2012年12月26日水曜日

[Med-REHA] 介護老健施設の現況と、映画「わたし」の人生~我が命のタンゴ~


リハビリ健診

    “リハビリ健診”として、年に1度、近くのショートステイとデイ・ケアを扱う介護老健施設利用者を対象に健診を行っている。その動作能力と認知機能を診ているが、在宅一人暮らしのデイ・ケア利用者を除いて、対象者の認知症割合が高いのには驚かされる。

    厚労省資料によると、認知症を伴う施設入所者は高率に寝たきりとなっている。幸い、健診先施設スタッフの懸命な努力で長谷川式検査低得点で明らかに認知症があっても、記憶・記銘力低下が主体で、会話はしっかりしている。そういった方の中には“新聞読んでますか?”の問いかけに、「知人が亡くなっていないか、死亡広告をよくみています」と答えて社会性が失われていない方もいらっしゃる。これらの施設では認知症があっても意外に寝たきりや問題行動は目立たない。しかし経年的検査で動作能力・認知能力ともに徐々に低下してきており、その対策の必要性を痛感する。


「わたし」の人生~我が命のタンゴ~
   永年親しんできた、秋田シアタープレイタウンが閉館するので興業最後となる映画を観てきた。標題の映画では、精神科医・和田秀樹が監督で前頭側頭型認知症家族の苦悩を扱っている。セクハラを頻繁に起こす英文学者で元・大学教授の父親役を橋爪 功が、主人公で娘役を秋吉久美子が演じ、好演技をみせている。注目は認知症の父が利用する施設の医師役が脇役ながらすばらしかった。

    しかし現実にこういった家族のサポート・アドバイスをゆとりを持って出来る施設の医師はそんなにいるはずもない。また多くの認知症入所者を抱える施設にしては施設環境も職員もすばらしく、現実とかけ離れた印象であった。


   たまたま同じ日の夜半、以前読んだ本で感銘深かった本の朗読劇がラジオで放送された。やはり高齢者・認知症を扱う施設職員を主人公とする作品である。
   山田太一原作『空也上人がいた』のFMシアター再放送である。ここでは全介助で認知症のお年寄りを扱う若い職員の苦悩が描かれる。私にとってはこちらの方がずっと現実味があり、またこういった苦悩と共に一緒に歩む空也上人の存在をひとつの心の拠り所として求めることを知った喜びがあった。


   リハビリテーション施設も生活型施設である老健施設も対象者は高齢化し、その認知症が問題となっている。認知症にいくつかの病型があり、中でも脱抑制による問題行動が家族を苦しめる、“前頭側頭型認知症”についてもこの映画をはじめとして様々紹介されるようになった。病型を知る事により適切な対処法もあるが、一般に認知症患者や家族の苦悩は計り知れない。この映画の結びとなるような、ある種のハッピーエンドがすべての認知症家族に期待出来れば良いのだが・・・・






2012年12月17日月曜日

[Med-REHA] 杉本正信著「ヒトは120歳まで生きられる」から

   寿命の分子生物学を語る、サイエンス・ライター・杉本先生の新書をようやく最後まで読んだ。

   何冊かの本を並行して読んでいると、内容が濃いだけについついこの本が後回しとなって、結局読了まで一と月以上をかけてしまった。 

“佐藤 優流読書術”その熟読法からすれば、まだまだ読みは足りないだろう。しかし同じ所を何度も読んで、その都度納得を深め、新たな発見をし、そして自分の目下の関心領域であるアンチエイジングの知識整理が確実になされていった。

   アンチエイジング医学は長寿科学(医学)の別表現であり、いわゆる健康寿命を全うする手段を研究し、その具体的ノウハウを提供する。この本ではヒトの長い歴史の中で長寿の限界が過去であれ、サイエンスの進んだ現代であれ生物学的ヒトの寿命が120歳に変わりのないこと、その長寿の鍵は外的環境(家族・社会・医・薬・食)と精神(心)、そして身体の問題として分子生物学的レベルで細胞中ミトコンドリアや細胞の再生修復に関わるテロメアにあること最初に述べられている。後章は順次その解説となる。

   最初に長寿命を全うするには免疫機能による生体防御機構が十分発揮される必要のあること、次に細胞の再生と修復が円滑になされるために放射線や酸化ストレスから遺伝子を守る必要のあること、次に目下、ヒトの死因第一位である、がんを如何に体内に発生させないか、また発生してもうまく自然修復機能を働かせて消滅させるにはどうしたらに良いか?が語られる。次にヒト組織・細胞レベルの再生機能と再生医学の話、再生医学の展望はどうか、などが整理されている。最後に寿命を延ばすライフスタイルとして、身体素因に加え心の問題が長寿命に如何に大切かを強調する。ペットの癒やし効果、性格要因や“健全な精神”の長寿に果たす役割、積極生活を促す街づくりが大切な事を強調して最後を締めくくっている。内容は盛りだくさんだが長寿やアンチエイジングの基本は意外に単純なのだということがこの本で得た私の結論である。

   最近、核遺伝子ではないミトコンドリア遺伝子の導入による治療技術が開発され話題となっている。こういった技術開発や応用があっても、ヒトの最大寿命は今後とも変わりないことだろう。



2012年12月16日日曜日

[Med-REHA] 大櫛陽一著「間違っていた糖尿病治療」の衝撃

医学芸術社という馴染みのない出版社の本で社会保険旬報の簡単な書評を見なければ目に触れない本であった。糖質制限食がダイエットや糖尿病治療食として好意的に受け取られるようになり、最近では糖尿病治療に関係した学会でもそれまでの全く無視する立場から、一定の評価を加えたり、批判的立場からのコメント、素人が闇雲に実践した場合の危険性(心血管死亡リスクが高くなる)を指摘するなどの動きがみられるようになった。
   糖尿病予備群や糖尿病患者が激増して糖尿病非専門医でも治療に当たる機会が増えている。リハビリ医は脳卒中などの生活習慣病を背景に生じた障害患者のリスク管理と入院リハビリ終了後の患者フォローアップをするのでやはり相当数の糖尿病患者を扱っている。体験的に糖質制限食はこういった患者に有効である。障害があると運動過少からしばしば運動不足による肥満がおこり機能低下をきたしてしまう。こういった場合の食事指導にカロリー制限より糖質制限の方がわかりやすく指導しやすい。
   これまで異端的に扱われているが一般向けに書かれた江部先生や釜池先生の本がとても参考となっていた。これらの本はそれなりの臨床経験や生化学知見に基づいて書かれているが、文献的裏付けに乏しい印象は拭えなかった。 
   この度出版された大櫛先生の本はこれまで糖尿病関連学会はじめ権威ある医学界が推奨してきた糖尿病の基本的治療方針のみならず特に糖尿病の心血管合併症、脂質代謝異常、降圧治療のあり方にも文献的根拠を挙げながら批判している。また糖質制限を基本とした糖尿病治療・生活指導の全体像も提起している。
   これまでの糖尿病治療指針を全否定するようで表現が過激なところ、取り上げたエビデンスの解釈に誇張を感じるところもある。一般受けはするだろうが、医学書としてみるならばさらに内容を批判的に吟味する必要があろう。
   それにしても医学読み物としてはなかなか痛快な出来映えの本となっており、こういった本にありがちな部厚く読みにくい印象もなく一気に読めてしまう手軽さは大いに気に入った次第である。

2012年12月11日火曜日

[IS-REC] 2012年11月の私の運動記録から

   毎日の運動記録をオムロンWalking Styleで行っている。(商品情報|歩数計 Walking style HJ-720IT|オムロン ヘルスケア201211OMRON記録
   ジョッギングやランニングを含む月間歩行距離が130km台の惨めな結果に較べると、11月は150km台でまずまず。
   距離は夜間のフィットネス・クラブのジョギングやランニングで稼ぐのでこれを怠ると途端に月間移動距離実績は低下してしまう。Crying faceSurprised smile
   11月は1日平均歩数7722歩、しっかり歩数(事実上、ジョギングやランニングによるもの)4115歩(1日平均時間28分)、既述のように月間移動距離は150.46km。
   私の健康生活、運動目標は1週間40km以上(このためには1日10km走行するとして週4日フィットネスにゆけば良い計算)。で月間目標は160km以上。決して無理ない目標とは思いつつ、期日付きの仕事でストレスが増えると、そしてこの時期、風雪・雨が強いとついついそれを理由にフィットネスの日課を怠ってしまう。運動後の爽快感はとっても格別なのだが・・・


