2021年8月29日日曜日

[IS-REC/ISSUES]『NO546「私のオススメ」ライフハックとaudible.com』

※これまで由利本荘医師会報・秋田県医師会報に掲載した記事を順次投稿します。 由利本荘医師会報O546(2019年12月号)

~ワークライフバランスの生活手法~

        精神科医・名越康文氏が『寅さん新聞』で語るように、物欲や望まない人との関係性などに煩わされず、また決まったスケジュールを持たない生活ができたらそれは最高の贅沢だろう。私はどう間違ったのか、歳をとるほどそんな贅沢に程遠い時間貧乏の生活を送っている。職場で走り回り、家にはクタクタで帰り、“メシ・フロ・ネル”の生活になりかねない毎日なのである。そこで当面の私の使命は、“時間に流されず、仕事もプライベートも充実した生活を送ること、しかもその“満点”生活を他人(ヒト)には卒なくこなしているようにみせること”、なそある。さて、以前からライフハックには大いに興味があった。ライフハックとは、人生をラクにする“IT時代の仕事術”である。タスク管理から知的生活の設計まで人生をラクに一歩ずつ変えるテクニックである(Lifehacking.jp )。出来るだけ手抜きせず迅速に仕事をこなし、残業などはせず、まっすぐ家に帰って趣味にも時間を使う。その理想をかなえる手段としてライフハックは必須であり、時間貧乏ゆえに日・週・月単位のスケジュールが必要となる。時には明治大学・齋藤 孝先生が披露するようにタイマーをかけて一つ一つの仕事をすることも必要なのだ(齋藤 孝著『人生を変える「習慣」の力』成美文庫)。


私のライフハック1:“ScanSnapとPaperPort”


        加齢とともに仕事をこなす要領が悪くなった。その最も大きい要因は身のこなしが悪くなったことと、言わずもがな記憶力の低下である。脳の記憶容量が減って複数の仕事を同時並行でこなすことができない、記憶を再認することは出来ても、記憶を直接引き出すことが出来ない、具体で呼称できず「あれ、これ・・」の世界なのである。こういった時、脳の記憶容量低下を補う手段がまさにITの力である。私は10数年来その目的で“ScanSnapとPaperPort”を使っている。要は職場であろうが自宅であろうが、記憶ないし心に留め置くことがあればすべて“ScanSnap”でスキャンして画像データベース“PaperPort”に取り込み、保存するのだ。月単位で目的別(日常業務・文献・出来事・趣味など)に作っている4つのフォルダに分類する。このスキャンして保存した文書などは一覧してわかるサイズのサムネイルで表示されるので簡単に探し出すことが出来る。数年以上前に保存した文書も、“everything”というデスクトップ検索ソフトを使えば瞬時に見つけることが可能である。この画像データベースは、“dropbox”に保存してある。その結果、職場や自宅など場所を問わず、ノートPCさえあれば出張先でもアクセス可能である。またPDF や JPEG形式保存なのでiPhoneでも閲覧できる。お蔭で脳の記憶貯蔵庫を開放して、脳を考えることだけに集中出来る。こういった技術・手段はアクセススピードの進歩を別とすれば相当以前から利用されてきた。仕事と趣味の境界必ずしも明瞭ではないが、週末にはゆっくり新聞記事や雑誌記事、文献などを切り抜きして取り込む。記事や文献内容も切り抜きと画像データベース取り込みという作業が入ることで記憶に残りやすくなり、また後日の参照も簡単に可能となる。特定のテーマでまとめて読み返すこともできる。書評の切り抜きはよくする。複数の新聞で書評が掲載される本はやはり買って手にとりたくなり、ついついアマゾンで“ポチッ”とやってしまっている。(組写真1:ScanSnapとPaperPort画面、“everything”による検索)


私のライフハック2:“Yahoo & Googleカレンダーとリマインダー"

職場の日常業務は時間でびっしり埋まる。検査や処置、面談、外来、会議など時間に遅れることなくこなすようにしている。看護師さんなどからその時間前にお呼びがかかり、貴重な数分間を時間泥棒されることも多い。親切心から出でいるものなので怒らないようにしている。この仕事スケジュールは“Yahooカレンダー”、プライベートは、“Googleカレンダー”に分けて入力している。週や月単位のスケジュールは課題としてクラウド上(iCloud)のリメンバーソフト、“リマインダー”に記録する。設定で期日前になるとアラームが出るようになっている。予定の記載などは最近の音声入力の正確度がアップしているので固有名詞を除いてiPhoneからの音声入力で十分事足りている(組写真2:Yahoo & Googleカレンダーとリマインダー )。


“ながら聴き”のaudible.com

自分の趣味と健康を兼ねてウォーキングやジョギング、体操などをする。その時、有料のauidible.comからダウンロードしたさまざまなメディアを“ながら聴き”する。シリーズものでは,吉川英治の「宮本武蔵」、「三国志」、「新・平家物語」、五木寛之「青春の門」など、さまざま長編大作を聴いた。audible.comを知るまでこういった作品を読む機会は死ぬまでないだろうと漠然と考えていたので、「聴き語り」形式ではあるが大作に触れるチャンスのあったことを幸運に思っている。運動しながら耳で聴く本を読むとは、まさに認知症予防のコグニサイズ、いいことずくめのようだ。しかし特に高齢者運動指導時には却ってその問題を指摘する論文(川嶋一成:高齢者運動指導時の留意点~「ながら運動」防止の観点から.日医雑誌148、2019年)もある。実際、私自身もトレッドミル運動など、運動に集中が必要な場合、宮部みゆき・貴志祐介・今野 敏、といったワクワク・ゾクゾクするようで内容的に軽めのホラーやサスペンスでない限り、“ながら聴き”の出来ないことがわかってきた(組写真3:audible.comのメディア案内)。

神はすべての人に等しく1日24時間を与えている。その時間を有効に使えるかどうかは、このIT時代に人間に備わった能力の一部を代替したり、補ったりできそうな機器を上手に使いこなす「ライフハック」力とそれを習慣化することが大切だと思っている。





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