体験的視点と新視点の提供、演繹手法による作文技術で、本書は説得力ある「食と健康」本の一冊に
自分の健康を守るために読むべき本は?
不安の時代、不確実な時代を生きて、今我々にもっと必要とされるなものは何だろう?・・・・人と人とのつながり・信頼?宗教?哲学?・・・少なくともお金ではないだろう。挙げればきりはないが、これだけははっきりしている。人に迷惑かけず自立して生きるため自分の健康を先ず自分で守ること。無論、現に病者や障害ある者にとっては自分の身体のことをいつでも相談出来る指南役、“かかりつけ医”がこのために欠かせない。しかし仮にも健康寿命を享受している我々は、自分の健康を守るため、日々努力し続ける必要がある。そしてその食や運動、生活習慣の身近な指南は自分が正しいと信ずる先達が書かれた書物の数々である。私が最近読んで実践を志すに至ったこの類の本を挙げると、藤田紘一郎先生の本書のほかに、山田 悟著『糖質制限食のススメ』(東洋経済新報社)、江部 康二著『「糖質オフ! 」健康法 主食を抜けば生活習慣病は防げる! (PHP文庫)』、伊藤 裕著『腸! いい話 (朝日新書)』、大櫛 陽一著『間違っていた糖尿病治療―科学的根拠に基づく糖尿病の根本的治療』など、だろうか?
「人生は何歳になっても楽しい」
歳をとると身体の不調や老化現象が重なって身体のあちこちを臓器単位で意識するようになる。しかし食や運動・生活習慣に気を配っているとこういった愁訴を意識しないで生活することも可能である。本書、藤田先生のおわりのことばは、「足るを知り、今を大切に生きれば人生は何歳になっても楽しい」である。また、「山川草木国土悉皆成仏」と仏教の一節を引用して何事にも感謝の心が大切と説く。健康にはほかへの感謝の気持ちも大切な要素である。これは、井上 敬先生の『健康方程式365』(木楽社)にもあり、納得のゆくところである。
やはり本書はただのハウツー本との違いがよくわかる一冊であった。
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