2012年12月10日月曜日

[IS-REC] DELL XPS 13カスタマイズ、結局128-256G換装

【Hothotレビュー】 デル「XPS 13 スタンダードモデル」 ~デザイン性を追求した薄型軽量ボディのUltrabook:
   今年2月に発売されそれなり話題となったDELLのノートがデルストアで価格落ちして、しつこく案内がくる。ついに根負けしてポチッと購入。 ここ最近Windowsノートは使っていなかったので、このMacBookAirの向こうを張ったWindowsノートを仕事用に購入することとなったのだ。
xpsのssd交換
   ところがである。ものが到着するまで1週以上待たされた上、到着した品は初期不良。オーディオ機能がバツで全く音が出ない(カスタマイズしていてiTuneを入れていて気付いた。ナント鈍感!)。 しかしデルの出張サポートは意外に早い。クレームを出して2日後には交換部品が届き、その翌日には委託されたオムロンのSEが自宅に来て本体のマザーボードまで交換。お陰でXPS13のバラし方をすっかり修得することとなった。
   購入したXPS13の容量128Gに不安あったため早速、Crucial mSATA SSD256Gをアマゾンから購入。あれこれ苦労してシステムのクローンを作り(写真)、本体を再び自分の手でばらして無事、mSATA SSD256Gに換装。勿論、問題なく動いています。
   今回のDEll XPS13購入からそのカスタマイズSSD換装作業を貴重な自由時間と睡眠時間のほとんどを使って約2週間。投資額も当初間違って購入した2.5インチSSD(256G)や追加電源、ディスプレイ変換アダプタなど、xps本体に負けないほどの額となってしまった。いやはや・・・

2012年11月14日水曜日

[Med-REHA]わが回想に生きるひとびと~SSさん逝く

        15年来の付き合いだったSSさんが脳卒中再発後の誤嚥性肺炎・呼吸不全で亡くなられた。享年81歳。

      私と最初の出会いは、彼が64歳で右被殻出血を発症した時に遡る。

     彼は急性期治療を含め、その後のリハビリまで私の受け持ちとなった。いわゆる土建屋さんで医者嫌い、それまでろくに健診なども受けず、酒たばこは欠かせない生活を送っていた。

     日常のわがままをそのまま病棟生活に持ち込んだものだから、看護師や訓練士とトラブル続き。見舞いに訪れる奥さんもスタッフにはなはだ恐縮していた。それでも昔気質ゆえか、医者の私には絶対的に従ってくれた。

      耐糖能障害、虚血性心疾患、高血圧と生活習慣病の揃い踏み。その治療と生活指導、杖と装具使用での身辺処理自立で自宅退院した。

      しかしその後も、糖尿病性網膜症で光凝固治療、狭心痛発作、腰部椎間板ヘルニア手術など、続発症オンパレードでその都度の対応に私自身も大いに勉強させられた。

   発症から3年後、最愛の妻を膵臓ガンで失い、特養に入所。仕事を止め、子供もない孤独な生活。この大きく急激な状況変化で負けん気の彼もうつ状態となってしまった。だがその苦難も何とか乗り切った。飲酒・喫煙は私の説得でも止められなかったが、その量は少量たしなむ程度となり、入所先での生活にも徐々にとけ込んでいった。

   月一度の外来通院とその際のリハビリを楽しみにしていた。当初多量に使わざるを得なかった降圧剤や経口糖尿病薬も減量、スタッフへのわがままな言動、うつがひどかった時の「死にたい!!」の言葉も徐々になくなり、受診時に面倒みる施設職員や病院スタッフへの言葉掛けも好好爺そのものとなった。

   今年10月最後となった受診で血圧はそれまでになく低め、降圧剤を更に減量して帰した。その数日後、出勤してまもなく施設から電話あり、言葉が聞き取れなくなっているという。血圧はやはり低め。脳卒中再発としてすぐに救急病院受診を促した。

   その後の経過が気になっていたが連絡なし。11月初旬、香川の学会から戻った13日、施設からA4封筒に入った包みが届いた。前医とそのスタッフからの紹介状が同封され、急性期病院からは11月1日退院したという。その後、施設の食事で流涎とむせ込みがひどかったらしい。微熱が続き、嘱託医から抗生剤点滴の指示も出たが、結局11月10日呼吸困難となり、永眠したという。

   経過を知って別な対処もあったように思われ残念であった。しかしあまり苦しむことなく逝ってくれたとすれば、これも彼の本望だったかもしれない。

   今頃、あの世で妻と久しぶりに再会しているかも知れない。彼の嬉しそうな顔が浮かんでくる。合掌。



2012年11月6日火曜日

[Med-REHA] 脳卒中地域医療連携:秋田県南広域医療ネットワーク ・・・学会で意見交換を予定

    きたるべき少子高齢化社会の中で、地域住民が安全・安心な生活を送られるための基盤整備が急がれている。医療介護福祉分野では自治体レベルでその基本計画が策定され年度毎にその再検討を行っている。

    秋田県の脳卒中医療について、その現状と今後の方向性について議論する機会が与えられ現状を俯瞰するが、なかなか具体的解決の道筋は見えてこない。社会的共通資本(宇沢弘文)として医療や介護、福祉の現状を眺めると、その提供体制はいびつであり、施設面でショートステイなどが増加する一方、医療面での人的ソースの不足と偏在が過疎の進んだ東北地方で深刻な医療崩壊を招いている。無論、脳卒中医療についてもその例外ではない。

    私は県南地域に位置する中核的リハビリ施設にあって、ここ数年間、脳卒中地域医療連携協議会を立ち上げ、行政とも協力しながら問題に取り組んできた。

第51回自治体病院学会(香川)で報告

    全体レイアウト秋田県県南地域は県総面積の半分に当たり、大仙・仙北、横手・平鹿、湯沢・雄勝地区の3つの医療圏を持つ。この広域圏で脳卒中医療を担う回復期リハ病棟は、実質、当リハ施設のみである。この実情から発足した「秋田道沿線地域医療連携協議会」、行政に協力する形で発足した我々の施設も属する二次医療圏対象の「大仙・仙北地域医療連携協議会」、この二つ連携活動から見えてきた連携医療の現状や課題、自分の考える今後の展望をポスター形式で発表してくる。学会の性格から他の都道府県自治体病院の現状と照らした、我々の立ち位置確認や国レベルへの要望など、意見交換に留まらず、得るところは大きいと期待している。



2012年11月1日木曜日

[IS-REC]私の10月運動総量はさんざんだったが・・

 

    この10月、私の運動総量は期待値(週40km走歩行)を大きく下回ってしまった。この確認は万歩計オムロンWalking StyleからPCに出力された月間運動グラフで行っているので一目瞭然だ。健康オタクで食いしん坊である私の健康維持プラン実践はいつもなかなか厳しいのが現実。
    さて、身体維持に必要な利用可能エネルギー(Energy Availability)は総摂取エネルギーから運動消費エネルギーを引いたものこの利用可能エネルギーが除脂肪体重(LBM)1Kg当たり30kcalを下回ると代謝やホルモン機能に影響して運動能力、成長、健康に影響するという。

    筋量や体力を維持する身体メンテナンスには、運動が必須であり、オーバートレーニングにならない範囲で一定の運動を継続し、それに見合うカロリー摂取を考えてゆく、これが運動と栄養の基本原則だ。

    一方、長生きや健康維持に、少食、腹7分目~8分目が実証的に良いとされる。勿論これは壮年期や老年期を想定した食のあり方を言ったものだろう。自分は低糖質メニューをここ数年実践し、運動はフィットネスクラブでの速歩やジョギングを週合計距離40kmを目標として実践している。歩数や延べ走行距離を件(くだん)のグラフに見える化して確認すると運動を継続する意欲が涌いてくる。

    しかし現職で運動する時間はもっぱら夜間となる現実、ルーチンの仕事と期限付きの仕事が重なると心身共にクタクタとなってついつい自分を甘やかしてしまう11月こそがんばろう!! (まあ疲れている時は無理せず休むのも良いかもねえ・・)

2012年10月31日水曜日

[Med-REHA]臨床と日常コミュニケーション手段としての絵文字


    臨床現場での医師を含む医療者側と患者さんとのやり取りで意志疎通がうまく行かなかったり、互いに納得したつもりで実は相互の誤解であったことが後で判明する事がある。特に障害者や高齢者の訴えを聴いてその治療や機能訓練に当たる我々リハビリテーションの領域ではこの意志疎通がうまくいったか否かは決定的に重要となる。

なぜ患者と医師でRAの疾患活動性評価が異なるのか:日経メディカル オンライン:
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    疼痛など主観的評価がベースに入る機能障害評価は殊に難しい。日経メディカルオンラインに紹介された、RA(慢性関節リウマチ)の疾患活動性評価が患者と医師で異なる問題も同様であろう。

同期親友M君の仕事:臨床表現手段としての絵文字

    同期の親友M君は長らくこの問題に取り組んでいる。最近、彼からリハスタッフ用として学術誌講座欄に連載執筆した文献が送られてきた。頭痛や腰痛、そのほか表現自体が難しい五感に関わるコミュニケーションの可視化に取り組み、それが如何にセラピストにとって診療上のヒントとなるかを語っている。

絵文字や顔文字による表現は異文化に共通する

    過日、ミャンマーのリハビリテーションスタッフが視察研修に訪れた。その際、専門的内容に限らず、相互交流の場においても、つたない英語でのやり取りには骨が折れ、もどかしさを感じてしまった。こんな時可視化された伝えたい内容に関する絵カードがあればもっとスムーズに説明できたかも知れない。M君の執筆した講座には異文化でも臨床表現として絵文字が有用であったと書いてある。その通りだと思う。

日常臨床で使われる絵カード

    リハビリ目的で紹介入院してくる失語症や難聴の患者さんとのやり取りで、時に絵カードの使用がとても役立ち、コミュニケーションの代償手段として患者さんのご家族に指導する場合がある。このようにリハビリテーションの分野では絵カードが日常的に使用されているが、今後の高齢化社会にあってはコミュニケーションの代償手段として、またユニバーサルデザインの一部として簡便な絵解きと絵カードの類が役立ってゆくことだろう。

