2012年9月21日金曜日

“健康でない人”の“健康方程式”「DEET」

健康の定義

健康の定義はいろいろある。一般には元気で他人の世話にならず、自立生活を営める生産的な心身の状態が“健康”である。日本全国、高齢化が進んで他人のお世話にならずに長生きし、ピンピン・コロリとあの世に迎えられるのが理想と説かれる。先日の敬老の日には、全国の高齢化率が20数パーセントとなり、100歳以上の老人が5万人を超えた、などと報道された。また健康寿命と平均寿命の差、すなわち他人のお世話となる期間が平均してどの位あって、その期間を如何に短くするかなども考察されていた。
  われわれリハビリテーション医療や介護の分野で働くものが、心身の障害持つ高齢者、脳卒中後遺症患者さんなどを扱い、その健康を考えるときにも彼らのQOLを如何に維持するか、その元気・長生き・自立度維持のフォーミュラが必要だろう。

健康人の“健康方程式”

2005年、医師で生命哲学研究所を起こした井上 敬医師は、健康者の「健康方程式」を提唱している(健康方程式シリーズ - Welcome to Institute of Biophilosophy !)。彼のいう健康方程式は「HOST」。H(Health)=O(oxygen)+S(simplified Meal)+T(Thanks)である。すなわち、健康生活維持には呼吸法と活性酸素を暴れさせない工夫、素食と少食、感謝の心が鍵という。その内容はなかなか説得力あり、私も実践に努めている。

“非”健康人の“健康方程式” 「DEET」

私のリハセンターに入院してリハビリを受けている方々や、施設・地域での健康講話をする機会が多い。講話の対象者の多くは既に健康寿命の過ぎた、“非”健康人である。私は井上 敬先生の向こうを張って、“非”健康人の彼らに、“健康方程式”DEET」を提唱した。

D:Doctor and Drug(かかりつけ医と服薬)

障害や病気を管理し、定期的に検査をしながら、彼らのQOL維持に適切なアドバイスをする「かかりつけ医」や「主治医」が必要である。服薬も欠かせない。ケア・マネもかかりつけ医の足りない所をカバーするのが理想である。

E:Exercises(運動)

運動は健康人だけのものではない。障害残る患者さんは一生リハビリ(=運動)が必要。大地震後の仮設暮らしで日常生活動作能力が低下して要介護者が増加した。運動は認知症悪化予防にもとても有効なことが立証されている。障害レベルに合わせた運動メニューを作るのは我々リハビリテーション職種の得意とするところ。

E:Eat(食事と栄養管理)

井上先生が健康者の「健康方程式」でも触れている。健康者でも“非”健康者でも健康維持に食事に対する心構えが大切。ただし素食・少食が良いといっても、最近むしろ栄養障害を抱える方も多い。“リハビリ栄養”という言葉で、最近はリハビリを受ける患者さんの栄養障害に対する対応や栄養管理に腐心している。

T:Temperature(体温・加温)

これが私の強調したい「健康方程式」の要。斎藤真嗣著「体温を上げれば健康になる」(http://amzn.to/QH32mu)、伊藤要子著「加温生活」(http://amzn.to/P5bNGC)。自己免疫力を高め、身体の構造蛋白が病気で傷害されたとき、その組織修復に働くHSPを活性化するひとつの出来そうな工夫は体温を上げることである。 

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