦労してシステムのクローンを作り(写真)、本体を再び自分の手でばらして無事、mSATA SSD256Gに換装。勿論、問題なく動いています。
   今回のDEll XPS13購入からそのカスタマイズSSD換装作業を貴重な自由時間と睡眠時間のほとんどを使って約2週間。投資額も当初間違って購入した2.5インチSSD(256G)や追加電源、ディスプレイ変換アダプタなど、xps本体に負けないほどの額となってしまった。いやはや・・・

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