2012年10月28日日曜日

[IS-REC]和賀仙人岳で落とした登山案内はがき

       去る9月16日の和賀仙人岳登山では、姥杉までの旧街道に沿う広い登山道に比較して、それ以降の展望所から頂上への道のりは手入れ行き届かず背の高い笹藪に覆われた未整備道であった。やっとの思いでせまい頂上に到着後、すぐに同じ道の下山でも一瞬気を緩めると迷子となりそうな状況。

      そこで私は胸ポケットの登山案内葉書の入った袋を落としてしまった。10日程経って、その落とした葉書にあった私の住所宛に拾得物ありの連絡を宮城県多賀城在住、Sさんから頂いた。落としたカメラ 

  ( Sさんから届けられたカメラと葉書、そしてその人柄示す一文が添えられてあり)

    同じ熟年登山者らしい親しみのある筆致で拾いものは葉書以外にもあったという連絡。早速、小生所属する山の会の仲間に会長を通じて問い合わせした。あとでその拾得物がカメラである旨も、Sさんから連絡をもらった。その情報含めて会の仲間に連絡したがどうも落とし主は私の仲間にはいないらしい、Sさんにはそう連絡した。

仲間内のFさんが買ったばかりの高級カメラを落としていた

    ところがその後、仲間内のFさんが買ったばかりの高級カメラを落としていたようだとの連絡が会長からあり、びっくり。Fさんは落としたことがわかると仲間に迷惑がかかると、話すのを遠慮していたらしい。機種を照合して早速Sさんへ連絡。

    この度無事落とした案内葉書と一緒にFさんのカメラも届きました。もう戻らぬものと諦めていただけにFさんの喜びはひとしお。宮城多賀城のSさん、本当にありがとうございました。

[Med-REHA]ミャンマー・リハビリスタッフと交流


        10月22日から一週間の予定でミャンマーを代表するリハビリテーション施設からそのスタッフが視察研修に訪れている。JAICA大澤さんは以前、県内大学病院にPTとして奉職していたのがその縁である。ミャンマーは秋田の塩汁(ショッツル)と共通した漁醤が日常好まれ塩分摂取は秋田に負けず劣らず多いとのこと。正確な統計はないらしく国内の脳卒中発症率は把握されていないようだ。

       今回の視察研修は脳卒中リハビリのチームアプローチを学ぶこと。さて、ミャンマーの医学的リハビリテーションの歴史は意外に古く、日本リハビリテーション医学会の戦後の発展とほぼ時期的に共通する。しかし施設やスタッフは少なく、医師とPT以外の職種なく、ここ数年の民主化進展に伴ってつい最近、OTその他の養成校が認可されたらしい。脳卒中患者のリハビリ紹介はまだ認知度が低くあまりないとのことで外傷やリウマチなどが主。リハビリ医育成の教育はストレートで日本のように臨床他科からリハビリに代わるコースを取るものはいないらしい。臨床教授とPT、担当看護師を合わせ8名、通訳交えて10名越える一行に脳卒中リハビリの現場出である回復期病棟や慢性回復期療養病棟、訓練室を視てもらい、さらに医師含むリハビリスタッフからレクチャーを行った。英語でのやりとりは当方側含めてつたないが、JAICA通訳は優秀。飲み会での交流で友情と情報交換に努めたが、どこまで通じたかは不明。それでも顔の見える関係が出来てミャンマーが一段と身近に感じられるようになった。JAICA大澤さん、ありがとう。
写真は交流会で、Dr.Khin Thida Anung、Prof Dr.Than Than Htay、Sitt Lwin Ko PTと一緒に

[Med-REHA]日体協公認スポーツドクター講習会に参加しました

SPORTSDR1210201

       10月20・21日、東京ベルサール九段で日体協公認スポーツDr.講習会(基礎Ⅰ)を受講しました。普段接する部分からは少しはずれた領域でとても新鮮に感じながら聴講しました。ホテルから皇居外苑にそう緑豊かな道を約25分、早足歩きで会場到着。心地よい疲れで初日午前の総論的事項の講義で少しうたた寝したほかは会場前席に陣取りじっくり聴講。


「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にくすり」

  

        国の健康づくり政策は、これまで1978年から2012年まで4度の提言があった。特に今後の生活習慣病対策では、冒頭の標語をもとに健康づくりのための運動基準、運動指針2006が作られ、身体活動量、運動量の目安が示されている。「いつでも、どこでも歩こう1日1万歩、自分に合った運動でいい汗かこう」   2012年にはさらに健康増進の総合的指針が出され、「健康寿命延伸と健康」「格差の縮小」はじめ提言され、特筆する点は個人の努力とともに社会環境改善についても言及しているという。各論的事項では、整形外科的メディカルチェック、競技種目特性を考慮するとき、種目をコンタクト・ノンコンタクトとに分類すること。格闘技に代表される選手同士が肌を接する競技とそうではない競技に分けて考えると、チェックポイントが明らかとなるなど、基本事項を身につける上でとても役に立った。そのほかにも「女性と運動」、「世代別と運動」、「運動と栄養面」など、自分のスポーツや健康に関する知識を整理するとても良く組まれたプログラムで、スポーツDr.資格取得にふさわしい入門講義聴講でした。感謝、感謝!!

2012年10月19日金曜日

[Med-REHA]耳管開放症 STさんの場合

耳と三半規管
    9月に放送された、「ためしてガッテン、耳管開放症のお話」はとても勉強になりました。同期のKT先生、颯爽として格好良かった。どうもご苦労様でした。
    さて、耳管開放症の話しを聴いてすぐに思い出したのが、現在通院中のSTさんのこと。

仕事上のストレス続きでクモ膜下出血

当時49歳のSTさんは、眼鏡店責任者であったが量販店進出の過当競争で相当のストレスが続き、上背170センチの大柄に関わらず体重48kgまで痩せてしまった。その頃から頭に響く耳鳴りや不快感が続くようになった。そして2005年9月末、とうとうクモ膜下出血を発症してしまった。診断は右椎骨動脈の解離性動脈瘤破裂によるもの。第IV脳室急性水頭症を併発したが、破裂した血管は自然閉塞し、治療は水頭症短絡術のみで一命を取り止めた。しかし脳幹圧迫が続いて脳幹機能不全に陥り呼吸・嚥下障害、重度四肢運動失調を後遺、このためその後も生死を彷徨うエピソードや体幹失調で坐位不能の寝たきり状態が続いた。

根気強いリハビリで少しずつ回復

STさんと私の出会いはクモ膜下出血発症から3ヶ月目。気管切開され、経鼻胃管の状態であった。50歳現職の眼鏡店支店長STさんには何とか良くなって欲しいと、奥さんはじめ家族はみな必死であった。私が考えられること、そして持てる技術すべてを出し切るつもりで治療・リハビリに当たった。私のスタッフもできる限りの知恵を絞った甲斐あって、背もたれ坐位からつかまり立位が可能となり、胃瘻造設で栄養障害も改善した。少しずつ筋力・体力も改善し坐位で両手も使えるようになった。水頭症悪化による呼吸障害でトラブルもあった。しかし結局、気管切開も閉じられた。経口摂取も少しずつ訓練、回復には更に数年を要したが、注意すれば口から何でも食べられるまでとなった。

回復に伴い耳管開放症による症状を自覚

3ヶ月入院後、在宅に向けた準備を開始し、様々な続発症に対する対応を検討した。睡眠時無呼吸、発声時の両耳不快感、など耳鼻科的な問題、両下肢内反尖足傾向の出現、などなど。しかし本人が自覚的にもっとも辛いのはやはり会話の際に自分の声が頭に響く不快感で頭が痛くなること。体重は栄養障害改善で病前の元気な頃までに回復していたが、耳管開放症状が継続するのはやはりクモ膜下出血後遺症の影響も関わっているのだろうか?
     その後、耳鼻科で耳管開放症に対する手術を受けたが未だに症状は多少残存しているという。
     背もたれ車椅子が必要だが、現在も月一度、奥さんの車運転で元気に通院してくる。通院の折に少し寄り道してあちこち出歩くのが楽しみ。そろそろ紅葉の時期、近いうち、紅葉狩りを楽しみにしているという。

2012年10月17日水曜日

[Med-REHA] 障害と闘って生き続ける

      Y氏は20数年前まで、当時の建設省に勤める優秀な青年であった。1991年11月末、勤務先で突然の意識障害を来して救急病院へ搬送、左内頚動脈瘤破裂によるクモ膜下出血と診断された。入院時の血管造影中、動脈瘤再破裂を来して左側頭葉から前頭葉底部に血腫を形成し緊急手術となった。一命は取り留めたが、重度障害を残して故郷に帰省した。当時34歳であった。

           帰省後、私の務める脳卒中センター・リハビリ外来に紹介されてきた。何を訊いても緘黙状態だが簡単な理解は可能、運動麻痺なく、独歩も可能であった。しかし指示された動作が理解出来ても、その開始や途中に動作そのものが中断することしばしばで常に第三者の援助が必要であった。一方、不思議なことに自転車に乗るなど、それまで獲得されていた行為・動作は可能で食事も一人で摂取できた。

特異な前頭葉性運動障害・抑制障害と発声発話障害、知的障害

     以来、私と彼との20数年にわたる長い付き合いが始まった。意図した発声や行為が困難な一方で、日常の定型的動作は可能なことから施設などに入らず実家で生活を続けた。時に一人で街に出かけて商店の品を持ち帰ろうとして、警察のお世話となる事もあった。特異な運動障害(意図と自動的行動の著しい解離や、系列行為の中断・停止、など)や緘黙状態はほとんど改善しないが、最近となって簡単な挨拶など、早口で聞き取りにくいが可能となった。

父の重なる病気や骨関節疾患で在宅療養生活危うし

     Y氏の父Kさんは農業で生計を立てるが、糖尿病や高血圧があり、そのため軽症脳卒中に罹患、軽い構音障害や右手の障害を来して、以後Y氏受診の折に私の外来診察を受けるようになった。その生活習慣病管理や軽症脳卒中後遺症は良くなったが、その後若い頃からの無理がたたったのか、両膝や股関節に多発性変形性関節症を合併、術後の感染併発治療を含めて再三手術を受ける結果となった。屋内も両手に杖を持たないと移動が困難となった。

通院継続は無理かと思われた

     これまで父Kさんの自動車運転で外来通院していたY氏の通院は無理だろうと思っていた。父Kさんの整形外科入院中、Y氏は実姉が付き添って外来に来ることもあったが、その間隔は拡がっていった。Y氏の今後の通院はもう不可能だろうと思わざるを得なかった。

     朝夕の冷え込みで煖房が恋しくなる頃、Y氏のクモ膜下出血発症から21年目を迎えようとする時期となった。両手に杖を持って、たどたどしい歩き方をする父KさんとY氏が再び私の外来にやってきた。父Kさんは重機を動かして農作業にも復帰し、車の運転はオートマ車で可能だという。

「息子の事を考えると、今の状態で死んでられない、脳卒中再発がもっとも怖い、先生、何とか助けてくれ・・・」

     障害を持って年々齢を重ねるY氏、その息子の行く末を案じながら、自分の負った障害と闘う高齢の父Kさん、自分の出来る事は限られるが何とか応援し続けたいものだ。

2012年10月15日月曜日

[Med-REHA]認知症病棟紹介入院の危うさ

    80歳過ぎのAさんは夫婦二人暮らしとなった頃から身勝手な行動が目立ち、近くに住む次男夫婦ももてあまし気味であった。夫が施設入所して一人暮らしを始めたが、身の回りのことは入浴以外可能であった。入浴は介護ヘルパーを利用していた。その後序々に火の不始末、服薬の管理や定期的服用が出来ない、介護ヘルパーへの暴言や暴力、物盗られ妄想などがみられるようになり、この9月には自宅の池州でおぼれそうになるなど、眼離しがきかない状況となった。緊急的に小規模多機能施設へ入所した。ここでもトラブルが続き、家族・ケアマネ・かかりつけ医との相談結果、認知症周辺症状の調整目的に当センター認知症病棟に医療保護・紹介入院となった。

入院直後に判明した腹部症状と異常所見

      入院時、両耳難聴で意志疎通が一部困難だが、声を大きくして話すとコミュニケーション可能で指示に従い、診察やその後の検査も一応可能であった。

    入院時診察と検査で、難聴による意志疎通困難を伴う中等度認知症(アルツハイマ-病?、前頭側頭型認知症?)と診断。さらに採血検査では白血球増多と炎症反応陽性、視診で下腹部膨満あり、腹部X線写真で回盲部から大腸全般にガス像が観察され、回盲部には糞液のニボー形成がみられた。

     入院後、排便あり食事も可能な事から経過観察となった。一方、入院したその日に窓から逃走を図るなど、精神症状や問題行動が目立って、その周辺症状管理に関心を奪われていた。

夜半から悪化した腹部症状

    夕食も5割以上摂取。しかし夜半より元気がなくなり、下腹部膨満と触診で回盲部付近を中心に下腹部全体の圧痛あり、発熱もみられるようになった。腹部蠕動音亢進なく、向精神薬服用の影響や糞便性イレウスを考え、浣腸したが廃液のみ。

早朝、救急病院外科へ転院、手術で救命

    翌早朝には腹部膨満や圧痛が増悪したため下部消化管の閉塞性イレウス、急性腹症として救急病院外科に紹介転院した。これまでの経緯から家族の連絡対応が遅く、ヤキモキしたが同日昼には緊急手術となってショックとはならず一命を取り止めたらしい(その後の詳細は家族の説明のみで不明)。

    本人が自覚症状をうまく訴えないこと、前景に立つ認知症症状に惑わされて、背後の問題を見逃し対応が遅れる可能性があること、このAさんの例は、紹介入院となる認知症患者の抱える危うさを知り、その後の対応を考える上でとても教訓的なケースであった。

2012年10月13日土曜日

[Med-REHA] 当リハセンター、最近の脳卒中地域医療連携実績


連携実績1

 10月20日に地域連携シンポジウムを大仙市大曲で予定

           今月20日に予定される大仙・仙北医療圏、連携協議会シンポジウムに向けて回復期病棟師長にこれまでの実績をまとめてもらった。
連携実績2             平成22年1月から開始され、本年6月までの29ヶ月間で3カ所の急性期病院(仙北組合総合病院・平鹿総合病院・雄勝中央病院)から155名が対象となった。連携開始当初は回復期病棟の受け入れ能力もあり、対象者を絞った。しかし対象限定はやはり不評で、途中から適応を広げている。パスによる連携を円滑に進める目的で定期的に集会を持ち意見交換し、相互理解や相互信頼、問題点共有がなされている。急性期の栄養維持への配慮で、回復期転院後に状態不良で訓練開始が困難な例は減少している印象。秋田県南をカバーする当リハセンター回復期病床数は50床に過ぎず、患者の流れには急性期・回復期のミスマッチもまだまだ多いようだ。この間のパス利用者は残念ながら入院脳卒中患者の2割に留まっている。

クリパス対象患者の90%が自宅退院

連携実績3クリパス対象患者は入院時点での機能レベルが高い。結果としてその自宅退院割合が高く、自宅退院患者には退院後に当リハセンター地域医療連携相談科からスタッフが自宅訪問する。退院前のスタッフによる在宅環境評価訪問もあるので退院を挟み前後2回の在宅訪問がある訳だ。患者・家族の評判もよい。

転院依頼から回復期入院までの期間短縮

またパスが導入された効果として、転院依頼から回復期病棟入院までの期間が相当短縮した。連携を積極的に進める病棟スタッフの努力を多としたい。

2012年10月12日金曜日

[Med-REHA] リハセン15周年講演会は職員一丸となり大成功!!


    去る10月6日土曜日、3連休初日に秋田市内ビューホテルで開催した、“リハセン開設15周年記念講演会”は、会場を溢れる300名近い来場者を数えて成功のうちに終わりました。一般の方が4割、医療機関や介護施設関係者が4割で、センターの患者さんやそのご家族も来場されていました。

    限られた時間でしたがイベントブースでデモや医療介護相談も企画され、多くの方が興味深げに立ち寄られていました。

    講演は小畑信彦病院長の「うつの話し」、佐藤隆郎認知症診療部次長の「認知症について」、特別講演として佐竹秋田県知事の脳卒中体験にもとづく講話、そして小生の「今どき、リハビリ~何が変わったか?」でした。終了後のアンケートの感想ではイベントブースでのデモや相談コーナー、記念講演いずれも好意的で同様の企画を今後とも望みたいという方々が多くおられました。

    行事の企画運営にはHK先生を筆頭に日常業務の中で時間を惜しんで当たられ、本当に御苦労様でした。

2012年10月11日木曜日

[Med-REHA]AMI人材育成セミナー・リハセン現地研修


秋田県企画振興部学術国際局学術振興課主催で

    平成24年度医工連携人材育成セミナーが9月25日から行われています。その現地セミナーとして10月10日、県立リハセンを会場に「リハビリテーションで使用されている医療福祉機器」をテーマに13名の受講者が集いました。

訓練室実地見学前のレクチャー

    小生から最初にリハビリに関する基礎知識を含めてオリエンテーションを行いました。リハセン現況からみた取り扱い患者全般の傾向やプロフィール、リハビリテーション技術や機器導入による最近の進歩、そういった技術や手技が導入されても最終的には対象患者さんの意欲や動機の有無が最終的に大切であること、などをお話ししました。

訓練室での見学と意見交換はとても有益だった

    訓練室では作業療法全般の説明と見学、当センターAS医師が開発した上肢訓練ロボットの説明とデモを行いました。このデモでも機械工学的観点から様々な意見も出て、AS医師の顔はやや紅潮気味。さすが工学畑のプロが多いなあという印象。理学療法室では先進技術であるロボットスーツ・ハルのデモを行いました。技術屋さんが発する質問や意見は普段訊くことがないだけにとても新鮮な印象。

何が求められ、何が必要とされるのか、そのヒントは?

   最後の全体討論では、STのNA室長から主に発達障害を含むコミュニケーション障害でその訓練や生活に必要な補助具について、既存の市販製品が高価過ぎること、目的に合った製品が意外になかったりすること、などが提起。それに対する参加者から様々な意見が飛び出して活発な意見交換がなされました。参加者も、そして準備にあたった小生を含むリハセンスタッフも、とても勉強になった現地研修の一日でした。

2度目の真昼岳です ~ブナ林が最高でした

   10月初旬の3連休中日7日、美郷町赤倉口から7年ぶりの真昼岳に登りました。2005年の真昼登山は、初夏の頃でデジカメには沢山の色鮮やかな山野草が写っていました。

  

  今回は、残暑の影響で紅葉未だの時期。狭く長い林道を車で往き、登山口へ。赤倉コース始めは滑りやすい沢伝いの道。ここを過ぎて出くわす一面のブナ林には感激。木漏れ日に照らされる木肌が直接匂ってくるようです。その後もずっと緩い傾斜道で、コースの多くは狭く滑りやすい足場の悪い道が続きます。ロープを張った急峻な斜面の所もあり、注意が必要。

  天候に恵まれましたが、山頂からの視界は今ひとつ。頂上付近は笹藪多く、この時期の彩り添える紅葉は未だ。みられるお花も、リンドウ、トリカブト、アザミの紫がやや目立つ程度。

  下山は転倒しないように細心の注意を払いながらの長い道のりで、とうとう足首が疲労して足下がフラフラ。でも下山後の六郷温泉、多少熱めのお湯でしたが最高でした。

2012年10月2日火曜日

[Med-REHA] リハビリ入院患者の栄養障害

   この頃、リハビリ病棟に入院してリハビリを受ける患者さんの栄養障害が気になります。地域医療連携クリニカルパスで入院する患者さんの中には急性期病院で安静と意識障害下での誤嚥を恐れて十分な経口栄養が出来なかったりで、発症後に急激な体重減少を来している例がありました。最近では連携での話し合いの中で体重管理に注意を向けるようになり、このようなケースも減少しています。

 

栄養不良で入院する患者はそれでも多い

   リハビリ目的で紹介・入院となる患者さんは、リハビリを必要とする主病名のほかにたくさんの保険病名を付けられて入院治療を受けています。必要な薬を出し、必要な治療を受ける上で適切な病名がないと診療報酬がもらえません。中には入院中の病名が100を超える方もおります。

入院中保険病名1人当たり、回復期12、療養23

   保険病名は、背景疾患、併存疾患、入院中の感染症、その他、ですが、最も多いの入院後に判明した既存疾患です。なかでも栄養障害によるビタミン欠乏などが目立ちます。

高齢者や障害者は嚥下障害による栄養障害が問題

   生活習慣病による脂質代謝異常や肥満が問題とされることが多いのですが、高齢者や障害者では嚥下障害など隠された障害による栄養障害がもっと問題となるのです。

2012年9月30日日曜日

新米で玄米黒豆入り御飯

秋田は新米の季節。新米を使ったキリタンポ、NHK全国版でも季節の便りで放送された。地方紙さきがけの写真でもホントにおいしそう(http://bit.ly/PBqNwd)。

知人Aさんから今年も玄米で新米を送っていただく

  今年も新米が届いた。私が玄米菜食に努めていることを知って勿論、玄米で。早速、いつもの黒大豆入り玄米を炊く。出来上がりは赤飯ライク。玄米の嚼み心地と独特の甘さはこれに優るものはない。

いつもAさん有り難う。身体の障害があってもいつも明るく笑顔を絶やすことのないAさん。ご夫婦ともいつまでもお元気で!!



2012年9月25日火曜日

[Med-REHA] 今どき、リハビリ入院の現状は?

我々のリハセンター1年間の入院患者実態をその主病名からまとめました



  回復期リハビリ病棟50床、それ以外の患者さんが入る療養型リハビリ病棟50床で構成される専門リハ施設の入院患者動向は、その主病名からみても年々大きく変化しています。地域の高齢化を反映した疾病構造変化、地域医療連携体制進展とセンターに求められる専門性が入院する患者さんの疾病・障害構造に大きく反映しているのです。


求められている質と量のリハビリテーション


  初発脳卒中自体が減少して、数多くの背景疾患を抱える再発性脳卒中、各種の合併症や背景疾患のためリハビリが一見困難なケースが紹介されてきます。特に入院する多くのケースが認知症を合併しています。整形疾患や変性疾患、心疾患や末梢血管疾患が伴うケースも多い。たいていの患者さんが10個以上の保険病名を持っており、リハビリ入院となった主病名や障害が特定困難なケースもあります。このため入院期間は長期化傾向、また専門性とリスク管理の負担が増えて主治医はじめチームの質的・量的負担が増えています。

回復期病棟を含めて「廃用症候群」が多い


  年々、いわゆる「廃用症候群」で入院されるケースが増加しています。「廃用症候群」とは、障害発生・障害悪化の直接の原因が日常生活を含む身体運動が不活発になったり、外科手術その他の治療入院で安静を余儀なくされて発生した身体機能障害。

療養型病棟では嚥下障害の評価・訓練入院も多い


  療養型病棟では専門的リハビリテーションのためにパーキンソン病や脊髄小脳変性症など、変性疾患患者さんが従来多かったが、最近は嚥下障害の評価・治療・訓練のケースが増えています。こういったケースでは胃瘻造設をして嚥下治療食選択や本人への嚥下訓練・家族指導をしています。


2012年9月24日月曜日

[Med-REHA] 紫外線・素肌・化粧品、そしてHSP


化粧品は2兆円産業!!

  今朝、朝日新聞広告局による全面広告で再春館製薬所の化粧品宣伝が掲載された。ホンの小さな新聞広告でも相当のお金がかかる。地方独立行政法人に所属する我々リハセンター15周年記念行事を新聞に掲載するのに相当宣伝費がかかった。全面広告では一体いくらかるの?

HSPと化粧品

  水島 徹著「HSPと分子シャペロン」(講談社・ブルーバックスB-1774、2012年6月20日刊行http://amzn.to/SNSKQC)にHSPの一種でHSP70という成分が紫外線による皮膚傷害と表皮の壊死を防ぐ話が紹介されている。これが化粧品として応用できないか、当時熊本大学に奉職していた水島が化粧品メーカーとの共同研究を行った話が紹介されている。ちなみに化粧品市場規模は2兆円を超え、一般の市販薬市場8000億円と比べても非常に大きな成長産業である。HSP70は、紫外線によるシミ、すなわちメラニン過剰産生や皮膚障害を予防し、また紫外線による皮膚損傷を修復するという。
  HSP70を含む生薬を検索してヤバツイという生薬が見出され、この生薬を含む化粧品が水島のサポートで発売された。この化粧品自体の名前は小生にはわからないが、その発売元はこの熊本にある再春館製薬所。
 実験的にその効能は確認されており、実際に使っているご婦人の方々の評判上々で、きっと高価でもどんどん売れているのだろう。広告の大きさがそれを物語っている。

2012年9月21日金曜日

“健康でない人”の“健康方程式”「DEET」

健康の定義

健康の定義はいろいろある。一般には元気で他人の世話にならず、自立生活を営める生産的な心身の状態が“健康”である。日本全国、高齢化が進んで他人のお世話にならずに長生きし、ピンピン・コロリとあの世に迎えられるのが理想と説かれる。先日の敬老の日には、全国の高齢化率が20数パーセントとなり、100歳以上の老人が5万人を超えた、などと報道された。また健康寿命と平均寿命の差、すなわち他人のお世話となる期間が平均してどの位あって、その期間を如何に短くするかなども考察されていた。
  われわれリハビリテーション医療や介護の分野で働くものが、心身の障害持つ高齢者、脳卒中後遺症患者さんなどを扱い、その健康を考えるときにも彼らのQOLを如何に維持するか、その元気・長生き・自立度維持のフォーミュラが必要だろう。

健康人の“健康方程式”

2005年、医師で生命哲学研究所を起こした井上 敬医師は、健康者の「健康方程式」を提唱している(健康方程式シリーズ - Welcome to Institute of Biophilosophy !)。彼のいう健康方程式は「HOST」。H(Health)=O(oxygen)+S(simplified Meal)+T(Thanks)である。すなわち、健康生活維持には呼吸法と活性酸素を暴れさせない工夫、素食と少食、感謝の心が鍵という。その内容はなかなか説得力あり、私も実践に努めている。

“非”健康人の“健康方程式” 「DEET」

私のリハセンターに入院してリハビリを受けている方々や、施設・地域での健康講話をする機会が多い。講話の対象者の多くは既に健康寿命の過ぎた、“非”健康人である。私は井上 敬先生の向こうを張って、“非”健康人の彼らに、“健康方程式”DEET」を提唱した。

D:Doctor and Drug(かかりつけ医と服薬)

障害や病気を管理し、定期的に検査をしながら、彼らのQOL維持に適切なアドバイスをする「かかりつけ医」や「主治医」が必要である。服薬も欠かせない。ケア・マネもかかりつけ医の足りない所をカバーするのが理想である。

E:Exercises(運動)

運動は健康人だけのものではない。障害残る患者さんは一生リハビリ(=運動)が必要。大地震後の仮設暮らしで日常生活動作能力が低下して要介護者が増加した。運動は認知症悪化予防にもとても有効なことが立証されている。障害レベルに合わせた運動メニューを作るのは我々リハビリテーション職種の得意とするところ。

E:Eat(食事と栄養管理)

井上先生が健康者の「健康方程式」でも触れている。健康者でも“非”健康者でも健康維持に食事に対する心構えが大切。ただし素食・少食が良いといっても、最近むしろ栄養障害を抱える方も多い。“リハビリ栄養”という言葉で、最近はリハビリを受ける患者さんの栄養障害に対する対応や栄養管理に腐心している。

T:Temperature(体温・加温)

これが私の強調したい「健康方程式」の要。斎藤真嗣著「体温を上げれば健康になる」(http://amzn.to/QH32mu)、伊藤要子著「加温生活」(http://amzn.to/P5bNGC)。自己免疫力を高め、身体の構造蛋白が病気で傷害されたとき、その組織修復に働くHSPを活性化するひとつの出来そうな工夫は体温を上げることである。 

2012年9月19日水曜日

和賀仙人山(882m)に登る

和賀仙人山登山1209    2102/09/16日曜日、この日も東北日本海側の秋田は好天で快晴で残暑厳しい一日となった。

   早朝6時出発、国道13号線から横手で107号線に抜け、山内を経由して北上に入り、錦秋湖を左手に見て和賀川にかかる橋を越えてすぐ、T字路の右手に「仙人峠の姥スギ入り口」を標示を折れて先に進み、重化学工業・北日本酸素の敷地を過ぎて人気のない登山口の狭い駐車場に車を止めて、午前9時少し前に登山開始。

    登山口には登山者記名箱が取り付けられているが、最近の登山者記録は見あたらない。姥スギまで1,67km、第一・第二展望台を過ぎて頂上まで4,28kmの標示があると、2006年の山行記録に書かれるが確認できず。久那斗神社の鳥居を越えて登山道に入り、北上線の鉄橋の下をくぐって、比較的道幅の広いかつて秀衝街道と呼ばれた古道を進む。

「森の巨人たち100選」の一本≪姥スギ≫

  久那斗神社に到着する手前で、林野庁が国有林の中から選定している「森の巨人たち100選」の一本に指定された幹周囲11,5mの姥スギに面会。全景は無論デジカメでは収まらないがそこで記念写真1枚。

  久那斗神社からが大変だった。第一展望台まで階段ない状態でずっと登りが続き、一部はロープが張られているがあまり助けとならず。しかも道は予想に反して未整備でほとんど背の高い笹藪をこいでの登りとなる。熊の恐怖もあり鈴や爆竹をならして進む。しかもやっとの思いで到着した頂上は、数m四方で三角点がおかれたのみ。食事する見晴らし良いスペースなく、早速とって返して下山。一部雲もかかるがおおむね快晴で風もなく蒸し蒸しした状態で下着もびっしょり。下山後、早速近くの景勝園で入浴し汗を流して帰秋。

2012年9月18日火曜日

敬老の日を控えリハビリ健康教室

   秋田県の高齢者人口は、県都・秋田市とほぼ同数の32万人となった。県として、その高齢化率30%は超えて秋田県は超々高齢県となった。

    私の所属する県立リハセンでは開設以来例年、県福祉エリア協賛で≪リハビリ健康教室≫を開催している。先日9月15日土曜日、敬老の日を含む3連休初日に横手市大森にある秋田県南部福祉総合エリアにてこの健康教室を開催した。

   リハセンから私と連携相談科職員2、PT1、OT3名の計7名が参加した。あらかじめエリア担当者からは、施設利用者(軽費老人ホーム・老人マンションなど入所者、地域老人など)を中心に当日の催し案内をしてもらった。教室は健康講話“介護するもの・されるもの、皆の健康が第一”という私の講話に加えて、ドンパン節に合わせたリハビリ体操である「ドンパン体操」、希望者を対象にした認知力・体力テスト・医療リハビリ相談を受け付ける。プログラムは、全部で約3時間となる。特に南部エリアでは、毎年同じ時期にこのリハビリ健康教室を開催しており、参加を楽しみにしている方々も多い。

  

今回は、連休初日で参加者は例年よりやや少なめ、それでも中央から離れたこの地域では決して少なくはない、28名の参加者(施設者21名、地域在住者7名)があった。ドンパン体操後の検診は、施設の方5名、地域在住者2名が受診。

高齢化がどの地域でもどんどん進み、秋田県でも1号被保険者の介護保険認定者は20%を超える。“介護する者”も“介護される者”も高齢化している。老々介護、病病介護が現実である。病気や障害を持っても、元気に障害を悪化させずに活きるにはどうしたら良いか? 今回の健康講話では、

その勘所を“私の健康方程式”として“DEET”という頭文字にまとめてお話した。

2012年9月7日金曜日

『免疫の反逆』(ドナ・ジャクソンナカザワ著、石山鈴子訳・ダイヤモンド社刊)を読む

  障害管理と機能回復訓練が医療の主体であるリハビリテーション科にも自己免疫疾患による後遺症のアフターケアー・生活指導を求めて紹介入院となるケースが増えている。ギラン・バレーによる感覚異常を伴う不全四肢麻痺例が最も多いが、多発性硬化症や、よく原因のわからない"脊髄梗塞"もよく入院してくるようになった。
 本書『免疫の反逆』*では、アメリカ国民の12人に一人、女性の9人に一人が自己免疫疾患を発症し、この割合は癌や心臓病よりも高いと強調している。そして自己免疫疾患激増の事態認識は米国内でも低いと警鐘を鳴らしている。  自己免疫疾患激増の背景にそれを誘発する何かがあり、その誘因となる物質を表現するために「自己免疫誘発物質(autogen)」という用語を紹介している。
  40年前、レイチェル・カーソンは著書『沈黙の春』の中で、化学の時代が環境変化を引き起こし、人間と共生する多くの種の繁殖や生存を脅かしてしまったかを明らかにした。そして本書の著者ナカザワは様々な疫学的事実とエピソードから、この化学物質による環境汚染が免疫システムを混乱させる原因であると多くの研究者が結論づけるまでに至っていること、その対策を講じることが産業発展を阻害するものとして「不都合な真実」と見られる故に殊更この事実にスポットを当てる必要があることを強調している。
  米国内のループス(SLE)や小児の1型糖尿病が激増、フィンランドでは多発性硬化症(MS)の発症率が過去50年3倍に上昇しているという。これら自己免疫疾患の診断はしばしば困難であり、診断技術向上が見かけ上の発症率上昇に関係している可能性がある。しかし著者は今日のこれら疾患の激増を診断率向上のみ帰することは出来ず、世界的な環境汚染進行の影響が大きく第一義的要因と考えるのがより妥当としている。
  本書を読んで意外に身近にある自己免疫疾患を再認識した。教科書的知識から具体的で生きた知識・疾患として再認識させられた。時に扱う原因不明の脳卒中が抗リン脂質抗体症候群(APS)によるものでなかったのか、などと反省した。また同時に地球規模で進む環境変化の怖さを肌で感じさせられた。
*ドナ・ジャクソンナカザワ著、石山鈴子訳・ダイヤモンド社刊『免疫の反逆』http://amzn.to/OUenjc

2012年9月6日木曜日

リハセン抗加齢ドック(WEB用)案内を作っています

※1週間後を目処に以下のURLでご参照下さい。掲載写真はその報告書事例です。


《リハセン抗加齢ドック》のご案内

  超高齢化社会の中で健康で自立した生活を保ち健康寿命を維持するためには、日常の食や運動に注意した生活習慣が大切です。また、たとえ持病や障害があっても定期的に健康や運動・動作能力、体力をチェックして現在の自らの身体状態を知る事が必要です。リハセン抗加齢ドックは、脳と生活習慣病ドックを合わせ効率よく短時間に必要な項目の検査を行います。

●《リハセン抗加齢ドック》の特徴は何ですか?
(1)検診項目は、"脳"と"生活習慣病ドック"(癌検診項目は除外)で構成されます
(2)すべての検査は午前中で終了する短時間検診です
(3)肥満の正確な診断が可能な内臓脂肪測定をMRIで行います

●どんな方が対象となるのでしょうか?
(1)生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂血異常・心臓病・ガン)を心配される方:癌検診相当項目(腫瘍マーカー・消化管内視鏡・PET核医学検査)を除く、動脈硬化性疾患(血管病)を中心に検査致します
(2)脳卒中発症を心配される方:未破裂脳動脈瘤や血管奇形、脳血管狭窄や閉塞、のきい系、
(3)介護が必要な方を抱えるご家族の方:老々介護で時間的にもゆとりない介護家族の方に対して、短時間に効率よく検査致します。
(3)身体機能に障害があって、能力低下や背景疾患の悪化を心配されている方:リハセンの専門性を活かして通常の検診項目に加えて障害進行に関する不安に適切なアドバイスも行います

●検査結果はすぐにわかるのですか?
  外注検査はありませんので、検査終了次第(通常は午後1時30分頃)、担当専門医からの説明され、結果成績表が渡されます

【おもな検査内容】(表になります)
検査項目:
(1)血液・尿検査・体組成(身長・体重・脂肪量・体脂肪率など)・腹囲、問診と診察
検査目的:生活習慣病に関わるリスク検査
(2)超音波骨密度検査
検査目的:骨粗鬆症や転倒時骨折リスクスクリーニング検査
(3)胸部X線撮影、MRI
検査目的:脳卒中などの脳血管疾患や心肺疾患有無の検査、腹部MRIで内臓肥満の検査
(4)頸部頸動脈超音波(エコー)検査
検査目的:動脈硬化の進行程度評価
(5)心電図・肺機能検査
検査目的:運動で問題となる心肺機能検査
(6)超音波骨密度検査
検査目的:骨量・骨質、若年成人と比較した骨折リスクの評価
(7)体力・運動・バランス能力検査
検査目的:年齢相応の体力や動作能力があるかの評価

以下、省略

2012年9月5日水曜日

HSPとUnfolding病 ~ 水島 徹著「HSPと分子シャペロン」を読む

   最近読んだ、ブルーバックス、水島 徹著「HSPと分子シャペロン」*は久しぶりに新鮮な情報に触れて、その快感と面白さに酔わされた。
    HSP自体は脳卒中発症直後、その損傷回復過程で産生される組織修復マーカーとして理解するようになり、更に温熱によってHSPが体内で産生され体力回復・運動能力回復につながることから、リハビリテーション臨床の面からも注目するようになった。また学会報告やその著書**から伊藤要子氏の基礎と臨床をつなぐ仕事にも注目していた。水島氏の「HSPと分子シャペロン」はこういった背景からタイトルを聞いてすぐに購入した。そして読み始めて予想以上に新しい情報が盛り込まれていることに興奮させられた。
HSPの変性蛋白の認識メカニズムとその凝集を抑制する仕組み、HSPが分子シャペロンとも呼ばれて、蛋白質生成直後から最終的に分解されるまでのすべての過程に関わっていること、特に蛋白質が正しい立体構造になるためにHSPが重要な役割を果たし、それが障害されると蛋白合成に失敗してアミノ酸まで再分解されるか、あるいは正常蛋白が出来ず病的異常蛋白が生成されてしまうこと、そしてこれがアルツハイマー病やパーキソン病なども含まれる、アンフォールディング(Unfolding)病と総称される疾患発症の原因となることなど、まさに自分が臨床的に関わることの多い加齢性疾患や神経変性疾患がHSPという身体を構成する蛋白の生成と再生に欠かせないシャペロンとしての働きの異常によって一元的に説明・理解可能となったことはとてもすばらしいことだ。
本書では健康サプリメントや抗潰瘍薬での研究でHSP生成を促すセルベックス(掲載写真はそのカプセル)が動物実験レベルでアルツハイマー病の根本的治療薬になり得る可能性も指摘されている。理論的には当然であり今後も注目してゆく必要がある。

*http://amzn.to/SisCU1
**http://amzn.to/NLfYeC (伊藤要子著:加温生活「ヒートショックプロティン」があなたを健康にする マガジンハウス2011年11月10日初版発行)


2012年9月4日火曜日

焼石連峰の一角、夏油駒ヶ岳に登りました


  折からの好天と残暑の続く2012/09/02日曜日、山の会で岩手県北上市金ヶ崎、焼石連峰の一角をなし夏油三山のひとつである駒ヶ岳(駒形山)に登る。
 早朝、国道107号線から金ヶ崎方面に入ると予想に反し霧雨模様。雨具をつけて8時過ぎに登山者記録ノートの置かれた登山口から入る。 心地よいブナ林が続く整備された登山道を進む。途中、雲間から陽射しが照り始めて雨具を脱くが、この頃より湿気と蚊に悩まされる。蚊取り線香を焚いているが結局両耳を刺されてしまった。
  4等三角点から尾根北端の下・上賽の河原に至る頃、陽射しは更に強く、頂上に近いはずなのにむしろ気温は上昇。一方、上賽の河原を過ぎる頃より傾斜ややきついが漂う風は心地よい。
  登山開始後2.5時間程で駒形神社奥宮のある頂上に到着。途中、人気はなかったが頂上には2グループほどの先客あり。雲がうっすらかかった焼石や経塚山・牛形山、夏油スキー場を眺望する。下りは足下が滑って両手ストックをついてゆっくり下山。

2012年8月27日月曜日

■MRIで内臓脂肪量測定します

●「脳卒中後遺症によってなかなか運動が出来ない」、「仕事が忙しくて運動どころではない」など、さまざまな理由で運動過少による肥満症が増加している。
●肥満の診断には、これまで腹部CTによる内臓脂肪面積100cm2以上がその診断基準に設定されていた。
●しかし近年医療被曝が問題視され、CT撮像自体が控えられるようになった。
●そこで、ドックや肥満症による入院患者を対象に、放射線被曝のないMRIで内臓脂肪量測定を行えるような体制を整備した。
●内臓脂肪量は臍レベルで腹部MRIを撮像し、画像解析はリジド社製"FatVizCalc"を使用した。
●解析は、腹部断面で皮下脂肪と内臓脂肪を色分けして、該当部分面積を測定する。
●私の所属するリハセンターでは、高度肥満による膝関節症悪化など、で栄養管理下の食事制限と運動療法でダイエット入院するケースも多い。
●治療前後にはその効果についてエビデンスが重要である。そのエビデンスの一つとして、このMRI内臓脂肪量測定に期待している

2012年8月25日土曜日

PT3をセットしました



    PT3をセットした。これまで使用しているPT2に重宝し、主に視聴用に使用していたmAgicTV(I-Oデータ)”のトラブルの多さに嫌気がさし、いずれこのボードを廃棄してPT3導入を目論んでいた。   使用中のPCトラブル、PT3入手困難となるという噂もあり、その決断は意外に早くやってきた。  PCトラブルは内臓HDの故障とどうやらダイナミックディスクとしてRAIDを組んでいた事が原因らしい。故障HDをはずし、RAID解消、HDフォーマットをダイナミックからベーシックに換えて事は解決。このPCにPT3ボードを差した。B-CASはカードリーダーSCR80を購入し、mAgicTVボードのミニB-CASカードを使用。視聴環境は当初よりPT2環境をそのまま流用するつもりで、PT3専用ドライバーとSKD、FPGA回路更新プログラムをインストール後、PT3用Bonドライバーをダウンロードしてコピーして持ってきたTVTestフォルダ内にコピー、PT2用のドライバー削除。TVTestアプリ初期設定で、PT3用Bonドライバーを指定。チャンネルスキャン実行。これで早速視聴と思いきや、音声あっても画像見えず。この後が苦労の連続だった。結局、このTVTest初期設定でレンダラーをデォルトからいくつか並んだ別ものに代えて試行錯誤。EVRを使用したら見事に視聴可能となった。
    PT3ボードの差し方も影響あったらしくこの間、PCI-Expressとの接触部に潤滑油をたらしたり悪戦苦闘。でも何とか半日でこの作業も一段落。写真はPT3を差したPCの後ろ姿。   
  2012/08/25

2012年8月21日火曜日

■三度目の岩木山です

 2012/08/19の日曜日、青森県岩木山へ。7号線からアップルロードを経て岩木スカイラインへ。この有料道路オープンが午前8時で、結局登山道のロープウエイに乗ったのが9時過ぎ。やや風あるも周辺の岩場とこれから登る険しい道筋を既に這いつくばるように登る登山者が良く一望できる。これまで2回の登山は天候に恵まれなかったが、今度は残暑厳しいがこの“異常気象”のお陰で天候は良好。でも薄雲がかかって遠くの山々は思ったほど見えない。北海道も眺望出来ず。頂上はゴツゴツした岩場で早めの昼食をとって下山。体力余裕あり、道は整備されていなかったがリフト近くの鳥海山にも登山。・・・岩木山に鳥海山があるとは知らなかった。この頂上はなかなか眺望が良く開けたところ。ここから岩木山登山道方向に一枚写真撮影。コースは険しかったがリフト利用し短時間登山のせいか翌日意外に足の痛みはなかった。2012/08/21

2012年4月6日金曜日

■MyTwitterからそのつぶやきを再録します

久し振りに昨日から帰宅夕食後にfitness clubへ行っている。昨日は大荒れの天候。遅く出かけて水中歩行のみ30分。本日20時頃から70分、13kmトレッドミル走。全身の汗で爽快そのもの。少しでも毎日運動すると多少の健康不安も吹っ飛んでしまう。


posted at 22:53:23

2012年4月4日水曜日

MyTwitterからそのつぶやきを再録します

   本日外来。TS(71歳)さんは脳幹梗塞と胸腹部大動脈瘤手術既往あり血管外科と当科外来を通院。動脈硬化が強い典型的血管病患者。本日の採血で予想以上の低コレステロール!!(155mg%)。スタチン利きすぎによる脳出血の報告あり、注意を喚起。
13:43:25

   本日外来。4月からHbA1c値が国際標準のNGSPTS値へ変更。いずれの患者さんも血糖コントロールよく基準値内の結果。よけいな説明で混乱させることもなくほっと一息。
13:42:46

   本日外来。4月からの診療報酬改訂で、リハビリテーションについてはまた厳しくなる。介護保険通所リハビリと医療保険による外来リハ評価(リハビリ扱い)が厳しく制限。患者さんは介護保険による分を止めて、外来通院時のリハ評価・指導を希望するがそれも介護優先で困難かも・・・
13:41:48

2012年3月30日金曜日

■MyTwitterからそのつぶやきを再録します

    本日外来。脊損後遺症のTさんは、やはり受傷後に両下肢運動障害と異常疼痛のため運動過少で糖尿病悪化、SU剤主体の治療でなかなか尿糖・血糖のコントロールつき難かった。DPP4阻害剤が出て治療選択肢が増え、少しずつ調整つくようになる。


posted at 16:45:38

2012年3月27日火曜日


■MyTwitterからそのつぶやきを再録します

    リハビリ関連職種向けの教科書改訂版締め切りが迫る。前回発刊時との違いは脳卒中治療ガイドライン2009や回復期リハ医療の普及・認知と度重なる診療報酬改定による影響。それらを勘案した書き方が求められると考え執筆中。
posted at 20:06:14

    リハビリ開始指示箋について診療報酬請求上の要請は何とも承服し難い。スタッフに初期評価を依頼する時からこれがないとリハビリテーション報酬請求ができないのだ。
posted at 20:06:55


2012年3月26日月曜日


■MyTwitterからそのつぶやきを再録します

隠れた脳が理性脳に優って行動してしまう例として、前頭側頭型認知症となった婦人のエピソードが一章をさいて語られている。特に前頭葉機能である適切な判断や戦略的思考に関わる機能の障害による現象だ。
posted at 10:42:32

他人の成功に対して感じる葛藤は「自分の利益が第一」という、隠れた脳のメカニズムによって起こるという。。この葛藤が自分を奮起させるきっかけとなるのであれば、隠れた脳の働きも一概否定されるものでないことがわかる。
posted at 10:42:08

「人の眼」の写真ポスターが正直者を増やすという「スポットライト効果」は興味深い。しかし自分の利益第一のためインモラルとなる行為が隠れた脳の働きで起こりえることを考えると、この両現象を共に同一線上で説明することにやや矛盾を感じてしまう。
posted at 10:41:13

大阪維新の会にみる政治状況は怖い。そしてそれを支持する多くの世論のあることはもっと怖い。既成体制拒否や批判、一部の人の過ちを全体の如く吹聴、理性に勝った隠れた脳が、寡黙を強いられる教員や公務員を血祭りに上げる風潮をよく考えてみる必要がある。
posted at 10:40:48

隠れた脳は正確さよりもスピードを重視、それが使えない状況でもヒューリスティクスを使う。度々公表される世論調査の結果にも短絡的でがっかりさせられる意向がしばしば示される。これを隠れた脳のなせるわざとみると世論の良識のなさに嘆くことはない。
posted at 10:38:21

ヒューリスティクス。仕事を定型化して余計な思考回路を使わず時間効率よく仕事をかたずけたい。しかし他との関係性の中で短絡的価値判断を行うと隠れた脳が働いて理性とは別の意図せぬ偏見がでてしまう。
posted at 10:36:26


2012年3月23日金曜日


■MyTwitterからそのつぶやきを再録します
  • ★本日外来。常連患者+ドック1名。ドック希望は健康不安あっての受診が大半。今日の方も運動不足による肥満と夜間のいびき・無呼吸が悩み。睡眠時無呼吸は別精査要。若い方だが体力低下でバランス能低下(閉眼で重心動揺過多)、自転車エルゴで最大不可不能。 40歳すぎたらやはり運動習慣をもつべきだ。 posted at 16:02:55
  • ★本日外来。MA(64歳)さんはうつ原因による生活習慣病発症例。肥満や脂血異常、高血圧で外来通院中。身長低下と腰痛あり、骨粗鬆症関連検査実施。骨量低下、YAM値低下あるが、治療薬服用適応なしと判断。先ずは運動習慣指導で経過観察。 posted at 16:02:13
  • ★本日外来。SA(68歳)さんは橋出血後遺症による不全右麻痺を後遺。しかし病巣の見た目よりも想像以上に症状は軽い。今は糖尿病・高血圧治療と維持的リハビリ実施中。本日の頸動脈エコーでは動脈硬化軽度。MRAでも主幹動脈の硬化は意外に軽い。しかし脳実質の病巣はラクネ含めて多数。 posted at 16:01:30
  • ★本日外来。脊髄小脳変性症のMTさんは運動処方継続で機能障害進行がやや押さえられていたが、車椅子を使用するようになって目に見えて障害が進行。数日風邪症状軽減せず、就眠時の抗アレルギー薬のみ処方。 posted at 16:00:36



■MyTwitterからそのつぶやきを再録します
  • ★PT2をセットして常時起動状態としているPCが不調となる。きっかけはメンテナンスソフトPowerBundleをインストールしてシステム感染ファイルを検索駆除した頃から始まる。システムレジストの深い階層をいじったためなのか?焦げる気持ちに愛機はさっぱり答えず。
  • 2012/03/22[木]投稿-1
  • ★精神・肉体とも疲れ切った身に鞭打つ悲壮な気持ちと、一方でランナース・ハイとその後の一口のノン・アルコールビールを期待する気持ちにウキウキしながら夕食後、Fitness Clubに向かう。ダンベル30分、トレッドミル1時間10km、だいたいいつも通りのメニューこなして意気揚々。
  • 2012/03/22 [木]投稿-2


2012年3月21日水曜日

  • 本日外来。左視床出血で利き手の右が廃用となったFK(71歳)さんはしばらく肥満症による膝の負担や動作緩慢に悩み、フィットネスを実施。この間にもろもろの病気も重なり、最近はむしろ体重はむしろ少な目。血圧や脂血異常も自然に改善。 posted at 13:15:20

  • 本日外来。TH(58歳)は脳出血とクモ膜下出血の既往がある農家男性。奥さんが一生懸命に支えて現在も農作業を何とかこなしている。腎機能がやや低下、最近は身長と体重がわかれば糸球体腎機能(eGFR)がわかるので、治療や薬、運動負荷の目安となり彼の場合も指導に重宝している。 posted at 13:14:09

  • 本日外来。SMさんは腎移植既往のある福祉関係職員。軽症脳卒中後遺症と高血圧管理目的で私の外来にも通院。頸部頸動脈エコーで動脈硬化度を評価予定。腎機能を考慮して薬剤は降圧薬に絞りスタチンは未使用。喫煙は止められないようだ。 posted at 13:13:07

  • 本日外来。SM(73歳)さんは定年間際に脳梗塞となり左片麻痺を後遺。手根幹症候群による右手障害もあり麻痺自体軽度でも日常生活困難が大変だった。今は障害を克服して自家用車運転で外来にやってくる。冬季間の運動不足による体重増加が目下の悩みと課題。 posted at 13:12:25

  • 本日外来。SA(56歳)さんは、脳出血後遺症だが毎日散歩や運動に励み外来での運動機能評価結果も良い。片麻痺あると脊柱への影響なのか最近再びギックリ腰を繰り返すようになる。肩の痛みと腰の痛みで湿布は欠かせない。 posted at 13:11:17

  • 本日外来。IY(76歳)さんは軽い脳梗塞後遺症、右片麻痺で利き手に巧緻性市障害がある。日常生活でちょっとしたことが出来にくい。昨日も引き出しを開けようとして失敗しその勢いで後方転倒、腰を打ったという。気持ちと動作に乖離があって未だしばしばしこんな失敗の連続と嘆く。 posted at 13:09:25



  • 2012年2月29日水曜日

    Wed, Feb 29 @ichirosayama :: twtr2src

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    Wed, Feb 29 MyTwitterから

    MyTwitterからそのつぶやきを再録します
    • 02:05  本日は定期外来日。4年に一度の閏年29日に当たり、月1度の受診を翌週に延ばしたケースも多く、いつになく受診者少。奥さんの外来リハ継続と投薬・生活指導で2週毎来院するMさん夫妻は1番乗り。本日は秋田にしては久し振りに好天で患者さんの表情も良い。 »»
    • 02:00  本日外来日。もっぱら酒好きで農協職員退職後も非常勤で働くSYさん。糖尿病・多発脳梗塞後で飲酒や喫煙を中止。しかしこの正月に隠れて飲酒し自宅階段を転倒。脳挫傷で一時救急病院入院。本日外来で追跡CT検査実施。所見変化なくホットと一息。 »»
    • 01:59  本日外来日。Sさんは脳出血後遺症による右不全片麻痺だが移動能力含め日常生活自立し、自営の仕事にも復帰。そのため上肢機能回復にかける期待も大きい。最近報道もされる慢性期機能回復訓練法のCI療法や川平法についてもその適応について情報を提供する。 »»

    Mon, Feb 27 @ichirosayama :: twtr2src

    From Evernote:

    Mon, Feb 27 MyTwitterから

    MyTwitterからそのつぶやきを再録します
    • 02:02  仕事でメインに使っていたPCが故障。自作PCで筐体を開けてあれこれチェック。結局一日かけてでた結論はマザーボードのASRock X58 Extreme6故障。ウエッブにも同様な情報あり、意外にヤワらしい。貴重な時間を費やしまたマザーボー交換に時間もお金もかける必要ありショック! »»

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